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M-1グランプリ2023感想

令和ロマンの優勝で幕を閉じたM-1グランプリ2023。今回のnoteでは、そんなM-1グランプリ2023の決勝戦及び敗者復活戦の感想を述べていこうと思う。

敗者復活戦

大変革を遂げた敗者復活戦。
Aブロックは伏線回収ネタのロコディが基準を作り、それを破ったママタルト、そしてラストイヤーの気迫でヘンダーソンがママタルトを破りAブロック代表に。
BブロックはスタミナパンVSトム・ブラウンというカオスなマッチアップ後に実力を見せつけたエバース、そして圧倒的なウケでそのエバースを破ったナイチンゲールダンスがBブロック代表に。
Cブロックは新感覚ハゲネタを披露したシシガシラがラストイヤーななまがりなどを4組抜きでCブロック代表に。
そして、芸人審査員の投票で、4票を集めたシシガシラが敗者復活枠に決定した。

個人的な感想としては、代表3組はどの組も面白く、審査に不満は感じなかった。それ以外では、20世紀とエバースが面白かったので、来年期待したい。一番面白かったのはニッポンの社長。好みすぎる内容のネタで、オチも腹抱えて笑った。

この方式は昨年までの方式よりも非常に良いもであると感じた。敗者復活があるなら来年以降もこの方式でお願いしたい。

オープニング

ウエストランドの野外漫才からスタート。今年の俺おも枠は川北フェイントからのマユリカ阪本。初決勝の俺おもは初?
審査員紹介時、松ちゃんが塙のドッキリ弄り。これでもう終わりということで。(富澤の敗者復活ミーナ弄りも良かった)

ファーストラウンド

① 令和ロマン 92点

決勝初進出。
準決勝とは異なりしゃべくり漫才で勝負。初決勝のトップバッターなのにせりあがりの時点でしっかりと掴みが出来ているのが凄い。正解っぽい考えを思い付いたのに、面白くないで切り捨てる所が特に面白かった。会場の空気をあそこまで支配できるのが彼らの持ち味であることを再確認した。終盤失速気味だったのは残念。

② 敗者復活組 87点

敗者復活戦を勝ち上がったのは、決勝初進出のシシガシラ。
言葉に気をつけなければならない時代にハゲだけは許されている事実のおかしさを指摘した所がピークになってしまった。そこからの展開で更なる爆発を生み出せず、失速してしまったらどうしようもない。結果論ではあるが、歌ネタ被りを踏まえても敗者復活戦のネタをした方が良かったと思った。

③ さや香 95点

2年連続3回目の決勝進出。
昨年の免許返納で上がりきったハードルを超えてくる漫才。素早い掴み・質の高いバラシというこのスタイルの持ち味は今年も健在。どっちが言ってることも正しいような間違っているような、熱量の凄まじい漫才という独自のスタイルを変えずに2年連続で1位通過したことはもっと評価されても良いと思った。

④ カベポスター 89点

2年連続2回目の決勝進出。
カベポスターらしい独自の視点で展開された漫才。不倫を突き止めるバラシの時点では苦しいスタートだったが、ずっゼリがめちゃくちゃ面白かった。しかし、昨年のネタと比べると終盤の伸びが足りなかった印象を持ってしまった。オチのドロドロを噛んだのが印象的だった。

⑤ マユリカ 91点

決勝初進出。
「ズッキンズッキンプッチン不倫です、ポンピーン」は腹抱えて笑った。最後頭が痛くなった中谷に頭痛薬を渡さないという下りも含め、尻上がりに面白くなっていった。だが、前半の笑いは少なめで、勝ちきるためにはボケの数を少し増やすか更に質を高める必要があると感じた。中谷の「え~!?」が大好き。

⑥ ヤーレンズ 92点

決勝初進出。
矢継ぎ早に繰り出される面白いボケの数々。設定や展開が特にはないシンプルな漫才なのだが、ボケのキャラクターが独自性を生み出していると感じた。個人的にはツッコむまでもないボケをいくつか入れ込んでいた部分が良いなと思った。しかし、ラスト1分の失速が残念。富澤の点数が高いのは分かる。

⑦ 真空ジェシカ 91点

3年連続3回目の決勝進出。
面白いのに、なんかずっと会場との一体感が噛み合わない感じがした。過去2年よりも分かりやすいボケを増やし、本気で取りにきたことは伝わるのだが、審査員の多くが求めているものはそれじゃない感じが苦しかった。後、個人的に映画館という題材の知識が乏しいので理解が出来ていない部分もあったのかもしれない。

⑧ ダンビラムーチョ 88点

決勝初進出。
天体観測をずっと歌い続けているのが個人的にはめちゃくちゃツボに入って面白かった。しかし、審査員や会場はその後を想像以上に求めていた印象。色々なモードで展開を作っていたが、エナーイモード的な気持ち良い合いの手を3連発で締めた方が良いのかなと思った。岡本にサインねだりたい気持ちは分かるけど。

⑨ くらげ 86点

決勝初進出。
初見では、坊主のおじさんなのにめっちゃ詳しいという設定の笑いが口紅まで分からなかった。2回目で最初にきちんとフリがあったのを確認したが、そこが伝わってなかった印象。後、物忘れとか○○って言ってるときどう思ってたという部分のミルクボーイ感を指摘した松ちゃんの凄さよ。(○○って言ってるときどう思ってたは自分も見てて思った)

⑩ モグライダー 90点

2年ぶり2回目の決勝進出。
前回同様曲に対する独特な視点の面白さに加え、それに対する対処法の面白さも加わっていた。だが、それ以降の展開がそこまでの爆発は起こせず。明らかに2人のコンディションが完璧ではなかったのが伝わってきてしまった。最後のともしげの素晴らしい噛みが漫才中に出なかったのがあまりにも残念。余談としてジョンソンは終わるらしい。残念。

最終決戦

① 令和ロマン 94点

初の最終決戦進出。
1本目とは異なりコント漫才で勝負。単純作業とか拍手広がらずなど、一つ一つのボケやツッコミの強さが素晴らしい。吉本興業弄りからのお手本のような天丼で終盤の爆発を演出したのも巧い。会場を巻き込むのが非常に上手なコンビだなと改めて思った。

② ヤーレンズ 93点

初の最終決戦進出。
昨年の敗者復活戦のネタ。1本目でその独特なキャラクターが浸透したこともあり、何度も爆発を起こしていて面白かった。そして、1本目にはなかったメンジャミンバトンのような漫才に1本筋があった点が個人的には好みだった。

③ さや香 90点

2年連続2回目の最終決戦進出。
結果論から言うと失敗。見せ算の理論についていけないという意見も見受けられたが、個人的にはついていけすぎたため、そこまでおかしいことを言っていると感じられなかった。だからこそ、小手先のボケではなく見せ算の理論を根底から覆すぐらいの更なる展開を見せて欲しいと思ってしまった。
※こういうスタイルは千鳥のラーメン屋ぐらいのシンプルな意見をゴリ押しする方が良かったのかもしれない。

投票はヤーレンズと令和ロマンが交互に3連続とめちゃくちゃドラマチックに割れたが、ラストの松ちゃんが令和ロマンで令和ロマンの優勝。最後の邦ちゃんのコメント良かった。これだけでお釣りがくるぐらい良かった。

個人的な順位

ファーストラウンド
1 さや香
2 ヤーレンズ
3 令和ロマン
4 マユリカ
5 真空ジェシカ
6 モグライダー
7 カベポスター
8 ダンビラムーチョ
9 シシガシラ
10 くらげ
最終決戦
1 令和ロマン
2 ヤーレンズ
3 さや香
総合
1 令和ロマン
2 ヤーレンズ
3 さや香

総括

敗者復活戦からずっと見てたんで、長い。長いわ、長すぎる。個人的な感想として、今年のレベルは例年よりも低いように感じた。経験者組が全て自己ベストを更新できず、ギャンブル要素の強かった所が下位3組に沈んだのがそう感じた要因である。
また、くらげとダンビラムーチョに関しては、笑いどころの部分をフリと認識され、そうなると評価が伸びないのが残念だと感じた。
ただ、令和ロマンがトップバッターで優勝したことは結果として良かったのではないのだろうか。霜降り明星の優勝から5年。確かにお笑い界は大きく様変わりした。しかし、若い世代からすればまた閉塞感が現れ始めている印象もあった。だが、待ち望んだ平成生まれの優勝。今度こそ、お笑い界のドラスティックな世代交代を期待したい。手始めに霜降り明星と令和ロマンのダブルMC番組やろうぜ。

そして、

令和ロマン優勝おめでとう!
令和のスターになってくれ!!!

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