見出し画像

仕事が決まらないときに読む話

自分が仕事が決まらなかったり、良い仕事と巡り合えていなかった頃を思い出しながら、何をすべきだったのかを文章にしてみる。最近就労絡みの相談を個人的に受けることも多いので、書いておけばリンク張るだけで済むし。

「就労移行支援に来る陰キャ」

「就労移行支援に来ていた男性たちはステレオタイプで同じような顔」という話がTwitterに上がっていた。「陰キャ」「眼鏡」「黒髪」「子供のような髪型」「覇気がない抜けた顔」「悪い意味で童顔」のようなことがイラスト付きで書いてあった。

「障碍者差別だ」などと反論が上がっていたし、個人的にはひどい言い草にもほどがあるとは思う。

とはいえ元の文章の内容自体に反論をする気はない。理由は二つある。

まず一つ。一文にもならないからだ。得るものがあまりになさすぎる。ネット上の炎上はどうしても「暇なほうが勝つ」という図式が変わらないと考えていて、私はそこの土俵で戦う余裕を今持ち合わせていない。ここで唾を飛ばしながら反論するのはムダだ。

もう一つ。私の社会経験上、元の文章に書いてあったような人が就労しずらくなるのは残念ながら覆らない事実だからだ。よって、文句を言っている暇があったらそこの属性を取り除くほうにエネルギーを注ぐべきだ。世の中を変えるのは必要かもしれないが、それはまず自分を救ってから考えればよい。自分を救えない人に世界は救えない。

「覇気がない顔」の悪循環

「なぜ就業移行支援を使っている人は覇気がないのか」という話について、まず記載する。自分も過去に経験があるのだが、障碍者支援の性質がある行政サービスを使っている時点で、他に選択肢がない状況である。そもそも仕事が決まっていない状況で覇気を出せと言われても無理がある。そこで強気にいけるのは相当余裕のある人間だけだ。

そして、覇気がないと就職できる確率が下がる。「元気がない」「暗い」「何を考えているかよくわからない」という意味不明な理由で面接を落とされることになる。そもそも他人が何を考えているかお前はわかっているのかと小一時間ほど問い詰めたくなったりもしたが、落ちるときはそんなもんである。

これは完全に悪循環パターンである。「覇気がなくなる」「仕事が決まらない」「ますます覇気がなくなる」の無限ループを兵庫県警に検挙されるまで繰り返すことになる。これで無理に仕事を見つけたとしても、自分に合わないものや待遇が低いものを拾う確率が高く、悪循環を転げ落ちるスピードが上がることになる。

「自己管理」というハードル

私がそんな状態のときに言われたアドバイスは「とりあえず働け」であった。正直今でもありがたいアドバイスだったと思っている。しかしながら、それだけでは十分ではない。というのは、「頑張って働く」だけでは前項で記述した悪循環にはまる可能性が高いからだ。

自分の力をフルに出せる環境をまず作らないと、フル出力分の対価は当然もらえない。しかし、自分の力をフルで出すためには金がかかるのだ。当たり前のように聞こえるが状況が悪いとここに目がいかない。明日の支払いのことしか考えられないからだ。つまりこれも悪循環を作り出す仕組みの一部なのだが、上手くコントロールすれば状況は打開できる。

要するに自己管理の話である。ただ、就労移行支援を受けている人は発達障害者も多く、私のように注意欠陥傾向が強いとコントロールはできない可能性が高い。「ちゃんと自己管理ができないのが悪い」というのは社会的には単なる事実だが、これはその能力が欠落している私にはかなり厳しいものがある。

私がもろもろ改善したのは結婚してマネジメントを妻にしてもらっているからなので、厳密にいうと自力だけで脱出したわけではない。妻を捕まえる努力は確かにしたが。そもそも一人で何とかできないところを一人で何とかするのはハードであり、必ず何らかしらの支援は必要である。しかし、状況がこの一年で大きくマシになったことで、道が少しは見えてきたので、妻に教えてもらったことと、自分で気が付いたことは書いてみる。

仕事を決めるときの優先度

仕事を選ぶうえでの注意点を記載する。生活のほうにも改善は必要だが、それは以前の記事をご参照ください。正直もっと書きたいのだが、私の生活スキルが低すぎて人に語れる段階にまだなく、続きを書けていない。

その上で、仕事の話はまず上に書いた通り「とりあえずなんでもいいからやるべき」というアドバイスは正しい。今キャリアが切れているというのは、要するに「何らかの理由で今のところは今までのキャリアがあっていない」のである。「どこでもいいので」縁があるところで働き、一生懸命やっていれば他の道が開けるかもしれないし、ダメならまた次を探せばいいだけである。「自分は何ができて何がしたいか」のような話は今それでお金を作れていない以上、あんまり関係がない。

仕事の内容自体については「その場に合わせて勉強しろ」としか言えない。適性もやってみないとわからない部分は多々あるので、一生懸命やってみて、無理なら次を探せばいいのだ。とはいえ一つだけ気にすべきことがある。それは時間だ。給料や仕事内容は妥協の余地はいくらでもある。好き嫌い言わずにいいからとりあえず働くべきだ。しかし、時間に関しては妥協すべきではない。これが唯一にして絶対の優先度である。

時間がないと勉強ができない。「寝る間も惜しんでやれ」は確かにその通りだが、頑張って身体を壊して働けなくなっても誰も助けてくれない。もっと言うと、今状況が悪い以上自分のことを多かれ少なかれ安売りすることになるわけで、その状態で自分の時間リソースを簡単に売りつくしてしまうのは正直取引として損が大きい。

更に、時間を作っておかないと後のリカバリーも効かない。何かあったときに辞めることもできずに半死半生になり、更に悪循環に陥ってしまう。転職活動は時間の余裕がないとできないのだ。

やりたいことは仕事でやるな

「クリエーターで成功している人だっているしどうのこうの」と言われる類の話だが、成功者の話はしていない。仕事でやる以上、お金を稼げないと死んでしまう。「やりたいことが自分に向いているか試す」というのは割と分の悪い賭けであり、例えば私はゲームが好きだが、プロゲーマーを指向したところで不労ゲーマーか浮浪ゲーマーが関の山だろう。そこを抜けている人たちに対しては尊敬はするが、自分ではやらないし人にもおすすめはしない。

前項から続く話だが、時間に余裕があれば、仕事とは別軸で色々やる余地が生まれる。そうすればどこかで仕事とも線がつながって活きてくる可能性もあるだろう。

もう一つ、初めの「覇気がない」の解消につながる話なのだが、仕事は自分のプライドの外に置いたほうがいい。別にその仕事が合わなかったからといって自分に価値がないことにはならない。単なるnot for meでしかない。好きなことに寄せて仕事をしてしまうと、そこの線引きが難しくなるのもあり、結果として寄るのは構わないが寄せるのは避けたほうがいいと考える。

分かりやすく書くとこの記事を読んでいる想定読者で、好きなことをやって状況を打開しようと考える人は「会社首になったから、僕が好きなゲーム配信でYoutuberになろう!」と考えるのと似たような話である。成功の可能性も当然考慮が相当必要なのだが、それ以前の問題として、好きなことをやって失敗したときのダメージは相当大きいので、余裕がないならやめておいたほうがいいのは、上のような動きをして失敗した先人たちのことを調べていただければご納得いただけるかと。

最後に

まずは、今日生きてこの記事にたどり着いて最後まで読んでくれてるだけで、私は充分立派だと思いますし、私にとってはすごく有益な動きをしてくれていると思います。読んでる方の状況が良くなることを祈って筆を置きます。

少ないお金はコーヒー代、まとまっていたら書籍購入代に充てさせていただきます。