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貧乏脱出マニュアル ②時間の使い方

 貧乏を抜け出すために、考え方の改善は避けて通れないところである。お金が出来たら貧困から脱出できるのかというと残念なことに答えはNOだ。タマゴかニワトリかみたいな話ではあるが、悪循環が起きているので断ち切る必要がある。時間は貧乏人でも持っている平等なリソースである。これを高く売れないとお金にはならない。

 結論から書くと、時間の使い方を改善するためには判断材料を増やし、選択肢を増やす必要がある。そのためには図書館に行け!で今日の話は終わるが、興味があれば私の能書きを読んでいっていただけると書いた甲斐がある。時間は奪わないように努力はした。

 ちなみに私は貧困からは抜け出したが、まだそこまで稼げてはいないので、このnoteは読めば収入が倍になるような類のものではない。そもそもそんなものは読者の行動次第だ。ただ、自分が苦しいときにネットで助けてくれた方々のために、この話は無料で置いておく。

資産を無駄にする人たち

 昨日こんな話を書いた。食事はきちんと取らないとパフォーマンスも上がらない。何のためにお金を稼ぐのか、は突き詰めると食事のためである。その中で「お金を食べ物に変換するスキル」というのは割と本質的な話で、これが無いと貧困からは抜け出せない。食費を無駄にかけているとどう考えても抜け出すのにお金が非常にかかるし、かかるお金を稼ぎだせる出力を稼げない。ここでもまた悪循環が発生する。

 別の例をあげよう。私はひととき福島にいた。南相馬の避難住宅団地のあたりも何度も通ったことがある。あそこで一番大きくて儲かっていたのはパチンコ屋だった。もちろんがんばっている人間もあそこにはいる。遊んでる人間にしても、自分の人生が台無しにされたことに対して同情は禁じ得ない。しかし賠償というのは本質的には臨時収入でしかないため、パチンコをしている余裕などどう考えてもないはずである。前回書いた「資産の本質は時間である」という話からすると、時間と金銭の両方を浪費するのは貧困への下り坂でしかない。

 偉そうに書いている私自身にしても同じで、貧困だったころは時間があれば常にゲームをしていた。一日20時間はやっていたと思う。これも言うまでもなく資産の無駄だ。しかしなぜこうした無駄に走ってしまうかは昨日の家電の記事にヒントがある。今日はそのへんをかみ砕いていきたい。

なぜ判断を間違えるのか

 判断に必要なものは、経験である。貧困から抜け出せない人は時間を浪費するので経験を得られない。そして経験が得られないから判断を間違える。悪循環である。

 また、貧困だとストレスの解消ができないのもポイントである。良い経験を積んでいる人間は自分で自分の機嫌を取ることもできる。対して貧困だと目先のどうしようもない娯楽で少ないリソースをさらに食いつぶし、さらにイライラする。また、お金がある人間はお金で解決できることはお金でかたをつけるため、そもそも無用なストレスがたまらない。極端な話、仕事でどう考えても理不尽なことをされたときはお金があれば即座にやめる選択肢が出てくる。反面貧乏人は引き際を間違えて一番かけがえのない時間を台無しにする。

 この構造は搾取構造とも結びついている。貧乏人から資産を奪おうと近づいてくるものはいろいろある。ずっと書いているが、貧困でも時間という資産はもっているので、何も持っていなくても時間は奪われる。時間が奪われる以上、経験値を稼ぎ出す余裕がなく、更に判断を間違える。私の両親は残念ながらカルトにはまり込んでいる。布教活動もそうだし、交友も制限がされているため時間を自由に使えていない。結果、判断を好転させる材料は残念ながら無い。貧乏人から判断力を奪うためにこのメソッドは非常によく使われる。時間が奪われることで逃げる余地もなくなるのだ。

 この話の答えは「良い交友関係を作って選択肢を増やす」である。私の場合はかなり恵まれていて、インターネットがまだ新しかった時代から触ることができた。そこで早いうちにリテラシーを覚え、人間関係を作り、私自身癖は強いし煽り倒すしとろくなものではなかったが、面倒を見ていただくことができた。

 そうはいっても現在のインターネットは世間以上に搾取構造にあふれている。基本的なスキルがない人間がネットを見たところで、デマへの対策も悪質な広告の見わけもできず余計に搾取される。ではどうやってその辺の判断力をつけるのかを下に書いていく。

選択肢を増やす方法

 しつこく書くが、選択肢を増やすには、人とのかかわりを増やすことと、知識の幅を広げることだ。簡単に言うが、これができないからこそ貧困なのだ。特に人とのかかわりはよく「若いうちに作っておけ」と言われるとおり、歳をとればとるほど利害関係が無いと得られなくなる。どうも最近のネットの風潮を見ていると、婚活女性を見て「顔と年収に釣られてる」と揶揄するきらいがあるが、釣り書きで将来性を見つけられるような女性はとっくに売れているのは自明の理だ。そして婚活をしている時点でこの二つを追いかけるのは割と最適解でもある。そうして結局男女ともに選択肢は減り、笑うのは婚活業者だけになるのだ。

 話を戻して、大人になってからでも割と利害関係抜きで低コストで人と関われるものは趣味である。そうはいっても趣味でお金や時間をなくしている人間はいくらでもいるだろう、というのはまともな反論だ。もちろんそこも私は何度も失敗している。比較的失敗しづらくなるポイントがあるのでここに書く。時間をコントロールするのが苦手な人は「一人でもできるものにする」、これが大事だ。他の人とチームプレイするのが必須なものは、内容以前にまず付き合いに金と時間が飛んでいく。また、比較的顔ぶれが変わらないため、考え方に悪い影響が出る可能性も高いのだ。ただし、「一人でやるもの」ではなく「一人でもできる」なのは間違えないようにしてほしい。一人で数独をやるのは趣味としては否定しないが、友達は簡単にはできない。

 人付き合いができたとして、これは相手の時間も消費する行動である。自分自身の価値を高めていかないと相手にされなくなる。私も何度もはまり込んだのだが、良いコネクションを作れても維持ができない。これもこれで陥りやすい罠である。

 とはいえ、貧困から抜け出してきた人間の話というのはうまく話せばコンテンツとしてはすごく面白がられるもので、押しつけではない苦労話は需要はある。然るべき知性と一緒に話せば、結構聞いてもらえるし、対価として色々教えてももらえる。これは、相手にあった教養を身に着けて、話を聞いてもらえるようにするとよい。

 では教養はどこで身につくのかというと、基本的にやはり時間の投資になる。実は学校がその機構で、社会で役に立つのかは置いといて、時間と代替で力がついてはいく。若いうちは最大限に活用すると良いと思うが、貧困だと公教育の恩恵を受けるのも難しい。なので大人になってから埋め合わせをするしかない。気を付けるポイントとしては「テレビではない」。テレビの話は薄いので、導入としては否定しないが話がすすまなくなる。さらに言うと「ネットでもない」。大事なので太線にするが、両者ともに貧困な人をさらに貧困にする仕組みであふれている。せっかくの時間と、下手をすると金まで失う羽目になる。

 時間を投資する先としては個人的に図書館を薦めたい。読む本はなんでもいい。興味が少しでもあるもの、聞いたことがあるもの、手に取って読んでみるとよい。読んでいく中で興味を持ったものはもっと色々読んでみてもいいし、調べにいけるものなら足を使って調べてみてもいい。そうやってやっていくうちに教養も身につく上に人生が豊かになっていく。

 ここまで読んでくれた方のためにさらに踏み込んで書いておくと、図書館なんて行きたくない!本なんて嫌いだ!という方ももちろんいるだろう。それでも勉強はしたいというのであれば、放送大学の番組を見ると良い。これは広い範囲で教養を得られる。番組を見るだけなら無料だ。受講をした場合でも、通常国立大が4年で200万以上かかるのに対して、70万円ほどで学位をとれる。

 私個人の趣味に寄った話を最後にすると、3000円くらいお金はかかるが、落語を聞きにいくのを強く推しておく。月3000円のネットのサロンに入るより1000000000倍くらい役に立つ。具体的には「なぜこの話で面白くなるのか」とか「客への視線の使い方」「話の抑揚」あたりを観察してみると仕事への応用がとてもきく。営業職の時にかなり助けられた。

 長くなってきたので今日はこのあたりで終わりにしたい。まだ書きたいことはあるが、そろそろ次あたりで仕事の話にも少し触れたいところではある。

少ないお金はコーヒー代、まとまっていたら書籍購入代に充てさせていただきます。