ホラーが好きな話



深夜、家族が寝静まった後…。

いや…不気味な雰囲気を出そうと深夜とか書いてしまったけど、1人時間があれば映画でも本でも、とにかくホラーコンテンツを漁ることが多い。



以前、「私と六番目の小夜子と星新一の話」という記事でも書いたのだが、とにかくホラーコンテンツがとても好きである。


そもそもホラーコンテンツと言っても割と幅が広く、心霊系なのかゴア表現が強いものなのか、それとも人間が1番怖いよね系なのか…、まあホラーの中に細かなジャンルはあれど、大抵のものは好物として処理出来る自信がある。




ホラーなものを好きになったきっかけとして思い当たるのは、先にあげた「六番目の小夜子」という作品の実写ドラマである。
原作は恩田陸先生の小説だが、2000年頃NHKの「ドラマ愛の詩」枠で実写化され放送されていた。


あらすじを書くのはなんかアレなので、というか面倒なので省略するが、学校という身近な場所が舞台となり繰り広げられるホラーな描写はまだ小学校低学年の私には恐ろしいものでもあり、そして恐ろしいながらも興味を引かれまくるものであった。




当時から読書が好きな子供だった私は、近所の図書館に通いつめ、やれ学校の階段だのやれ怪談レストランだのを読み漁るようになっていった。


当時読んでいた学校の階段(講談社)、懐かしくて笑ってしまった。何なんだこの絵は。
なんとKindleでも出版されていた、多分後でポチると思う。



同い年の女子達が、「枕の下に好きな人の名前を書いた紙を入れて寝るとあーだこーだ」「満月の夜にウンタラカンタラと呪文を3回唱えると願いがあーだこーだ」というおまじないに思いを馳せる中、私ときたら「放課後忘れ物を取りに行くと教室のテレビが勝手に点いて怖い女が映る」だの「0:00に合わせ鏡をすると13番目の鏡から知らない男が出てきて連れていかれる」だのといった低俗なホラーな噂話に興味津々であった。とんだクソガキである。


人という生き物はそのうち刺激になれてしまうのか、小学校も高学年になると児童書の生温いホラーでは飽き足らず、今となってはJホラーの代表作である「リング」や「呪怨」といった当時の私にはどぎついホラー映画でないと満足することもなくなっていた。


たまにテレビで放送される「世にも奇妙な物語」や「アンビリバボー」の心霊特集、吾郎さんと愉快な子供たちで進行される「本当にあった怖い話」等も嬉々として視聴していた。イワコデジマイワコデジマ…。



中学生になりホラー好きは拗れに拗れ、ある日同級生から借りたゾンビ屋れい子を読んだ私は大きく衝撃を受けた。
(知らない人の為にざっくり説明すると、死体をゾンビとして甦らせ使役できる能力をもつ女子高生れい子が同じ能力を持った敵やらなんやらと戦うホラー漫画である。エログロの描写もかなり多い)


今まで見てきたコンテンツには無い、ゴア描写である。

自分で文章に書くと中々に趣味が悪いなとも思うが、そういった描写があることでホラーコンテンツを更に楽しむことが出来るという気付きがあった。
そして、エロとグロは紙一重ということもゾンビ屋れい子で学んだのだ。



高校生にもなりだいぶ世間的にもR指定物を視聴することが許されるようになると(いや年齢的には許されてないが)、より一層多くのホラー映画を観るようになった。
といっても、無闇矢鱈にグロだのなんだのといったホラー映画を観る時期もそこそこに(いや観てたけど)、また別の方向性でホラーを求めるようになった。


「胸糞悪い系ホラー」である。

胸糞悪い映画というのはホラーでなくてもまああるのかもしれないが、圧倒的にホラー映画に多く見られるオチだと思っている。
胸糞悪い系で有名な「ミスト」をバイト前に観た時は、やはり衝撃が強くその日はテンションだだ下がりのまま労働をした。
極めて迷惑なバイトである。


映画の他にも、「ポケモンの怖い噂」だの「ゲームの主人公名をツナカユリコにすると不吉なことが起こる」だのといった都市伝説系も好きだった。
なんなら昨日YouTubeで「Minecraftの怖い都市伝説」なる動画を観たばかりである。小学生の頃から変わってねえな。



ホラーゲームも勿論のこと大好物で、コーエーテクモの「零シリーズ」や「バイオハザード」、「SIREN」や「Dead Space」等、上げるとキリが無いがたくさんのホラーゲームで遊んだ。
今流行りの(もう下火かもしれないけど)、Dead by Daylightもかなりハマって多くの時間を費やした。



人生の大半をホラーコンテンツと共に過ごしてきた私だが、そこそこ大人になった今、自分の好みのホラーというのが少しずつ確立されてきたように思う。


チャラついたボーイスカウト達が湖のキャンプ場に行ってホッケーマスクの殺人鬼に成敗されるのもまあ好きだし、髪の長い女が井戸から出てきて呪いのビデオをダビングして見せろというスパム…いやホラー展開も好きではあるのだが、どうやら私の好きなタイプのホラーと言ったら「日常的」であればあるほど良いらしい。


こう書くと「非日常的でもあるホラーと日常的がどうしたら一緒になるのだ」という感じもするのだが…。
なんというか、「日常なのになんか徐々におかしいな?」みたいな静かなホラーが好きなようなのである。


先程「Minecraftの怖い都市伝説」という動画を観たと書いたが、普通にプレイしていればホラーとは縁遠いはずのMinecraftの中で「血塗れのキャラがこちらを見ていた」とか「突然自分のサーバーに変なキャラが入ってきて『全てを知りたいか』と聞かれた」とか、その動画ではそういう得体のしれないような静かな怖さを紹介していた。



歳を取ったからなのか、ポンポン腕だの足だのが取れたり時には乳を出しながら派手にブロンドの姉ちゃんが死ぬ映画より、日常的であればあるほど怖いなと感じるようになったのだ。
だって私はボーイスカウトになって湖のキャンプ場ではしゃぐキャラでもないし。


ホラーという「非日常」を求めているくせに、その中にも「日常」を探すというちょっと面倒臭い感じにはなっているが、やはり身近な日常が崩れることが1番怖い。
そもそも六番目の小夜子を初めて観た時も、「学校という身近な場所」が怖い舞台になっているからこそ衝撃的だったのだから。


とはいいつつ、やはり流行りのホラーは一通り観る。
例えば「ミッドサマー」に至ってはちょっとホラーかと言われると「?」という感じではあったが、「ホラーなのに明るい描写」みたいなものは私の好みである「日常がちょっとおかしい」に通ずるところがあった。


最近では王道ホラーも割と観尽くして、B級ホラーを観たりもしている。B級ホラーに求めるのは「日常」ではなく「非日常」が多い様な気もするが。
(サイコゴアマンが気になっているものの、まだ観れていない)


この世には膨大な量のホラーコンテンツがあるので、きっと私は死ぬまでホラーコンテンツを消費しつつけるだろう。
ホラーなものでしか味わえない非日常な日常を追い求めるのだ。

エロとグロは紙一重とも言うが、ホラーとコメディは紙一重とも言うな。
全てはホラーであり、ホラーじゃないのかもしれない。
なんかそれっぽいことを書いたつもりだが、意味が分からない。
ホラーか、これがホラーなのか。


そして何が1番怖いって、この記事を通して何が書きたかったのかを全く決めずに書き始めてオチがどうにも纏まらないことである。

やはり、日常が1番怖いのだ。

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