複業CTO×若手エンジニア×グローバル。新VPoEが語るエンジニア組織の現在と未来
2022年1月、VPoEとして参画された佐藤さん。実は、オファーを受けたタイミングではoverflowへの転職の意志はなかったそうです。
なぜoverflowへの参画を決意したのか。そして、これからエンジニア組織をどのように成長させていくのか。インタビューを通して迫っていきます。
佐藤 歩|Vice President of Engineering(@ahomu)
Offersから届いた、一通のメッセージ
── overflowとの出会いを教えてください。
佐藤:ボードメンバーの3人と前職が一緒でした。CTO旅人さん(@koko1000ban)とはエンジニアの会議で9年近く顔を合わせていましたし、CPOのたなまこ(@tanamako327)とは同じ事業部で働いたことがあります。CEOの裕斗さん(@yutosuzuki)とは直接関わることは少なかったのですが、優秀な方という噂をよく聞いていました。
── 最初は技術顧問としてジョインし、2022年1月からはVPoEとして参画されていらっしゃいます。技術顧問になられたきっかけを教えてください。
Offersがリリースされたと知って登録したのがきっかけでした。旅人さんたちが作ったプロダクトだし、私自身もエンジニアのバックグラウンドがあるので、純粋な興味で始めてみたんです。
数日経ったある日、Offersを通じてメッセージが届きまして。文面を見ると「overflowの大谷です」と書いてありました。ダイレクトにメッセージを送れる間柄なのに、あえて自社サービスを使って連絡をくれたんです(笑)。
メッセージをきっかけに旅人さんと飲みに行くことになり、互いに近況報告したあとに技術顧問のお誘いを受けました。これまで技術顧問という形で企業に関わった経験はなかったので面白そうだなと思いましたね。二つ返事でジョインを決めました。
── 技術顧問としてはどのようなお仕事を担当されたのでしょうか。
私の専門がフロントエンド技術なので、ブラウザUIの設計や速度改善のためのノウハウを提供していました。その頃から組織開発にも携わっていたことから評価制度に関するアドバイスや情報提供もありました。
── そこからどのようなきっかけでVPoEの参画へと話が進んだのですか?
2021年の春頃からそろそろ新しいことを始めたいなと思って、転職活動を始めたんです。一社内定をもらえそうなタイミングで、「overflowさんには先に伝えておかなくちゃ」と思って旅人さんに連絡したところ、「うちもオファー出すからちょっと待って!」と。正直、overflowと私はまだフェーズが合っていないと思っていたので、「え!」という感じでした(笑)。
まさかのオファーから一転、参画を決意した理由
── 「フェーズに合っていない」とは、どういったことでしょうか。
これまで経験してきたのはわりと大きい組織で、組織として環境がある程度整っている中でのピープルマネジメントや、プロダクトに対しても品質向上に重点を置いた活動をしていました。対してoverflowは組織もプロダクトも成長を遂げているフェーズです。このタイミングでVPoEのポジションをいただいても本当に成果を出せるのかなって、半信半疑だったんですね。
でもそこから、3人に今後の事業やビジョンに対して語ってもらったり、一緒に飲んで腹を割って話す中で「やっぱりいいな」という思いが強くなっていきました。任せていただける業務範囲も広く、自分の意志でトライアンドエラーができるのも魅力に映りました。
また、前職ではエンジニアリングマネジメントの延長線上として人事業務にもディープに携わっていたので、「HRのデジタル化」というビジョンにも共感しましたね。
── どういった点で共感したのか教えてください。
もともと組織開発やピープルマネジメントといった領域には、アナログな部分が根強く残っていると感じていました。意思決定が定性的な判断によって行われたり、属人的なコミュニケーションが基本だったり。もしそれらがデジタル化されれば、人事業務が大きく変わるだろうと思ったんです。再現性の高い人事業務が実現され、一人ひとりがパフォーマンスを最大限に発揮できるようになると。
現在開発している新規プロダクトも、HRの本質的課題を突くプロダクトだと思っています。今まで見てきた現場では、リーダーに抜擢されたら「いい感じにまとめてくれ」と放り出されることが多く、ピープルマネジメント方法のインプットはほとんどありませんでした。ある種、個人の適性や裁量に委ねられていた形です。リリース前なのであまり情報は出せないと思いますが、新規プロダクトによってこういった課題が解決できると思うので、自分自身もすごく期待しています。
── 佐藤さんご自身が人事領域に知見が深いからこそ、プロダクトの価値を実感されているわけですね。
そうですね。最終的には複数社からオファーをいただきましたが、さまざまな理由を加味して、overflowが一番魅力的なフィールドだと感じて参画を決めました。
転職中はこれまでのスキルを活かせる会社を探していたものの、overrflowは環境もやるべきことも全部違います。「知見を活かす」よりも、「ゼロベースでチャレンジする」つもりで、一生懸命取り組んでいきたいと思います。
VPoEから見たボードメンバーの姿
── overflowにおけるCTOとVPoEの管掌範囲はどのようになっているのですか?
CTOの旅人さんが技術戦略や経営戦略を担い、私はVPoEとしてエンジニア組織のピープルマネジメントや採用広報を中心に担当します。
旅人さんとは得意不得意が見事なほど噛み合っているんですよ。技術周りでは旅人さんはサーバーサイド寄りで、私はクライアントサイド寄り。旅人さんは人事色が強い領域の経験は多くないだろうし、私はもちろん経営観点のコスト管理をしたことがない。お互いの得意領域が被っていたら喧嘩になりそうですが(笑)、きれいに分かれているので、いいバランスで組織運営できるのかなと思います。
── 大谷さんと近い距離で仕事をすることが多いと思いますが、現在どういった印象をお持ちですか。
前から仕事がしやすい方だなとは思っていましたが、エンジニアメンバー全員と1on1をしてみて、あらためて気付いたことがあります。「旅人さん、組織運営をしっかりされてきたんだなぁ」ということです。なぜかと言うと、エンジニアメンバーのコンディションがすごくいいんですよ。課題抽出をして解決していく役割で入っているのに、あれ、もしかして仕事ない?と思ったりして(笑)。もちろん緊急度の高い課題だけではないのでやれることはあるんですが、技術者として開発の先頭を走りながら組織のエンゲージメントを高い状態で保っていることが純粋にすごいと思いました。
── CPO田中さん、CEO鈴木さんの印象はいかがですか。
前職時に抱いていた印象が強いのでお話ししますね。CPOのたなまこは、私がいた事業部でいちエンジニアメンバーとして働いていました。当時の彼はエンジニアっぽくないというか、技術を深掘りすることよりもプロダクトとしての成果に執着するタイプでした。当時のエンジニアの中では異彩を放つ存在でしたね。
CEOの裕斗さんとの絡みは多くなかったのですが、overflow参画前に裕斗さんを知る昔の同僚たちから「裕斗さんの会社ならいけるでしょ!」と太鼓判を押されました。それだけ優秀であると認められていた方だったんです。
── 佐藤さんだからこそ知るエピソードですね。
これからのエンジニア組織と、描く未来
── overflowの現在のエンジニア組織について、どのように感じていますか。
伸びしろのある若手を副業メンバーがバックアップするという、珍しい組織バランスになっていると感じています。実は、エンジニアチームには他社のCTOが複数人も副業で入っていて、技術面で強力なサポーターとなっているんです。CTOと若手が同じチームで一緒に働いているってちょっと面白いですよね。若手メンバーにとってはかなり恵まれた環境だと思うので、環境をフル活用して成長してくれたら嬉しいです。キャラクターとしては、副業正社員問わず「気のいい人」が多いと感じています。
── 最近は国際色豊かになっているそうですね。
そうなんですよ。外国籍のメンバーも増えていますし、海を隔てて活躍しているメンバーもいます。私自身は英語学習から逃げ回ってきた身なので、ちょっとした危機感を覚えています(笑)。先日、旅人さんとエンジニアの磯崎さんが英語圏の方とミーティングしている動画を見たんですけど、お二人ともペラペラだったのでびっくりしました。エンジニア組織としてグローバルにやっていくことはすごくいいことだと思っているので、いよいよ私も年貢の納めどきだなと覚悟しているところです(笑)。
── さらなるグローバル化に向けて、佐藤さんご自身の挑戦もスタートするんですね。最後に、overflowのエンジニア組織をどのようにしていきたいと考えられていますか。
日本で一番、副業人材を活躍させている会社にしたいと思っています。一般的に日本企業は正社員フルコミットが基本で、副業は単純労働力とみなす風潮が強いかなと思っています。でもoverflowはその風潮とは一線を画していて、先ほどのCTOの例のように、社外の優れた人からノウハウを獲得し、技術として定着させていく文化があります。
今後は、副業人材を活用する組織のモデルケースになって、新たな働き方、新たな組織のあり方を日本中に示したいです。優秀な人が気軽に立ち寄って、成果を出してサッと去っていく。そんな気持ちのよいサイクルが回っている会社があることを、もっと知ってもらいたいですね。そして、この新たな文化を取り入れて、自社の組織や技術をさらに発展させていく会社を世の中に増やしていけたらと思います。
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