ツタメシ往訪記 その3:【ニューマルヤ(東日暮里)】
たいていの場合、ツタメシは裏通りにひっそり佇んでいる。お店に向かいながら地図を見てみると、「日暮里中央通り」という比較的大きな通り沿い。
「ほんとにこんなとこに?」と思いつつ近づくと、突如異彩を放つ、モリゾーのような建物が...!
↑愛・地球博公式マスコットキャラクター「モリゾーとキッコロ」を覚えていますか
このニューマルヤさん、実は漫画『孤独のグルメ2』で紹介されたこともあるツタメシ界の有名店で、この蔦絡まり度が名を上げる一因になってきたことは間違いないだろう。
↑「なんですかこの店は!?」
だが蔦が生えているというだけの理由で長く愛され続けてきたわけではないはず。早速お邪魔して確かめてみよう。
↑昔ながらのサンプルにワクワク。それにしてもずいぶん綺麗に保たれている。こういうところも期待大
↑店内はこぢんまり。赤い椅子がかわいらしい
入店すると、テーブル5卓ほどのコンパクトな空間。もちろん古いは古いが、非常に清潔に保たれている(ちなみに机と椅子は「幼稚園の家具か!?」と思うようなミニサイズで、身長190cmの僕は普通に座ると机に脚が収まらず笑)。
まずは軽くつまみつつビールでも、と思って壁のメニューを見るが、つまみなどない! 本当にシンプルな街の洋食屋さんだ。
↑どれも気になる、そそられる...
一発勝負やむなし!ということで、ビール、コンソメスープ、ハヤシライスを注文。お店はマスターが1人で回しているようだ
↑前回の日吉屋さんに引き続きキリンラガー。ツタメシあるある?
↑ほどなくしてハヤシライスとコンソメスープ到着。うまそー!
早速ハヤシライスをいただく。う、美味い...。思ったよりサラリとしたルーには丁寧に煮込まれたホロホロのお肉と野菜が溶け込んで、食感・味ともに素晴らしいバランス。
食べ進めていくと、このハヤシライスが優れた技術に裏打ちされた熟練の一皿だということがだんだんわかってくる。あらゆる点で、バランスが完璧なのだ。
ルーとライスのボリューム比、ルーに占める具材の比率、お米の硬さ、具材の大きさ...挙げればキリがないが、「全く同じ食材を使ってこれより美味いハヤシライスを作ることなんてできないんじゃないか」と思わされる、絶妙な均衡。
透き通ったコンソメスープも、家で使う顆粒のスープとは比べ物にはならず、素材それぞれの旨みが丁寧に引き出され美しく調和している。
きっと長い長い歴史と試行錯誤の連続の中で、「こうしたらもっと美味くなるはず」と研究を重ねてこられたのであろう、マスターの職人魂の一端に触れた気がする。
↑そもそも外でハヤシライスを食べる機会は多くないけれど、今まで食べたハヤシライスで一番美味しかった
帰りがけに少しマスターにお話を伺ったが、昭和16年にお父さんがここで喫茶店を始めて以来続いているお店とのこと(もうすぐ80周年...!)。
↑洋食 ニューマルヤ。キュー(旧)マルヤがお父さんの喫茶店だろうか
絡んだ蔦については「もう自分じゃどうにもなりませんわ笑」とのこと。定期的に剪定を頼んでいるそうで、前回は昨年3月だったのでまだ1年半しか経っていないのにもうモリゾー状態だそう。来年の3月にまた剪定が入るらしい。
マスターは言葉少なだが、話してみると非常に物腰柔らかで優しいお人柄が感じられ、隠れた職人のプライドも覗くように思う。
近所にあったら通っちゃうだろうな。近所じゃないけど今度は評判のハンバーグ食べに、また来たいな。
お会計は1,600円/1人。安っ!
蔦絡まり度:★★★★★
蔦芸術点 :★★★★☆
味の満足度:★★★★☆
居心地 :★★★★★
コスパ :★★★★★
再訪したいor人に勧めたい?:Yes
総合評価:いい店でした!
ツタメシにハズレなし。3勝0敗!
ごちそうさまでした🙏🍽
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【ニューマルヤ】
東京都荒川区東日暮里6丁目15−4
Google Mapはこちら
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