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私の推しモン。MAMMUT「Seon Cargo 35(2021版)」

2021に発売された型について、である。旧版についてのレビュー記事は、日本人向けのものを幾つか見たが、2021版については見つけることができていない。amazonの購入者レビューでも酷評するものがあり、その所為か、旧版よりも値段が低い。
しかし、自分としては「それほどひどくない、むしろ面白いバッグなのでは?」と思ったので、レビューしてみることにした。

購入後、3月程経った状態でこの記事を書いた。基本的に用途は仕事ではない街歩き。移動方法は徒歩(公共交通機関)。

ちなみに、私はamazonで定価のほぼ半額(約10,000円)で購入した。この価格込みの評価になっていることは否定しきれない、と先に述べておくのです。


外観

KINTO トラベルタンブラー(350ml)と。
これは中身が入っている状態で撮影したもの。
中身が入っていない時は、「自立しなくはない」程度の自立感。
「はっきり言え!」
「ふらふらします!」
ショルダーハーネスのコード余りは別製品でまとめています。

特徴:気室について

最も面白いのがコンパートメント(荷物を入れる場所、気室等と言ったりもする)である。他のSeonシリーズ同様に「WORK」「CLIMB」と用途を分けた2つのコンパートメントがメインにあり、その他にサブのポケットがある。

:CLIMB

このバッグで最大のサイズを持つコンパートメント。
所謂「背面パッド」が蓋になっているという尖ったデザイン。
ダブルジッパーになっている。ジッパーの動きは軽快。

Seon Transporterとの大きな違いは、ここにPC用収納スペースがついていることである。Transporterでは、「WORK」コンパートメントが実質的にPC専用の荷室になっていた。

Surface Pro 6が余裕をもって入るPC収納スリーブ。
公式ではラップトップ(ノートPC)用と表記されている。
Surface Pro 6を入れると、かなり深い。保護ケースごと入るのでは。
中はフリース生地の袋になっていて、閉じ口はシングルジッパー。
そんなPC用スリーブの前にタブレット用ポケットがある。
こちらはジッパーで閉じることが出来ない。また、背負った際に口が下を向くようになっている。
つまり、精密機械を入れると落っことしそうで怖い。
だから、私は小物入れにしている。
PC用スリーブを蓋にする、メイン収納部分。
写真のEXPEDはパデッドジップポーチ L。黄色いものはビッグアグネス フライクリークUL1。
白いのとか青いのとかはタオルです。
中身を取り出した状態。

面白ポイントは、この気室の「空間」は「靴用の気室と半共有」になっていることである。

バッグの底面の蓋を開けると、姿を現す靴用収納スペース。
靴用スペースから、壁(?)をメイン収納スペース側に押した状態。
メイン収納側から引っ張るとこんな感じ。
靴用スペースの中。メイン収納部分との壁(?)に型のような硬さは無く、袋状になっている。

マチはそんなに無さそうに見えて、容量多め。Transporter26Lでは物足りなかった私には、とてもゆとりのあるスペースであった。
惜しむらくは、フレームが無いことかと思う。これで外枠を作るアルミフレームのようなものがあれば、型崩れを防止しながら内部の物を守ってくれそうで、完璧だったのではないかと思う。

これは旧版も同様なのだろうが、リュックとして背負った際に「下からがバッと開ける」システムなのがなかなかとんがっている気がする。2つ
ジッパーがついているので、物によっては全開にしなくても出し入れが出来る。そう考えれば、不便過ぎるという程でもない。

いや、ごめん。不便だよ。これについては後述。

:靴用コンパートメント

リュックとして背負った場合、底面に蓋が位置するのがこの靴用のコンパートメント。
意外と内部は広い。奥行きは「WORK」荷室の下部までと、CLIMB気室の高さと全く同じ長さを持っている。

右肩にショルダーハーネスをかけ、左肩を抜いて、右わきにスライドさせた状態。
ちょうど蓋が正面に来て、開閉しやすい。
入っている丸は、KINTO トラベルタンブラー350ml。500mlも同じ向きで入れることが出来る。

リュックとして使用している際に、左肩を抜いて右わきにスライドさせた場合、ちょうど良い位置に来るのが使い易い。色々な用途が考えられそうで、とても面白い。

:WORK

ショルダーハーネスの上にあるので、取り出しやすい。ジッパーはシングル。

CLIMBコンパートメントの上部にあるコンパートメント。内壁はフリース生地になっており、旧型Transporterの貴重品ポケットと似ている。強めのベルクロで付け替えが出来る仕切り壁があり、なんとなく「カメラバッグを想定している」ような感じもする。

蓋を開けた状態。入っているのは、EXPED パデットジップポーチS、SONY WH-1000XM4 サイレントホワイト。メッシュポケットに入っているのは、WH-1000XM4のケーブル。他にポータブル音楽プレイヤーが入っているんですが、見えないので紹介しない。
EXPEDのポーチは出っ張っているように見えますが、抵抗なく蓋を閉じることが出来ます。
中身を全部出してみた状態。
仕分けできる内壁パッドは2枚。3方向にベルクロ。
メッシュポケットは柔らかいが、マチ殆どなし。

前述したとおり、Transporterとは違って、PCやタブレットを入れるポケットはCLIMBコンパートメントになるので、狭いと言えば狭い感じ。当然だけど、A4サイズの書類等を入れることなんて考えられない。

:サイドポケット

背負った際、左側面にくるサイドポケット。
右側面にはポケットが無く、手提げ用のハンドルがある。

リュックとして背負った場合、左腕側の側面にある縦長のポケット。
旧版では2つついていたようだが、1つしかない。また、鍵などをつけておくコードは存在しない。
マチはほぼ無く、入れられるものは限定される。

入っているのはポケットティッシュ、マスク(雑!)、ナイトアイズのカラビナ。
何も入っていない状態。

未だにこれ!といった使い道が見出せていない。

:鍵フック付きポケット

テッペン、上部のハンドル横にある鍵フック付きポケット。
鍵の仕掛けは新型Seon Transporterと同じ。
単純な仕掛けだと思うが、外しにくく、防犯効果はある。
最も簡単に盗む方法は、フックをかけたベルトを刃物で切り落とすことじゃないかな。

新型Transporterの貴重品気室用ジッパーについていた、鍵として使えるフック付きのポケットである。
鍵をひっかけるようなコードはここに内蔵されている。

ポケットのマチは殆ど無い。サイドポケットとよく似ている。
サイズの参考に交通系ICカード「SUICA」をパスケースごと入れてみたところ。
ここに入れると使い勝手が悪そうなので、実際にはこのように使ってはいません。
鍵等がつけられるコードが内蔵されている。

お気に入りポイント

:シンプルな見た目

余計なでっぱり等が無い、直方体型。ハーネス周りもシンプルで、欲しい人がそれなりにいそうなチェストハーネスも無い。

旧版は所持していないので比べられないのだが、ハーネスの位置が変わっていたり、ハンドルが減っていたりするらしい。

「タブレットPC等を取り出しやすくなるように、外からアクセスできるファスナーを増やす」等のアイデアを思いつくものの、それが無いのは、この薄くて使い易いシンプルな見た目を優先させた結果なのではないかと思う。

:容量がそれなりに多い

実はこのバッグ、奥行き(縦幅?)があまりなく、薄い。その分容量が減っているとも感じられる特徴である。

しかし、蓋を開けると開放感溢れるCLIMBコンパートメントの広さは容量十分といった感がある。Transporter26の容量に限界を感じていた私にはそう感じられたのである。

WORKコンパートメントはCLIMBコンパートメントと完全に分離していることも良い。こちらにはよく出し入れする物を入れる人が多そうだ。
また、靴用のコンパートメントは汚れ物等、メインコンパートメントと分離したいものを入れるのに適している。私は万年鼻炎でティッシュが手放せないので、ゴミ袋を入れる場所にしている。


ウィークポイント

:メインコンパートメントの出し入れ難さ

メインコンパートメントとなるCLIMBコンパートメントの使い勝手が悪い。不便。
容量や形については素晴らしいと思えるのだが、問題は蓋。蓋を開けるには、カバンを肩から下ろす必要がある。これは構造的に仕方がないと思うのだが、もう一度言わせておくれ。使い勝手が悪い

想像してみて欲しい。
出先でお店に寄って買い物をした。これを少しの間、カバンに入れておきたい。さあ、カバンを降ろすぞ……ぬう!このカバンめ、寝転がさないと開けられないでは無いか!  カバンを降ろして荷物を入れる場所を確保せねばならんとは!!
ということで、実体験でした。


余談:そこまで形が崩れるか?

amazonの購入者レビューで、最も参考になったとしてポイントを集めていたのが「構造上の問題で、背負った時に型崩れしてしまう」という内容だった。私見だが、これは「WORKコンパートメントにとても重いものを入れた」からではないかと思う。

参考:背負った人の身長171cm、体重70kgくらい。
背負った人はともかく、こうやって見ると本当にマチ(奥行)が薄いバッグに見える。

私は電車等での移動時に密閉型ヘッドホンを使いたいので、これをWORKコンパートメントに入れて運んでいる。それでも中身のスペースが余るので、マウスウォッシュやウェットティッシュなどのエチケットセット一式も入れている(パデットジップポーチSに入っている)。この中で一番重いのはポータブル音楽プレイヤーだろうか。これらを同時につっこんだ場合では、特に型崩れを感じなかった。

私は購入後に対策として、サーマレストのマットを切って入れて型崩れ防止を目論んだが、使っているうちに「マット入れなくても型崩れしないのでは?」と思ったので、今は何も対策せずに使っている。しかし、型崩れしているとは思えない。

サーマレストのZライトソルの横幅は、少しだけはみ出る。なので、そこをカットする。
なお、縦は折れる部分1枚分がバッグのマチの長さにちょうど合う。
写真では、横幅をはみ出た分だけカット、縦を4枚でカットして入れている。

そんなわけで、ごっついカメラ等の特別に重いものを入れない限りは、型崩れの心配はしなくてもいいのではないかと思う。カメラバッグとして使用するつもりならば、よく考慮するべき点なのかもしれない。


まとめ:美点と弱点がとんがった面白バッグ

ということで、そういう印象なのでした。
私はTransporter26L(旧版のやつ)を仕事用、15L(2021版)を街歩き用に使っていたのですが、特に街歩きの際に容量不足を感じていたので、このcargoちゃんを購入したのでした。

容量以外に私の求めていたものは「型崩れしない」「シンプルなハーネス」「ヘッドホン等を分離収納できる構造」「オサレ」という要素。THE NORTH FACEのチュガッチ35がかなり使い勝手が良くて優秀だったのですが、スノースポーツ用でハーネスがごちゃごちゃしていたので、街歩きには使い辛さを感じていたのです。オサレでない。Transporterちゃんはかなり良いバッグなのですが、コンパートメント的に今一つ惜しい感じなのでした。

そんな私にCargoちゃん。チュガッチちゃんとTransporterちゃんよりも一回り位大きく感じるのですが、意外と薄い見た目で欲しかった特徴を完備していて、満足感が高いです。癖のあるコンパートメントも工夫して使うのが面白い。

CLIMBコンパートメントの出し入れ難さだけはどーにもこーにもだけれども!!そこだけなんだが惜しいのは!!


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