反則数の推移など

スーパーラグビーアオテアロア大会が閉幕、王者クルセイダーズの強さが際立ったものの、タレント集団のブルーズの復活、名将ガトランド率いるチーフスがまさかの0勝など短期間だが見どころが多かった。なにより十分な練習時間がなかったが、ゲーム内容は非常にスキルフルで僅差の試合が多く、見ていて非常に楽しい興業だったと思う。コロナ禍でラグビーが消えた中、日本のラグビーファンを楽しませてくれたのではないだろうか。

さて今回取りあげるのは、この大会での反則数の推移である。大会前にワールドラグビーが発したルーリングは競技規則に厳しく、特にブレークダウンエリアに競技規則に厳格に対処するというものであった。下表は節ごとにみた1チーム1試合あたりの反則数の推移である(10節は1試合のみ)。大方言われているように、開幕節は反則のオンパレードだった。ブルーズ対ハリケーンズは双方合わせて31個もの反則を犯した。予想通り厳格に笛を吹くレフリーへの批判が高まり、コーチ陣のレフリーと選手への「指導」によってグラフのとおり節を追って反則数は減っていき中盤以降は落ち着いていった。

反則数が多くなるか少ないかは、レフリーの問題でなく、ましてやルールが悪いわけでもなく、間違いなく反則に抵触するプレーを犯す選手、チームあってのことである。この大会で反則数が減った要因の一つは、NZの選手達の適応力の素晴らしさでもあることを指摘したい。


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また下表は、先日「再開」したイングランドプレミアシップの各チームの反則数である。平均すると11.5で前シーズン(10.3)よりもわずかだが上回っている。ここで注目したいのは最大でBristolやLeicesterの17回で、最小ではNorthamptonの7回と差が大きいことである。節を追っていくにつれ、反則数がどうなっていくか注目していきたい。


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こんなチーティングは止めよう

先のイングランドプレミアシップの再開開幕戦であるSale対Harlequins戦で、実に見苦しいプレーを見つけてしまったので指摘しておきたい。

前半18分のラインアウトからのHarlequinsの攻撃からボールキャリアのNo8がタックルされて倒れた後が以下の写真である。綺麗なクリーンアウトを見て欲しいのではない。ボールキャリアで倒れたNo8の左手に注目して欲しい。彼の左手は自分をタックルした相手選手のシャツをがっちり掴み、タックラーがロールアウェイできないようにしている。悲しいことにレフリーはタックラーのノットロールアウェイの反則を取った。しかしテレビはしっかりとこの見苦しいチーティングを映し出していた。ルールの範囲内ギリギリで有利なプレーを行うのはラグビーの一つの魅力でもあることは認める。しかし、今回のこの行為は正当なプレーなどでなく決して若い世代に真似して欲しくない。ズルをしたほうが得をする、というのは厳しく見直されるべきだと思う。

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まとめ

反則数の推移に始まり、最後は一つのチーティングを取りあげて、実にまとまりのない文書になったが、閉幕したばかりのアオテアロア大会、これから佳境に入るAU、再開したプレミアシップ、そして松島選手がプレーするフランスリーグと、今後とも注意深く反則を追って行きたい。

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