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「経営者とコミュニティ・マネジメント」これからのコミュニティマネージャーが考える7つのポイント

【アウトプット・マーケティング】
-個人の市場価値を上げる具体的な方法―
「コミュニティ+SNS+note」というセルフ・マーケティング

※UPして一部を15日ほどで有料にさせて頂きます。有料部分は段階的に金額を変動させていく予定です。よろしくお願いします。


こんにちはイケマツジュンです。ボクは、福岡や東京のオフライン活動でトークイベントやワークショップからオフ会まで、様々なアウトプット活動を行っています。そこで感じるのは、「経験」と「成功の方程式」を語られる事は多いけれど、実践的に使える「体系的な情報」は(日本語では)思ったより少ないという事です。


そこで今回は、「コミュニティ+SNS+note」(これをアウトプットマーケティングと呼んでいます)のうちの「コミュニティ」について、「運用」から「マネジメント」そして「経営との関係」まで体系的に書いておこうと思いました。長文だと重すぎるのでざっくり3回に分けて書こうと思います。今回は第2回目「経営者とコミュニティ・マネジメント」です。これからのコミュニティ・マネージャーを考える視点に役立てば幸いです。


第1回:コミュニティ・マネジメントの実践について
第2回:経営者とコミュニティ・マネジメント←ココ!
第3回:具体的にトークイベントで1人5役をやるタスク・チェックリスト



はじめに:コミュニティ・マーケティングの罠

コミュニティ・マーケティングは多種多様です。講演やワークショップで出会う人の何割かに確実に存在するのが、「上司がどのくらい効果があるの?ってまだ言ってまして」とか「そろそろだけどウチでは見計らっている」という話しです。

その本当の意味はいくつもあると思います。古く大きな組織ほど、事情は複雑ですが、その殆どは社内の事情です。「顧客の課題」ではありません。そのいくつか代表的なケースをあげれば、こんな感じでしょうか。

① 業界1位の会社がまだ始めていない。
(なんだかんだ横並び主義が残っている)
② 社内のどの部署が担当するか線引きが出来てない。
(リスクは取りたくないけど成果は欲しい)
③ そもそも、まだ自分の信頼が上司から勝ち得ていない。
(過去に成果を出して評価を得た事が無い)

こんな状況で、正論を主張してプレゼンをしても先に進める事が出来るでしょうか。「出来ない理由」や「始めない理由」は何百万と言えます。しかし「やる理由」や「やらねばならない理由」は幾つも無いのです。

① リスクが低く、コスパの良い施策をしたい
(新しい予算や人員を確保するのは至難の技だから、現有リソースではじめたい)
② 従来のマーケティング手法が限界なのは誰が見ても明らかだが・・・
(テレビなどマスコミュニケーションだけでは立ち行かない)
③ 新しい事は、若い力に任せてやってもらう方がいい
(ネットとかSNSとか使わないし、コミュイティとか良く分からない)

株主も経営者も、ノーリスク・ハイリターンを望む事が多いのが実情でしょう。挑戦の無いところに成果などありませんが、リアルが満ち溢れていると言ったところでしょうか。

では組織の何人が慧眼を備えているでしょう。現実をブレークスルーする為には、いくつも壁を乗り越えて(よけて)いく事になります。

例えば、イケウチオーガニックさんのように、コミュニティに関して、CEOと現場で役割分担や理解が得られているならば、コレを読む必要は無いでしょう。しかし、そのような環境を構築出来ているコミュニティ・マネージャーは全体の何割存在するのでしょうか?そして、非Saas系になれば、これはかなり低い割合になるかと思います。(もし奇特にもパーセンテージを調査してくれるメディアがあれば嬉しいです)

そこで、まずはコミュニティ・マネージャーには、経営者側視点の俯瞰する航海図”が大事ではないかと考えました。今回は、コミュニティ・マネージャーが前へ進んで行く”航海図”を作るための経営者視点や精神構造を、皆さんと一緒に探って行きたいと思います。

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①株主のタイプについて考えてみる

会社は誰のものか?というよりは「社長は誰によってクビになるか?」の方が分りやすいかもしれません。その会社が株式会社であれば「株主」が居て株主総会が行われます。株主総会とは株主を構成員として、会社の方針や重要事項などの意思決定を行う最高機関です。すべての株主は、株主総会に出席して、いかなる事項においても議決できる権利を持っています。

株主の種類は、法令上は「特別支配株主」 「主要株主」など保有割合で権利が変化しますが、コミュニティ・マネージャーにとって重要なのは「どんな株主に社長の視線が向いているか?」だと思います。

企業株主・ファンド株主・個人株主の場合もあれば、社長がオーナー株主の場合もあるでしょう。

① 企業株主
② ファンド株主
③ 個人株主
④ 社長がオーナー株主
⑤ その他

もちろん、株主のタイプによってニーズは異なるでしょう。 社長は「売上・利益」を出して、株主に配当するのが重要な役割です。株主が何を強く求めているのか?コミュニティ・マネージャーも公開されている情報くらいは知っておく必要があるのではないでしょうか。

ですので例えば、「コミュニティ・マーケティング」が「売上・利益」にどのように貢献しているか説明できるか?という「社長が株主へ話すシーン」を想像できるかは、今後コミュニティ・マネージャーにとって大事な要素になってくると思います。

例えば「コミュニティ・マーケティングに、いくらカネを突っ込めば、来期はどのくらい売上が立つのか?」という問いに答えられるでしょうか?その為には、そこに至るまでのステップを設けなければならないでしょう。コミュニティ・マーケティングの歴史はまだ始まったばかりです。シャケが河を遡上するように、段階を経て結果に結びつけていかねばなりません。一足飛びで結果を出す事など不可能だからです。

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先進的なSaas系企業などを除いて、コミュニティ・マーケティングは多くの企業にとってまだ始まったばかりだと思います。しかしそれは、テレビ時代からSNS時代の流れなので止まる事は無いでしょう。大量生産大量消費の時代は終わったのです。

そうすると、コミュニティ・マネージャーは、株主の様子に合せた、コミュニティ・マーケティングの成長ステップがシェアされるまで、自助努力で工夫を積み重ねていく事になると思います。それが長い時間になるのか、短い時間なのかは誰にもわかりません。となると、挑戦を支持してくれる社長なのか?それともリスクZEROを目指して挑戦に不寛容な態度な社長なのか?その根っこの部分を見極めておく必要があります。

まあ。社員であろうと、フリーランスであろうと、もし当該事業の株主に興味があるのであれば、そして上場株で公開されているのであれば、その株を購入する事をおススメします。株を買うのは自由です。その会社を知るのには、株主になるのが一番の近道です。これは、就活にも転職にも応用できると思います。



②CEO/代表取締役社長のタイプについて考えてみる

株式会社の場合、代表権と社長職はリンクしてない場合がありますが、その辺を細分化していくとややこしいので、代表取締役社長の場合を考えてみましょう。

その社長が「なぜ社長になったのか?」を把握すると、行動基準が見えるようになると思います。

「なぜ社長になったのか?」5つのパターン
①オーナー社長
②雇われプロパー社長
③ヘッドハント社長
④系列・天下り社長
⑤同族ファミリー社長

「なぜ社長になったのか?」はその経緯がわかると「何が課題か」(誰にアタマが上がらないのか?)が分るようになります。会社は独りでは立ち行きません。個人事業主は別ですけど。社長の課題や興味関心事項は、公になっているものでも判断できる情報は多いと思います。下記はあくまでサンプルですが、課題イメージをあげてみました。

①オーナー社長・・・IPOが課題。子孫への事業継承が課題。
②雇われプロパー社長・・・主要株主・主要銀行が課題。先代社長が課題。
③ヘッドハント社長・・・株主評価が課題。自己の次ステップが課題。
④系列・天下り社長・・・親会社(官庁)が課題。労働組合が課題。
⑤同族ファミリー社長・・・同族問題が課題。遺産配分が問題。

※この他に、奥さんにアタマが上がらない場合や、お母さんにアタマが上がらない場合という笑えないリアルもあるので、視野を広く持つには良い機会かもしれません。

※あと。オーナー社長でも無いのに「誰にもアタマを下げない」というキャラの人がいます。それはココには書けませんので、お会いした時にお話しします(笑)

社長の課題は様々ですが、基本的興味関心事項は「ヒト」と「利益」です。誰がやって、どう課題をクリアしてくれるのか?以下に分類できるかと思います。

社長の基本的な関心事項・2つのポイント
A:「半分のコストで売上維持できる」
B:「コストはそのままで売り上げが倍以上になる」

AタイプもBタイプも解かりやすくするための極論ですが、コミュニティ・マネージャーはこの文脈で自分の仕事を振返ってみると社長からどう見えるのか?リソース配分の視点から見ると、解像度が上がるのではないでしょうか。

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③経営者と株主の関係性について考えてみる

その会社の影響力は株主で解かる場合もあれば、持ち株会社によって見えにくい場合もあります。しかし基本的な経営者と株主の関係性パターンは以下の5つに分類されると思います。

経営者と株主の関係・5つのパターン
① 創業オーナー
② 同族オーナー
③ 外資オーナー
④ 旧財閥系・大企業
⑤ スタートアップ
⑥ その他

それぞれに「新しい挑戦」に対して理解があるか?、担当者が信頼されているか?は、実績次第となります。しかし新しい挑戦に「経験」がある方がおかしいので、ここに担当者のジレンマが生まれるのだと思います。ではその解決方法はあるでしょうか?これは長く問われてきた「担当者あるある」な課題です。ケーススタディは以下の3つに分類されると思います。

組織を動かす・3つのパターン
① 顧客からの声で動かす
② 業界や空気感で動かす
③ TOPからの「鶴の一声」で動かす

では、どれかやれば「組織は動く」のでしょうか?答えはNOです。正解はありません。これこそ、英知を絞って現場担当者やチームで挑戦する部分でしょう。失敗したら責任を取るだけです。

挑戦が無いところに「成功」は無い。

ハック慣れしたヒトや、短期的損得だけで判断キャラの人には理解不能かもしれません。サラリーマンなのにリスク背負う必要あるの?と思うかもしれません。であれば未経験への挑戦など止めて、部署異動した方がいいと思います。

例えて言うならば、しゃがむから飛べるのであって、何もしないで飛べるとしたら、それは「詐欺」か「超能力」ではないでしょうか。



④コミュニティマネージャーから見た経営者と株主について

まだ歴史が浅いコミュニティ・マーケティングを実践していく為には、コミュニティ・マネージャー自身が「セルフ・マーケティング」(ブランディングでは無い)する必要が生じていると思います。

顧客や関係者へ「何か」を訴えて、動かしていくためには「言わなけば」分りませんし、「書かなければ」伝わりません。時間に限りがある中では「ボーリングのヘッドピンを倒す」ように事を運ばなければ、成功へはおぼつかないでしょう。

そもそも、「セルフ・マーケティング」する時に、自社の強みや、他には無い特徴をしっかり把握しているでしょうか?

ここでマーケティングの3C分析や4Pを書くと超長くなるので、経営者と株主に対して提案する時のフレームワークを例に挙げたいと思います。あくまで手法のひとつなので参考までにどうぞ。

VRIO分析・6つのポイント
①自社の価値(Value)はどこにあるか?
②自社の希少性(Rarity)はどこにあるか?
③自社の模倣可能性(Imitability)はどこにあるか?
④組織(Organization)の課題と強み
⑤強みの質と競争優位性の見極め
⑥戦略や施策を検討する

※VRIO分析とは、米・経営学教授ジェイ・B・バーニー(Jay B. Barney)氏が1991年に発表した経営資源に基づく戦略論をフレームワーク化したもの。


自社の不足している部分を明確にすることで『どの項目に注力することで継続的な競争優位性を得られるのか』を明らかにすることができます。

そもそも、コミュニティ・マーケティングが最適解なのか?も判断出来ますし、それに対する反論も理解できるようになると思います。VRIO分析は検索すれば沢山情報が出てくるので参考にしてみてください。コミュニティ・マネージャーが経営者へ提案する時の目安になると思います。

VRIO分析・5つのポイント
①VRIO分析は、経営戦略論をフレームワーク化したもの。
②VRIO分析を実施すると経営資源の持つ強みの質と競争優位性の見極められる。

③VRIO分析では、企業内部の経営資源を4つの視点で評価する
『価値(Value)』
『希少性(Rarity)』
『模倣可能性(Imitability)』
『組織(Organization)』
④VRIO分析はいくつかの問題点を指摘されている。
『ターゲットの範囲設定が難しい』
『社会的価値の評価が難しい』
『それによって組織の行動力を低下させてしまう可能性がある』
⑤VRIO分析は内部分析手法なので他マーケティング分析3C/4P分析等と適宜併用する。


「現場はわかっているけど、経営がね」

コミュニティ・マネージャーのスキルアップは、現代の経営者が期待する重要な要素ではないでしょうか。



⑤コミュニティ・マーケティングの役割りと存在とは

そもそも「コミュニティ・マーケティング」を行うには「コミュニティ・マネージメント」と「コミュニティ・デザイン」の役割りが違う事を振返るのが大事だと思います。事業と運営の役割分担をどうやってやるのか?そこを履き違えていると次に進めなくなるからです。

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「ユーザーが動かすもの」とは「気持ちよく愛してもらって」結果に結びつくもので、恣意的なものでは無いはずです。

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では、その活動が、どこに位置していて、どのくらい役に立つのか?「顧客」「仲間・組織(関係者)」「自分」の関係を整理して、コミュニティ・マネージャーが仲間と前へ進んで行く”航海図”を作っていく事が大事で、上手く行かなくない時に、立ち戻れる地図になるのだと思います。

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⑥いまどのステージ(段階)にいるのか?を考える

カタチから入ると上手く行かないのは、コミュニティ・マーケティングに限った事ではありません。いま自社がどのようなステージにいるか?に応じて、やる事は変わってくると思います。

コミュニティ・マーケティングのステージ5段階
①経営者がコミュニティマーケティングを聞いた事など無い
②経営者がコミュニティマーケティングを聞いた事はある
③経営者がコミュニティマーケティングを理解している
④経営者がコミュニティマーケティングを実施している
⑤経営者がコミュニティマーケティングを評価している

分らない事は「恐怖」が付きまといます。「分る」を「判る」そして「解る」ようにするには、何がボーリングのヘッドピンなのか?を考える。そして言語化して、再現性を高める。そして、仲間作りをしていく事が次へのステップに繋がるのではないでしょうか。




⑦これからのコミュニティ・マネージャーについて

「コミュニティ運営」だけを上手に行う事は大変です。しかし、経営もわかる「コミュニティ・マネージャー」が求められているのも事実です。

コミュニティ・マネージャー自身が、「経営もわかる、セルフ・マーケティング」を行うには、「コミュニティ+SNS+note」を自分自身も活用できて、顧客にも寄り添える「セルフ・マーケティング」を実施していく事に繋がっていくと感じています。

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そのためには、そもそも社長や株主も担当者も、共通認識として、これから必要とされる「機能」(能力)が、シフトしている事を確認したいと思います。そもそも論で、大変化が起きているのは、ネットやSNSで全てが繋がってスーパーフラットになった事で、「気づく」「知らせる」にシフトしていることから始まっているからだと思うのです。

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【アウトプット・マーケティング】
-個人の市場価値を上げる具体的な方法―
「コミュニティ+SNS+note」というセルフ・マーケティング

今回は「経営者とコミュニティ・マネジメント」これからのコミュニティマネージャーが考える7つのポイント。でした。

次回をお楽しみに。

第1回:コミュニティ・マネジメントの実践について
第2回:コミュニティ・マネジメントと経営←ココ!
第3回:トークイベントで1人5役タスク・チェックリスト←次回


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※UPして一部を15日ほどで有料にさせて頂きます。有料部分は段階的に金額を変動させていく予定です。よろしくお願いします。


#アウトプット・マーケティング

準備中