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細胞外マトリックスについて

細胞外マトリックスとは細胞が分泌し、細胞周囲に沈着した高分子化合物の総称。線維成分の細胞外マトリックスと、溶けている細胞外マトリックスがある。
繊維成分:コラーゲン(非弾性)、エラスチン(弾性)
可溶成分:接着性糖タンパク質、プロテオグリカン

コラーゲンの特徴及び構造

1. 体タンパク質の1/3を占める
2. スーパーヘリックス構造を持ち、非弾性(絡まっているので伸びない)
3. 構成物質
・他のタンパク質にも存在:グリシン、アラニン、プロリン
・コラーゲンに特異的に存在:ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリシン
4. 芳香族アミノ酸(チロシン、フェニルアラニン)が少ない
5. グリシンープロリンーヒドロキシプロリンの繰り返し構造
・グリシン:1/3を占めている(一番多いタンパク質)
・ プロリン:イミノ酸が多い
・ ヒドロキシプロリン:水酸化アミノ酸が多い

コラーゲン分子の形成から繊維形成までの流れ

コラーゲンの生成過程を勉強しましょう。
細胞内
1. DNAから転写
2. リボソームでmRANから翻訳される(ポリペプチドの合成)
3. 粗面小胞体で、リシンとプロリンが水酸化
4. ヒドロキシリシンに糖鎖が結合
5. トリプルヘリックスの形成
6. ゴルジ体に移動→細胞外へ
細胞外
1. N末端とC末端に分かれ(加水分解)、トロポコラーゲンになる
2. リシンが酸化され、アリシンになる
3. 架橋して繊維になる(コラーゲン完成)

プロテオグリカンの特徴と種類

1. 特徴
・細胞外マトリックスの可溶成分である
・ コアプロテイン+グリコサミノグリカン(GAG鎖)からなる
・GAG鎖はウロン酸とヘキソサミンの2糖繰り返し構造
・ 水酸基、荷電を持つので水和する(粘稠なゲル状)
・ カルボキシ基と硫酸基をもつので負に荷電する
・ 内部反発力に圧縮抵抗
2. 種類
* 軟骨:アグリカン
* 骨:ビグリカン、デコリン
* 結合組織:バーシカン
* 基底膜:パールカン
* 細胞膜:シンデカン

接着性糖タンパク質の種類

1. オステオポンチン:骨、破骨細胞
2. フィブロネクチン:繊維細胞
3. ラミニン:上皮細胞→基底膜
4. 骨シアロタンパク質
5. ビトロネクチン

骨、軟骨、象牙質、セメント質の主な有機物

1. 骨:1型コラーゲン、オステオ〜、プロテオグリカン(デコリン、ビグリカン)
2. 軟骨:2型コラーゲン、アグリカン
3. 象牙質:1型コラーゲン、ホスホホリン
4. セメント質:骨と同じ

表にまとめたもの

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