【散文詩】離れろ危険

窓から飛び出した鬱屈は
人型の白墨を舗道に描く

乾きゆく生身は慈雨によって
流されて漂白される

灰燼となった改札口を塞ぐ
不可視の忖度に悪を気取る正義感

跡形もなく洗浄された戦場に魂だけが地中に残る
軛から放たれた瞬間に捕縛された弔いの碑が帰還を求め喉を震わせる
祖国を想い魂の琴線と逆鱗をユニゾンする

誰が為に叫び弔いを希求するのか

せめて、虚空に延ばした手に触れて欲しかった