【散文詩】一文無しの心に遺る冷や汗

茹で卵を剥くときの白い薄膜にも
意味があるなら
生きる意味があっても不思議ではない

死は恩赦
でも誰が赦してくれたのか
生きることの無意味さだけに救われる

嫌いになったのならよかったのに
嘘つきだったから赦せなかった
不能犯がありえるならよかったのに

深夜未明にひとり呼ぶ119は孤独の極北
アナタを救えなかったのに助けを求めるのは倫理に反する
永遠に後悔は周り続ける

想像界も象徴界も経験せずに現実界の本名は死である