【詩】血痕は美醜を言わないで

傷は深々と殴られ

裸拳は腫れ上がる

裂ける皮膚が薄笑い

修理代として痛い財布の紐を解いては結ぶ

容貌は中庸を切望して

それでも
美貌に割れた鼻梁の陥没から鈍色の節水が賄われる

避難勧告はお門違いの審判が美醜を越えた

盛土の手首の赤さは連行された縄のなごり

愛妻弁当は死語の世界

丁寧に大切に過ごす番号の日々

本当のことは許さない