【散文詩】岩窟の壁に掘られた借用書(文字と貨幣の同時発生)

縊れた遺体は正体不明で
逸らす視線の先も死屍累々として
罪悪感が脳幹に絡まる午後四時
放り出され轢き潰された幽体離脱の灼熱を鳥のように

決意したのは自分で踏み出した瞬間の後悔は取り返しのつかない結果に着地する
雁字搦めの運命に選択肢はないから決意も試行錯誤も自然法則に委ねる

現実は厳しくて努力では届かない場所がある
だからどうしたと超然といってのける頬が強張るのは恐怖心ではなく自分すら信じられないからだろう

一隅を照らすこともできずに掴もうと伸ばした手のひらを払い除けられるのが関の山で居場所なんかどこにもありはしない
自分の場所は自分で開拓し無から造ることでしか存在しない
人生は建売住宅ではないしお手本なんかないのだから黙って進むこと
どしゃ降りの人生だけが教えてくれるから