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#5 フィリピンのガイドさんたち(2)

洞窟ツアーのガイドさん

フィリピンのサガダという街を訪れた。
サガダは、棚田で有名なバナウェから高速バスで3時間、首都マニラからは12時間くらい行った、山の中にある小さな町だ。

サガダに降り立った瞬間から排気ガスの匂い。小さい町だが坂が多くバイクが沢山走っている。
日本の会社名が車体に書かれたままのマイクロバスやトラックが走っているのをちょくちょく見かけた。日本から輸入した中古車が多いのだろうか。

サガダの広場でやってたマーケット
住宅街
メインストリート
のどかな雰囲気

そんなサガダでは洞窟ツアーに行くことができる。私も観光案内所でツアーに申し込んでガイドさんに案内してもらった。

ガイドさんはTシャツ短パンにビーチサンダルという出で立ち。小さいリュックを背負っていた。洞窟の中を歩くにはかなり軽装だなと思った。ガイドさんとは英語で問題なくコミュニケーションは取れるが、自分からはあまりお喋りしないタイプで実直な感じだった。一緒に歩いて洞窟に向かいながら、洞窟のことやガイドさんのことについてガンガン質問して色々教えてもらった。

洞窟の入り口でガイドさんはリュックからランタンを取り出した。当たり前だが、洞窟の中は真っ暗なので灯りが要る。そのランタンはガスで火を燃やす昔ながらのシンプルな作りのようだった。ガイドさんはそれを片手に持って洞窟の中を案内してくれた。

洞窟の入り口

洞窟というと広くて奥行きがあるところを歩くのを想像していたのだが、そこの洞窟は思っていたのと全く違ってかなり狭い隙間を通らなければならないところも結構あった。ちょっとした冒険気分だった。

ランタンを持ったガイドさん
こんな感じで岩の間の隙間を進んでいく

ガイドさんはランタンを片手に持って、もう一方の手と両足しか使えない状態で器用に洞窟の隙間を進んでいく。ランタンはガイドさんの前方ではなく私の足元を照らすために使っていて、ランタンなしでよく前が見えるなと驚いた。狭くて私一人では抜けられない隙間では前から引っ張ってくれたり、足場が悪くて危険なところはガイドさんの足を踏んで足場にして私が先に行けるようにしてくれたりして、このガイドさんに身を任せておけば大丈夫だという安心感があった。

水が流れていて濡れている岩の上はかなり滑りやすくて何度も滑りかけたが転倒することなく進み、広い空間に出た。そこには他の観光客も沢山いて記念撮影したりしている。それまで通ってきた狭い岩の隙間では写真を撮る余裕はなかったが、ここでは少し余裕が出て私も写真を撮ったりしていた。

ふと気が緩んだのか、ちょっと高くなった所を移動している時、私は滑って転倒。すぐ下の水たまりに派手な音とともに落ちた。心臓が止まるかと思うくらいびっくりしたが、ちょうどいい具合に落ちたようで、幸い怪我は無く水に濡れただけで済んだ。派手に転んで恥ずかしいなと思いながらふとガイドさんを見ると、顔面蒼白。かなり心配しているようで、見ているこちらが気の毒に思うほどだった。怪我はないから安心してほしいと私は言い、その後何事もなかったかのようにツアーを続けた。

洞窟の中にはこんな感じで水たまりが沢山あった
面白い形の岩

無事に洞窟ツアーを終えて地上に出た後、疲れた私が坂道を歩いて登らなくていいようにガイドさんはバイクで町の中心まで送ってくれた。

別れ際、洞窟だけでなく日の出を見るツアーもあるが参加しないかと誘われ、私は行きますと答えた。
次の日は日の出ツアーに参加することにした。

【次回へ続く】

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