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まだ夏だけど・・・

弊社会長が、送られてきた某工法のダイレクトメールを見て、

「これすごくないか!?アルミサッシなのに結露しないってよ!!」

驚いていました。

あ、まだ残暑厳しい季節ですが、冬の窓結露の話をしています。

アルミサッシでも結露しない方法ってあるんでしょうか?

実は、あるんです。

今回は、弊社会長に向けて、季節外れの窓結露の復習です。


さて、まずは結露のメカニズムのおさらいを。

冬の窓結露とは、外気温が伝わってきて、窓ガラスやサッシ枠が冷やされます。

室内の空気が冷やされたそれらに触れた時に、それらが露点温度に達していると、結露を起こします。

この露点温度、常に一定かと言えば、そうではありません。

空気の温度とそこに含まれる水蒸気の量によって変化します。


例えば、空気の温度が20℃で、相対湿度が50% だとすると、露点温度は9.3℃です。

つまり、上の空気が、表面温度9℃のガラスに触れたら結露を起こします。

空気の温度が20℃、相対湿度が80% だったらどうでしょう?

露点温度は、16.4℃に変わります。

空気の温度から、わずか3.6℃窓ガラス表面の温度が低いだけで露点温度に達して、結露を起こします。


これを例にすると、私の自宅でも夏によく見られる、窓ガラスの外側が結露する現象ってのが起こります。

湿度が高い夏の朝、外気温が28℃、相対湿度が90%のムシムシな家の外。

露点温度は26.2℃なので、約2℃ガラスの外面にエアコンで冷やされた室内の温度が伝わるだけで、結露を起こします。

これが窓の外側結露の正体です。


さて、話がズレました。

アルミサッシで結露しない仕組みでしたね。

先ほどは、同じ空気温度で、相対湿度を上げることで、露点温度が高くなりました。

今度は逆に、相対湿度を下げてみましょう。

空気の温度は20℃のまま、相対湿度を20%にした時の露点温度は?

-3.2℃です。

マイナス サンテンニド デスヨ。

外気温が氷点下にならない、東京都内とか以西の地域であれば、外気温よりサッシ表面温度が下がることはあり得ませんから、アルミサッシでも結露は起こしません。

冬、部屋の湿度を下げてあげれば、低性能の窓でも結露を起こしません。

ちなみに、湿度を下げたければ、冬の暖房はエアコン一択です。

ファンヒーターを使うと、燃やした灯油のL数だけ、空気中に水蒸気が発生しますので、加湿してしまいます。


さて、冬に湿度を下げる話を真面目に書きましたが、快適に暮らせるかどうかとは別問題です。

冬に室内の水蒸気量が低い状態については、多くの方が体感したことがあるのではないでしょうか。

朝起きたら、のどがカサカサ。お肌パリパリ、風邪コンコン。


2021年に、株式会社エー・アンド・デイという、医療健康機器や測定器の開発・販売を行っている会社が、

「季節性インフルエンザの流行と絶対湿度との関係について」

というレポートを公開しています。

絶対湿度というのは、空気中の湿度をグラム(g)であらわしたもの。

先ほどまで話していた、相対湿度ってのはパーセント(%)、割合ですよね。


さて、レポートをざっくり抜き出すと、

空気中に放出されたインフルエンザウイルスの6時間後の生存率は、

空気中に放出されたインフルエンザウイルスの6時間後の生存率は、

絶対湿度 17 g/m3 では、 生存はなく

絶対湿度 11 g/m3 では、  5% が生存する

絶対湿度   7 g/m3 では、 20% が生存する

絶対湿度   5 g/m3 では、 50%(35~66%)が生存する


株式会社エー・アンド・デイ
「季節性インフルエンザの流行と絶対湿度との関係について」より

とあります。

絶対湿度が下がると、インフルエンザウイルスの生存率はどんどん大きくなっています。

さて、空気の温度が、20℃の時、相対湿度が、20%のカラカラ状態の時の絶対湿度は?

3.46 g/m3

インフルエンザウイルスが、イキイキしているのが目に浮かびます。

健康的ではありませんね・・・


さらに湿度が低いと、体感温度は低く感じられますし、仮に本当にアルミサッシ使ってたら、そこから冷えが伝わって、快適とはほど遠いです。


会長、わかりましたか?

冬にアルミサッシでも窓結露しない家をつくるなんて、超簡単。

そこに人が暮らすことを無視すればね。

だから、このDMの工法は、営業の話を聞く価値もございません。


冬でも湿度を保てる工夫や暮らし方をしつつ、しっかりと熱が伝わりにくいガラスとサッシを使って、窓結露を起こさない。

ちょっとでも断熱の勉強したら、当たり前のことですが、ついついスゴイ謳い文句があると、心が引かれてしまう。

それじゃ、修行不足です。

健康と省エネ性、人の暮らしに寄り添った家づくりをしたいですよね。

寒くなるまで、もうちょっと時間はありますが、この機会なので家づくりを検討されている方は、冬の事も思い出して建築会社と話をしましょうね。

ちなみに、先に書いた株式会社エー・アンド・デイのレポート、普通に公開されているので、下にリンク張っておきますね。

季節性インフルエンザの流行と絶対湿度との関係について


hiroyuki

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