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ハッピーハッピー無職ライフ


 無職たのしい~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 開始最初の1行目がこれって、どうなん。
 自分でもそう思うけど、だって事実なのだ。楽しい。楽しすぎる、無職。

 4月に無職になってから、早4か月が経過した。え、もう7月なの!?
 早すぎる。マジで早すぎる。体感的にまだ1か月くらいなんだけど。

 私と全く同じ日(3月31日)に辞めた同僚たちは、続々と再就職を決めている。私は、な~~~~~~~~んも決まってない。でも全然楽しい。毎日が夏休みやぞ。今日本で私より幸せな奴はいない。

 今日はそんな私の、最高にハッピーな毎日を紹介したい。


無職になるまで


 本題の前に、そもそも何で無職になったかというと。超簡単に省略して書くと、仕事があまりにしんどすぎたからだ。

 前職は5年間、ほぼ無遅刻無欠勤で勤めあげた。休んだのはコロナとインフルエンザのときくらい。これ、別に誰も褒めてくれないんだけど、凄いことだと思う。凄い! わたし凄い!!!!
 こんな凄いことが「当たり前」で片付けられる社会人、つれぇ!!!!!!!!!!!

 毎日出勤して、周りに気配りもして、化粧とか服装とかもキチンとして、雀の涙のような手取りの中でやりくりして、もちろん納税もする。
 社会人、ハードルが高すぎる。そのハードルが、無性に息苦しくてしんどくなるときがあった。

 本当に激務だった時期は、ほぼ毎日12~14時間労働だったので、割と本気で狂いそうだった。実際、好きだった掃除も怠るようになっていたし、夜に寝なきゃいけないのに全然眠れなくて、毎晩ストロングゼロを飲んで寝ていた。あれが睡眠薬代わりだった。

 20代後半、彼氏なし。
 同級生は出世をしたり、結婚をしたりしている。しかし、私の夢は昇進でも、誰かのお嫁さんでもない。

無職!!!!!!!!!!!  無職に! なりたい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 とにかくもう働きたくない。何をどうしたって働きたくない。私は! もう! 何もしたくない!!!!!!!!!!!!!!

 その夢を叶えるため、宝くじを毎月のように買って、毎月のように損をしていた。アホすぎる。
 残念ながら退職日までに当たることはなかったのと、もう色々と限界だったので、今年の3月に無事に退職。念願の夢を叶えたのであった。

 ちなみに、仲良しの同僚たちも一緒になって辞めた。なかなか辞める許可が出なかったので、もうありとあらゆる行政機関に頼ったりもした。友情、努力、勝利!!! 最悪な少年ジャンプである。

 そんなこんなで無事に無職。
 みんなから「絶対飽きるよ」「暇だよ」「逆に働きたくなるよ」ともう散々言われましたが、現在。な~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~んも飽きてない。(冒頭に戻る)

 さて、無職。
 毎日何してるねんってもう耳にタコができるくらい聞かれているので、ここからやっと本題に入ろうと思う。


目覚ましをかけずに寝まくる


 無職になった最初の1日目、私は、私は……! 
目 覚 ま し を か け ず に 寝 た 。

 これがどんなに幸せで、願ってきた生活だったか。

 土日があるじゃんという意見もあるだろうが、私の仕事は月に1~2回は土日も出勤になる仕事だった。それに、たとえ土日に休めたとしても、翌週の月曜を考えてコンディションを整えておかなきゃいけないことが猛烈にストレスだった。

 早番のときは朝の5時半に起きて、6時半出勤。それで帰りが夜22時とかな訳なのである。
 ツイッター(絶対にXとは言わない)で、「靴は毎日履くのではなくて、3日ごとに休ませるのがベスト」みたいな投稿を目にしたときは、私は靴より人権がない……。と絶望したのを覚えている。

 だが! 今日からは私は寝坊していいのだ!!! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!

 しかし退職日の夜、逆に興奮しすぎて何も眠れなかったし、なんなら普通に5時半に起きた。染み付いた習慣というのは恐ろしいものである。決意を胸に挑んだ先で、絶望の淵に立たされた少年漫画の主人公みたいである。いや、ただの無職ですけど……。

 だけど。もう私も無職歴4か月目。なかなかのベテランの域である。
 今では好きな時間に寝て、好きな時間に起きている。たまに昼夜逆転みたいになってしまうことがあるので、気を付けながら無職Nightを楽しんでいるのだ。
 死ぬほど嫌いだったアイフォーンの目覚ましの音楽を聴かなくて良い朝は、本当に素晴らしい。

 しかしこの前、友人が泊まりに来たとき。友人の目覚ましの音楽が、私が労働者時代のときに設定していた音楽と同じものだった。
 もうね、うずくまって泣いた。無職版クワイエット・プレイス。(絶対違う)


めちゃくちゃ友達と遊ぶ


 有難いことに、私には15年以上仲の良い友人グループがある。
 中学生のときに出会い、今現在もしょっちゅうファミレスで集まっているのだが、いまだに会話の内容が中学生当時から何も進化していない。

 この前は「今度さ、ねるねるねるね、やらない……?」と誘われ、来月みんなで駄菓子屋にも行くことになった。めちゃくちゃ楽しみ。
 でも、たまに隣の席の人たちが「仮想通過がさ~~」とか話してるのを見ると、ビビる。どうしよう。ねるねるねるねって、20代後半だと誰もしないの……?(しません)

 まぁ。何はともあれ。
 このグループに、ついに無職になったことを伝えると、なんと私の他に2人も仕事を辞めた奴がいた。
 つまり、私含めて3人が無職になったのである。3匹の子ブタならぬ、3匹の無職!!! やったーーーー!!!!!!!!

 そんなこんなで、最近はこの無職たちと好き放題に遊んでいる。
 しょっちゅうファミレスや誰かしらの家に集まり、でもみんな無職なのでお金はないから、たまに夜の公園でブランコをやったりしている。たのしい~~~~~~~~~!!!!!!!!!!

 全員インドアで、海もプールも山もハイキングも人混みも大嫌いなため、遊ぶといってもひたすらに喋り倒すだけである。でもほんと、エグい頻度で会っているにも関わらず、話が毎回面白いのだ。

 最近1番笑ったのは、酒豪の友人が「無職で金がなかったから、父親の大五郎(4リットルくらいの焼酎)を盗んで飲んでいたら、油性ペンで線を引かれるようになった」というものだ。
 そんなちびまるこちゃんみたいな世界線がこの世に存在するんだね。

 これからも私と仲良くしてね。大好きだよ友人たち。


節約に苦戦する


 まぁしかし、無職。
 何が1番心配なのかって、そりゃもちろんお金である。

 元々あまりお金を使う性格ではないことと、5年間ボロ雑巾のように働いていたので、そこそこ貯金はあった。
 まぁ暫くは無職できるやろって簡単に思ったら、とんでもない金額が税金に持って行かれることがわかった。

 なぜ!! なぜこんなか弱い無職からそんなに持っていくのだ!!!!!!(もののけ姫風)

 先週は住民税に15万も持っていかれて、暫く「ポメラニアンになりたい…………」と泣いた。29歳がやる行動じゃないと思う。
 なぜ息をしているだけで15万も取るの……? 私が最近買った1番高い買い物は、1回400円のハリーポッターのガチャガチャだというのに……(5回やった)

 そんな訳で、これからは細かなお金でも節約をしなければいけないのである。
 外食は極力減らして、基本は自炊。もともと料理は好きなので、これはそんなに苦ではなかった。しかし、食器洗いが死ぬほど嫌いなので、食べた後は6時間くらい見て見ぬふりをしている。早くやれ。

 家計簿を見ると、1番かかるのはやはり交際費なので、お高い場所に誘われたときは、正直に理由を話して断ったりもした。でも、その中で嬉しかったのは、花子(仮名)の存在。

 花子はいわゆるキャリアウーマンで、何で私と友達をやってくれているんだろうってくらい、しっかりとした性格だ。
 遊びに誘ってくれるのだが、いつもお店が高級なところが多く、花子と遊ぶと諭吉がいつも何人か消えてしまうのだった。

 今回、無職になって。花子は「奢るよ!」と言ってくれたのだが、私が正直にお金のことを話すと、「じゃ、サイゼリヤ行こうよ」と言ってくれた。ええええええ!?!??! 花子が、サイゼ!?!?!?!!?!!!

 本当にいいのかと話したら、「いいよ。あんたと遊びたいんだよ」と言ってくれて、それからはサイゼで遊ぶことが増えた。凄く嬉しい。
 もしかしたら花子にとってはいろいろと思うことはあるのかもしれないけど、それでも。花子が私を思って、お互いが楽しい時間を過ごすために寄り添ってくれたことがとても幸せなのである。

 あと、花子が「サイゼのワインって、美味しいんだね」と言ってくれたことも、嬉しい。サイゼ、ありがとう。愛してるよ。
 なーーんだ、私達、もっと話していけばよかったね。これから、もっともっと仲良くなれちゃうね。

 食費、交際費は、これで割と減らせた。
 で、次は何を節約しようかって思ったとき、交通費が思い浮かんだ。歩ける場所は歩いて行こうと考えたのだ。
 徒歩1時間くらいなら、もう電車は使わずに歩いちゃおうって。あと、最近はレンタサイクルというものもある。30分までなら130円という安さである。お、いいね!!!

 そんな訳で、先日、初めてレンタサイクルを借りてみた。自転車に乗るなんて久しぶりだ~~! とワクワクで乗って、自分のアホさを実感したのである。

 まず、私はA駅に行きたかった。友人との待ち合わせがあったからだ。
 で、私の最寄り駅からA駅までは、電車だと10分ほど。180円だ。
 レンタサイクルだと、約20分で、130円。
 10分多くかかるけど、50円安くなる。さっそくやるぞ~~! と意気揚々にレンタサイクルを借りて乗り始めた。

 しかし、いつも電車で行く場所に自転車で行くということは、まぁもちろん、迷う。全然迷う。目的の返却駐輪場に到着したときには、既に130円で使える時間(30分)が、終了目前となっていた。

 やばいやばい、早く返却しなきゃ! でも、間に合って良かったな~~と思ったとき、どうやっても自転車が返却できない。エラーコードが表示されるのだ。

 な、なぜ!?!!?
 ちゃんと返却予約もしたのに!!!と思ったら、返却予約は30分が目前になるとリセットされる仕組みだったのだ。

 な、なんという!!!!!!!!!

 さらに悲しいことに、この駐輪場はもう満車であり、返したくても返せないということだった。
 まぁ仕方ないか、他の駐輪場に返却するか……と思い、別の返却駐輪場を調べると、1番近いところでここから25分かかる。
 さらに、30分を過ぎたら10分ごとに100円の追加料金がかかるというシステムだった。ガッテム!!!!!!!!

 結局、私は電車だと180円で行けたA駅に、レンタサイクルで追加料金を払いながら、友人との待ち合わせに遅刻しながら、430円を支払ったのだった。馬鹿!!!!!!!!!!!

 なんか、もう、ほんと、こういうことを上手くできる大人になりたい。


ジムに通ってみる


 いや節約の話をしといて、さっそく無駄遣いをしてんじゃねぇ。
 自分でもそう思ってるけど、無職になってから、ジムに通い始めた。

 なぜか。
 何故ってそりゃ、普通に太ったからである。

 通勤時間もなくなり、外に出なくなった。さらに、私は元々周りが引くくらいのインドア人間なので、ずーーーーーーーーーーーっと1人で家にいても何も苦痛ではない。むしろ楽しい。お酒を飲みながら本を読んだりするのが好き。ベッドでダラダラという時間こそが、この世で最も有意義な休日の過ごし方だ。

 でも、まぁ、好きな時間に寝て、食べて、ろくに運動もしないとなると、結果はもう明らかだった。何気なく体重計に乗ったら、過去最高記録を更新していた。目の錯覚かと思った。

や、痩せよう…………。

 固く、固く決意をした。
 そう、私は痩せるんだ。ほら、ユーチューブで痩せるダンスとかも調べちゃうんだから! なるほど、これをお気に入りに登録しておこう。
 ツイッターでも痩せる方法を投稿してる人がいる! お! いいね! ブックマークしておこうっと!!!たくさん知識を得た! ありがとうインターネッツ!!!!!

 で、満足して、結局何もやらない。

いややれよ!!!!!!!!!!!!!!

 って、そんなの私が1番わかっている。ただ、こんな怠惰の塊のような人間がダイエットなんて、そもそも前提がおかしいのである。

 私一人では、そんなの……無理!!!!できません!!!!!!!!!!

 と、いう訳で、潔く自分一人でのダイエットは早々に諦めた。もうこういうのは、プロだ。プロに任せた方が早い。
 家から少し歩いたところにジムが出来たのは知っていたので、さっそく入会してみたという訳である。

 しかし、入会したはいいものの、もう周りがムッキムキな人たちばかりで、私の場違い感が半端ない。
 みんなが80キロとかの負荷をかけて筋トレしている中、私はタンポポの綿毛のような負荷で筋トレをしている。舐めてんのか。
 あと、周りが「うおおおおお!!!」と大汗をかきながら腹筋をしている中、私は5回やるごとに休憩している。本当にごめんと思う。

 しかし、やらないよりは、やはりやった方が効果があるというもので。
 今日までのんびり続けているが、お陰様で体重は元に戻った。戻っただけで痩せてはない。

 あと、いっぱい汗かいた後に、ご褒美にカツ丼屋とか行ったりしている。意識の低さがヤバイ。でも、新しい世界に触れた気がして、のびのび楽しく過ごしています。

 最近、友達ってほどではないけど、更衣室でよく会うおばちゃんとちょっと仲良くなってきて、それも嬉しい。大人になってからでも、新しい人間関係っていうのは割と作れる。ここに行かなきゃ出会えなかった人だもんね。嬉しいね。

 ジムの人たちは、みんな良い人だ。ただ、最後にちょっと言わせて欲しい。

 最初の食事指導のときに、食事で気を付けていることは何かと質問されて、私は「好きなものを好きなだけ食べてます(^//^)」というアホ丸出しの返答をしてしまった。
 すると、トレーナーさんが私の会員名簿に「好きなものを好きなだけ食べる人」と記録に残したのだ。恥ずかしすぎる。
 それから毎回、トレーナーさんが変わっても、「好きなものを好きなだけ食べるんですね!」と含みのある笑顔で言われる。改善するから許してくれ…………と思いながら、今日も私はカツ丼を食べに行くのだった。


終わりに


 29歳で無職。まぁ、傍から聞いたら割と終わっているのかもしれない。
 働いていたときも、夢は無職です! と言ったら普通に引かれたし、「あんたこれからどうするの?」と、今でも月に3回は聞かれる。えへへ。

 この前、好きなラジオパーソナリティさんが主催した意識高めなミートアップに参加してみたら、参加者アンケートの職業の欄に『無職』なんて項目はそもそもなかったしね。そりゃそうよね。
 交流会のときも、「皆さんの目の前の課題はなんですか?」って聞かれて、周りが「顧客満足度」「昇進をする」と言ってる中、私は「昨夜から放置している食器洗い」としか思い浮かばなくて、ひたすら静かに微笑んでいた。(早く洗え)

 社会から根絶されてる感っていうのは、まぁ、あるにはある。でも、最近はあまり感じなくなった。というか、気にしなくなったのかもしれない。
 むしろ仕事を辞めたばかりの頃の方が酷かった。今回は明るいハッピーエッセイを書きたいので、何があったのかは書かないけど、たぶん普通に病んでいたんだと思う。

 でも今は、もうね、とにかくね、

 今は毎日たのしい~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!

本当に、これに尽きるのだ。

 無職になって、いじわるな職場の人にも会わなくてよくなって、月曜日を意識して休まなきゃいけないってこともなくなって。心の余裕はものすごく生まれたと思う。人の優しさが素直に嬉しいし、人に優しい人でいたいって、毎日すごく思う。

 今、この記事を読んでいて、辞めるのに勇気が出ない方、無職になったらこの世の終わりだと考えている人もいるかもしれない。
 でも、最後に言いたい。

無職、楽しいぞ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 一度、ゆっくりしてみてもいいのではないか。
 こっち側の世界は、あなたが思っているよりも、そんなに悪いものじゃない。
 「当たり前」から少し外れたこの生活は、毎日ハッピーで最高だ。

小浦れい


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