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魔法使いのような爪楊枝入れ

こんにちは。
oun Lab. ウユンビリゲです。

時代の変化や技術の革新によりデザインの有り方は日々変わり続けています。

そんな中、何十年もの間形を変えず長く売り続けられるロングセラーと呼ばれる製品も数多く存在します。
今回はそんなロングセラー製品であるALESSIのマジックバニーという爪楊枝入れを皆さんにご紹介します。

この製品はstefano giovannoni(ステファノ・ジョバンノーニ)によりデザインされ、1998年に登場して以来、今にいたるまで高い人気を誇るALESSIの代表作のひとつです。

1. 意匠

半透明の白いウサギと光沢のある黒いシルクハットのコントラストが可愛らしいウサギの存在を際立てています。

手品師のシルクハットの中から好奇心満々の表情でのぞいている姿は今にも飛び出してきそうな生き生きとした印象を受けます。

2. 機能

可愛いウサギのフィギュアに見えますが、実は機能的な側面が含まれています。
■ ウサギの耳は取手の役割を持ち、帽子の中に入ると頭の上半分が蓋の様に爪楊枝を全部隠してくれます。
■ ウサギの下には爪楊枝を入れる受け皿があります。
受け皿の壁にはテーパーが付けられており、爪楊枝を入れると取手が自然と外に広がる設計になっています。
それによって、ウサギを引き上げると帽子の中から爪楊枝がスムーズに出てきます。

■受け皿の下の部分に厚みを持たせているので、重心も低くなっています。
受け皿とウサギの頭の重さのバランスが保たれており、ウサギだけを立たせてもしっかりとした安定感があります。

3. 使い勝手

この製品を使った上で、メリットとデメリットをまとめておきます。
■メリット
・ウサギの耳を持って引き上げるだけで爪楊枝が出てくるので、使いやすい
・インテリアを彩るオブジェとしても使える
・遊び心にあふれたキャラクターが日常に華を添えてくれる

■デメリット
・特になし

4. コスパ

マジックバニーは1970年代から国際的なデザイナーや建築家等とコラボレーションを行ってきたイタリアの大手ハウスウェアメーカー「ALESSI」社の人気商品です。

定価が¥4,180と爪楊枝入れとして見れば高級ですが、メーカーの信頼性と巨匠デザイナーのアイデアとユーモアを上手く融合させたことで長くて楽しく使えるアイテムになっています。
贈り物としても大変人気があります。

5. oun view

ほとんどの場合、爪楊枝入れと言えば使う時しか目に入らないモノでしょう。

使う時の便利さと使っていない時の佇まいを両立させることを意識された結果、この製品が考えられたのだろうと解釈しています。

目に映る度にテンションが上がる見た目と、魔法使いのように爪楊枝が出せる仕組みは所有欲を満たしてくれる逸品です。

知らない人にウサギの耳を引いてもらうと、きっと驚きと共に素敵な笑顔も見られるでしょう。

6. まとめ

マジックバニーを初めて見たのはデザインを学び始めた学生の頃でした。

『なにこれ!』と驚きながらウサギの耳を持って引き上げたら爪楊枝がスーッと出てきた事に『これ面白い!』と思った瞬間、自然と周りの友人と感動を共有していました。
使い方が面白いと思う人もいれば、見た目が可愛いと思う人もいて、盛り上がったのは楽しい思い出です。

バウハウスから始まり、未だ尚続くモダンデザインの静謐(せいひつ)さとは違って、マジックバニーは使い手に積極的に声を掛けてくる魔法使いかのように感じました。

コミュニケーションの在り方が時代と共に変化しても、人と人をつなぐ媒体とも言えるこの製品の価値と魅力は、これからも変わる事なく受け継がれていくと思います。


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