見出し画像

#コルクラボマンガ専科 最終講義まとめ~講師陣のAI作画に対する評価とは?

半年間にわたる物語表現の講座「コルクラボマンガ専科」の講義もいよいよ最終回。卒業制作に対する先生方の講評をいただきました。自分の作品に対するコメントをここに残しておきます。

▼コミチから読むと、ごとう先生とズーニー先生の感想も読めるよ!
https://comici.jp/stories/e361f85a9fe78?page=1&s=1&viewMode=stream

ズーニー先生のコメント(コミチから転載)

まだ細菌やウイルスによる感染症の概念がなかった時代に、この概念を導き出し世に問うたゼンメルワイス。無知な私は、“手洗いの祖”くらいの認識しかなかったことを恥じ、この作品で大きく塗りかえられた。
 「ゼンメルワイスの発見」は、以降、妊産婦だけでなく全人類を感染症から守る大発見である。同時に、自分たち医療従事者が患者を死なせていた大罪を暴く大発見。いわば、

 医師の・医療の・科学の「希望」と「災い」の大発見。

この作品は、希望と災いの大発見に、医師たちが、病院組織が、ひいては医療・科学・世界が引き裂かれていく姿を見事に浮き彫りにしている。素晴らしいのは、このさまを、主人公の生々しい感情を通して追体験できることだ。ゼンメルワイスでなくあえて「イグナーツ」と呼び、フィクション仕立てにすることで、人間の感情が存分に表現されていて、苦しいほど揺さぶられる。
 200年近く前のこの題材が現在(いま)に生きる理由は2つある。
1つは言うまでもなく「コロナ禍」。感染症の時代であるということ。
もう1つは、一人の告発が職場・業界・ひいては社会の「希望と災い」両方になりうるということが、まさに日本でも現在進行形で起こっていることだ。
 あくまで一例としてあげるが、改ざん問題による元財務相職員の死について、記者が報道する。それは、二度と同じような死を出さないように、記者たちの・マスコミの・社会の希望である。と同時に、それは、隠蔽や印象操作に加担してきた、自分たち記者の・マスコミ業界の・ひいては社会の罪を暴く災いでもある。2022年には、自分たちテレビ業界が犯してきた罪を、自ら暴きながら、報道と社会の矛盾を世に問う、まさに希望と災いのドラマ「エルピス」が放映され強い反響を呼んだ。

これを世に問えばどうなる? 希望か、災いか?

2023年にもゼンメルワイス・イグナーツはいる。その人たちにも、それを受け入れる社会の方にも、ぜひ!この作品が届け!と願う。

ごとう先生のコメント(コミチから転載)

熱い想い、叫び、引き込まれて読みました!
まさに感情にフォーカスできていたと思います。思想や伝えたいこともあると思うけど、結局それをグッと引き込んで読ませるのは、感情が大事ですね。それができていて、心揺さぶられました。
物語の構成的にも対立構造をうまく使って、うまくいかないもどかしさや、それによる主人公を応援したいと読者に思わせることも成功しています。
みじんこさんの強みは、はっきりとした主張、言いたいことを世の中から見出していること、に一つあると思います。
その強みを活かすために、主人公以外のキャラクターにもそれぞれの過去に基づいたしっかり動機を持たせること、を今後意識してみてほしいです。
他の主張があることで、主人公の主張は引き立ちます。敵対する偉い先生はそういう意味でとても良かったです!
主人公以外のキャラクターが何を望んでいるのか、見出してみてほしいです。半年間おつかれさまでした!これからの作品作りも応援しています!

これに加えて講義のコメントでは

世の中に対して言いたいことを、史実の中からドラマになっていたり、訴えるべきものを見つけ出しているのが強みだと思った。
主張だけだとそれを訴えるだけの人になってしまうが、感情をもって、その主人公の気持ちがしっかり入ってるからこそ、伝わってくる。
一つの物語として共感を生むというのができている。
特に妻が死んだときに、自分が責められなかったという感情に、あ、そうなるんだという意外性が感じられた。
そういう感情に気づかされて、読者も感情に入り込める。
その上で、AIを駆使してやっているというのが見事だと思った。

佐渡島さんのコメント(講義から書き起こし)

これだけ難しいテーマをよく扱おうとしたなと。扱った上に、これだけの長さで分かるように描けたというのが、すごいと思う。まず、脚本力が相当あると思って素晴らしいと思った。
あと、AIで絵を描くのは、僕が知ってる他の人たちが使ってるAIだと、人物が一致しないとか、背景と人物がうまく当てはまらないとかで、これだけ思い通りの構図、マンガに使えるような構図とかっていうのができている人っていうのは見たことがない。だから、これAIと自分の手で描いたのとの組み合わせだと思うんだけど。そういう意味で作画のところも挑戦してるし、ストーリーも挑戦して、二重に挑戦してる。

(みじんこからキャラはAIのみだよ、とコメント。っていうか、絵は全部AIで一つも描いてません)
キャラは全部AIのみ? それでここまでやりきったんだね。構図まで含めて。それは相当AIの使い方がうまいなと思って、AIはあと1年もしたらもっともっとよくなるから、このみじんこさんの能力を使うと、みじんこさんは一人で週刊連載をできるようになってくんじゃないかと思って。

たぶんこの脚本を作ったりっていうところもAI(Chat GPT)が手伝ってくれるだろうから。最先端のマンガ家として大成功する可能性があるなと思うので、ぜひ。自分はこのツールの使い方について、業界のトップを走ってるんだという自負をもって、いろんな挑戦をしていただければと思います。

みじんこの感想

AI作画に課金してよかったなぁ、、
最初はMeitu、Midjourney、Petalica Paint、クリスタの自動着彩機能などいろいろ使ってましたが、にじジャーニーを知ってから、にじ様ひとつに絞って全部描き直しをしました。同じアプリを使うことで、トンマナが統一できた感じですが、逆に言うと、このトンマナしか出せない可能性もあるので、他のトンマナの絵を出せるように、今後も研究できたらいいなとは思っていますー。

佐渡島さんに脚本がよかったって褒められたのがすごくうれしかったです!
ゼンメルワイスのことは、知ってからずっと、誰か物語にしてくれないかと思っていた医療史に残るとても重要な出来事だったので、自分なりに物語化できてよかったなと思います。

AI使いについては、手足指先は難しくても、もう少しキャラ統一できそうな方法は見つけたので、また次の話に生かしていきたいなと思っています!

そんなわけで、めでたく卒業を迎えましたが、7期はまだ終わりません!来週末、リアル展示会をやります!

コルクラボマンガ専科7期卒業展示会「挑戦」

会期:2023年3月25日(土)から4月3日(月)まで
予約:2023年3月26日、4月2日は完全予約制 / 予約はTwitter@mijin_combiまで
オープニング:2023年3月25日(土)15:00 ~ 17:45
時間:10:00~18:00(3月25日は15:00 ~ 18:00、4月3日は16:00まで
会場:GARDE Gallery (東京都港区南青山5-2-1 ALLIANCEビル4F)
入場:無料

オープニングの土曜日は、作家さんも多く集まるので、ぜひ会場にいらっしゃれる方はお越しいただけるとうれしいです!

日曜の予約先・みじんこTwitterはこちら。


ここまで読んでくださってありがとうございます! スキしたりフォローしたり、シェアしてくれることが、とてもとても励みになっています!