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ANDARTで公開予定の作品解説~世界の都市を色と音とカタチで表現する

アートの共同所有プラットフォームANDARTが、2020年からアート販売も始めたようで、サイトに掲載していただけることになりました。

主要株主がサイバーエージェントの方だったり、幻冬舎の見城さん、standFMの綾太郎さん、アルCTOの和田さんだったりしてるとこがとても気になってたり。

ちょうどマンガサイトを運営してるアルが00:00 Studioというクリエイターの作業中の様子をライブ配信できるサービスを始めたんですね。

せっかくなので、制作作業を配信しつつプロモーションもできたらな、と思いまして、まだ作品販売はしてないのですが、先にプロモーションページをつくってもらった感じです。

制作過程はこちら。

掲載してるアーティストが制作始めてる様子を一覧で見ながら、作成中に作品が売れるとすごくありがたいとアーティスト目線では思っています。お客さんとしてもライブで作品制作の様子が見られて、制作経過を見てたやつが送られてくると、愛着がもっと湧くような気がしています。

社会が得た利益が社会に属するみんなに還元されるということ

ANDARTに出そうと思って準備中の作品は「パサデナ」と「倉敷」の2点です。現在、自分がテーマにしてるのは、社会を癒して社会から自分たちも癒されるという関係(社会治療)です。

日本はすごく安全な国なんですが、安全性の高さって日本で暮らすみんなでつくっていて、みんなが享受できてることなんですよね。Amazonの置き配とか、アメリカだったら即盗まれている気がします。

ブラジルのサンパウロでは、お金持ちの人は周辺道路を警備するために、24時間の警備員を私費で雇っていました。安全は日本ではタダだけど、コストがかかる国もいっぱいあります。安全にコストがかからないと、精神的にすごく楽になります。毎日まわりを警戒して生活していると、外を歩く時にぼんやりいろんなことを考えるってなかなかできないですから。

安全以外にもたぶん、みんなが恩恵を受けられることはいっぱいあって、自分が暮らす社会がみんなにとって暮らしやすいものになってるといいよねっていうのが社会治療(造語)です。今の私は、これを医療行為として考えているっていう感じです。

医療が個人に向いていたことから、個人を取り巻く環境ごと治療していくっていう視点です。この概念をアート作品として落とし込むにはどうしたらいいんだろうっていうのを考えているところです。

平面にするってなかなか難しいのですが、社会の声を表すものとして、今は色・形・道路などを考えています。それに日本のオノマトペ表現をのせて感覚的な言語としています。母音言語の日本人は、左脳で自然の音を感じ取っているという研究もあります。

このあたりでまとめられてましたが、

虫の声などの自然音を左脳で感じ取る=自然の音を言語として感じている→万物に神が宿るという神道に通じるのでは、という感じです。

物事には常に別の側面があるので、研究論文が完全に正しいかは私には分からないのですが、日本のオノマトペ表現の豊富さや、オノマトペの「感覚」を伝える力はすごいなーと思っています。

雨が、ぴたぴた降る

みたいに新しいオノマトペをつくっても、なんとなく分かりますしね。オノマトペって感覚成分を多く含んだ言語だなぁって思うのですが、小さい頃からオノマトペ表現になじんでいないと、なかなか共通認識できない部分もあるかもしれないと感じています。

日本語が話せる外国人でも、オノマトペはそこそこ難しい時があるみたいですし。

オノマトペを使った新作の制作手順

では、具体的に今回の作品の制作手順です。

まずは自分の撮った写真を用意します。こちらはロサンゼルスのパサデナというところ。初めて行った時に、あまりに美しくて天国かと思いました。

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この写真をシンプルな形と3色の色に分けます。ものすごく抽象化するんですね。その上に白い線で自分がモチーフにしている細胞の線画を描きます。目に見えない微細なものの象徴でもありますが、細胞の世界は私のアイデンティティーの一つとも言えます。

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とはいえ、このままだとうるさすぎるので、いったん線を奥にやろうと思ってちょっと色を重ねます。

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アクリル絵の具って、不透明のものと、半透明のものとがあるんですが、半透明を重ねたのにだいぶひどい感じになって、いそいで濡れタオルでこすり落としました。

そしたら逆にちょっとかすれたくらいでちょうどよくなったので、このまま文字を重ねていくことに。

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自分が行ったことのある場所なので、現地の様子を思い出し、現地で聞こえていたであろう微細な音を日本語に変えて書き留めます。

車の通る音、葉が揺れる音、自分が歩いている音とかです。この時に、「とことこ」とか「るんるん」とか気分を表すオノマトペだけど、音として実際に聞こえないようなのは使っていません。

全部、聴こえであろう音の日本語オノマトペ化です。自然音を文字起こしするっていう作業はそこそこ難しかったです。

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これにプラスして、英語の笑い声を入れています。HAHAHAHAHAがそうですね。この部分が社会治療の要素で、誰かの笑い声って周りにも伝染して幸せになるよなぁっていう考えからきています。

社会のためになんかしろ!って言われてもたいがい無理ですが、笑うっていうのはシンプルに社会を癒す行為だなと思っています。

特定の言語は、それを理解できない国の人には分からなくなるというりゆうで、作品に文字は使っていませんでした。

でも、こちらの作品をつくらせてもらった時に、文字の「アテンション」の力がすごいなぁって思ったんです。

文字があると、なんか読んじゃうんですよね。文字だ、と思って読もうとしてしまうのは、文字がもともと誰かに伝達するものとして生まれたもので、本来的に他者に呼びかける力があるからなのかもと考え始めました。

また、日本語で描いて読めない人がいたとしても、周りで誰かが解説してあげられればいいので、そっちのほうが自分がテーマとしている「社会治療」を表現するには適しているかもしれないと考え始めました。

文字をぎっしり並べているのは、顕微鏡で見た世界をイメージしている感じです。血液とかをささっと顕微鏡で見る時って、血球はあんまり重なり合わずに(重なり合いすぎていると病気の可能性が高い)、平たく並ぶんです。

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そんな感じで、リアルの都市、そこで聞こえる音、その都市で使われているだろう笑い声、色、形を抽象的に表したのがこちらの作品になります。

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倉敷のほうも同じ手順でつくっています。線画の線が濃すぎて、めちゃくちゃ消したんですが、、

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文字を乗せた後でやっぱり気になるので

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一度さらに色を乗せて全体を消して、

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これから文字をまた乗せて様子みようかなというところです。

順調にできあがれば、今日中には写真撮ってANDARTに提出予定です。遅くても明日の日曜日中にはデータ送りたいなぁって思ってます。

そんなわけで、近いうちにこちらで販売されると思うので、ANDARTのほうもぜひチェックしてみてください!(正確には、販売サービスのほうはYOU ANDARTっていう名前になっています)

制作作業は00:00 Studioでライブ公開してることが多いので、のぞきにきてくださいませ。

アート制作って1つの作品ができあがるまで、けっこう時間がかかると思うんですよね。展示が3か月後で、完成品のみを公開していると、知ってもらうために発信する機会って本当に点にしかならないです。

私自身も、ふだんは圧倒的にアート制作にかけてる時間の方が多いんですが、文章のほうが公開が早いので周りから見たら文章を書いてる人にしか見えない気がするんですよね。

制作物を見れば、どのくらい時間をかけているかっていうのは想像がつきますが、想像させるってそこそこコストがかかります。また、自分はアートをつくる側なので想像しやすいですが、まったく知らない分野のクリエイティブについて、どのくらい大変なのか、どのくらい時間をかけてるのかって、ぶっちゃけ分からないですよね。

ピカソが自作の制作時間を自分の年齢と同じだって言ってたことがありましたが、作業中の様子をライブ配信することで、クリエイティブの価値が分かりやすくなるかもしれないですね。

気になる方はぜひ、クリエイター登録してみてください!おすすめですよ^^


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