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AI作画による医療マンガのためのステートメント

池袋アートギャザリング2023の二次審査に向けて、ステートメントを書き直したので、こちらに記録しておきます。二次審査の結果が告知されなければ、落ちたってことなので、そっとしておいてあげてください。

本作は手洗いの祖と呼ばれるイグナーツ・ゼンメルワイスを描いた医療ドラマである。細菌の存在が知られてなかった時代、医者は手を洗うことなく次々と患者を診ていた。
それが産婦の命を奪っていたことも知らずに…。

医師たちの助けたいという思いと、自分が殺していたという事実がぶつかり合った医療史に残る出来事を、フィクションを交えることでドラマチックに表現。過ちを断罪することが本当に未来をよくしていくのか。

近年はNFTやAIなど、さまざまな技術が台頭し、未来予測がつかない時代になっている。
新技術に夢中になって、誰かを傷つけることがあるかもしれない。それを罪だと断罪することはできる。しかし、お互いを許しながら、未来をより良い未来を模索していくことこそ、真に必要なことなのではないか。

本作は、にじジャーニーによるAI作画で描かれた作品であり、作者が手描きした部分はカキモジや効果などわずかな部分しかない。2023年4月現在、AI作画自体に著作権はない。ただ、この物語には作者の著作権は認められるはず。

作者は小説家になりたくてなれなかった。マンガ原作ならできるかと思い、ネームまでを自分で描いていたが、想いを的確に伝えるほどに描くには、
あまりにも画力が不足していた。そんな時に現れたAIは、描きたかった想いを伝える強力なパートナーとなってくれた。しかし同時に、AI作画により、努力して見事な絵を描けるようになった作家たちを傷つけるかもしれない。

作者にとって「希望」であったAI作画は、別の誰かにとっては「災い」になる。

「AI作画」というワードがなかったとしたら、読者はこの物語のどこに心動かされ、魅力を感じるだろうか。

AIを使う未来はもう確定事項のように感じる。
法整備も倫理観も整っていないからこそ、作品を通じて人類にとってより良い未来を、読者と共に話し合いたい。

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