「恐れに裏付けられた行動は、自分を間違った方向に導いてしまうからね」の話
「怖れというものの本当の恐ろしさを、私たちは意外と認識していないかもしれない」
老人はカップに鮮やかな色の紅茶を注ぎながら言う。カップが紅茶で満たされるにつれ、室内にはフルーツの香りが広がっていく。
「怖れ、ですか?」
「そう。自分の行動の裏にあるのが怖れなのか、好奇心なのか。怖れが厄介なのは、自分で自分の怖れに気づかないことだ。でも怖れは、自分の人生の真実を静かに覆い隠してしまう」
口ではうまいこと言い訳したつもりで、実は単に自信がないからやらなかったこともたくさんある