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産みたくなるまで

妊娠した、と親しい人たちに報告するとよく驚かれた。実の親にすら「あなた達は子どもはいらないんだと思ってた」と言われたくらいだ。「欲しくない」と明言したつもりは無いけど、結婚して5年、夫は毎日終電後まで働き私は月に3-4回は国内外に出張し週末は趣味に飛び回り、一緒に食事を取るのは月に数回、という都会のDINKs生活を謳歌している様子からは子を持つ意欲が無さそうに見えたんだと思う。また我々の性格からも「うっかりできちゃった」ということも考え難く(私は何年もピルを服用していることを公言していたし)、周囲から見ると青天の霹靂だったようだ。

特に同じDINKsの友人や結婚を悩んでいるという年下の友人達からは「差し支えなければなぜ子を持とうと思ったのか聞かせてほしい」と直接聞かれて食事をしたりもした。なかでも面白かったのは聞きたいことがいろいろあるからzoom飲みしようとアジェンダを送ってきた友人。

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彼女は弁護士なのだけど、さすがに質問が整理されている(笑)これを元に先方夫婦と4人でLINE通話をし、がっつり3時間ほど話しました。楽しかった。

ということで、想像以上に多くの人に「なんで???」と聞かれて説明するうちに自分の中でも気持ちを整理していくような妊娠期間だった。(私は友人の妊娠報告を受けても「なんで妊娠したいと思ったの?」と質問したことはないので、こんなに人に聞かれるとも思っていなかったけどw)そしてセンシティブな話題なので表立っては話さないけど、「現時点で積極的に子どもが欲しいわけではないが、一生欲しくないと決めているわけでもなく、かといって明確に時期を決めるきっかけもない」「夫婦/カップル仲は上手くいっているが、子どもについての同意形成はできていない」という同世代女性は意外と多いのだな、と気付いた。マシュマロでもそういう質問を本当にたくさん頂いたので、難しい話題だけど、出産する前に自分の一区切りとしても書いておこうかなと思った次第です。

先に断っておきますが(このマガジン全体に言えることだけど)読めば何か知識が得られるというものではなく、妊娠出産育児に対しての違う意見を否定する意図もありません。あくまで私個人の話、1サンプルと捉えていただければ。そしてこれは私の中でも完全に結論が出ている話ではなく、当然ながら実際に産み育ててみたら「思ってたのと全然違った!」となる可能性も大いにあるので(笑)「産んだらそんな甘いこと言えなくなる」とか「あの時ああ言ってたじゃん」みたいな批判はしないでね、心折れちゃうと思うから。前置きが長くなってしまった。それでは私の「子を産んでもいいかな〜」レベルが0→1になった話です。

自分のスタンス

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