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結論から話させる装置

GWのある日、警察官をしている友人から電話が来た。「久しぶり。バーベキューをするんだけど、お前も来るよな? ということで、もうお前の家に向かってます。食材は買っておいたから。宜しく。」 ピッ ? パトカーで向かってる? 意思表明のターンが与えられなかったけど、これは連行? 俺のこと、友達として誘ってくれてる? 大丈夫? 俺の家のこと「家」というより「家宅」と思ってない? 不安は募るばかりだが、ひとまず準備をすることにした。何を持っていこう。お金はどのくらい必要だろうか

色を見ろ

私は身長が低めだ。163センチ。同級生の女子より低いなんてこともザラである。 幼い頃からチビと言われすぎていたし、一時期は「矯正ホクロチビデブ出っ歯」という、悪口のバラエティパックみたいなあだ名が付いていたこともある。 それとはまた別に、あだ名がアグー豚、イベリコ豚、黒豚など各種の豚を転々としていた歴史まであり、どうせなら全てコンプリートしたいという想いから自分で「こういう豚はどうかな?」と提案したこともあった。しかし、世の中に豚は多すぎる。挫折した。 21歳にもなると

うどんを殺してしまう飲み会

飲み会が嫌いだ。 第一に、私は酒が飲めない。アルコール度数3%の酒でも、少し飲むだけで頭痛になってしまう。そもそも酒はかなり不味い。得がない。 さらに、酔った人間の多くはたがが外れる。たとえば、成人式後のクラス会では、酔った男女が肩を組んでいた。肩の肉に食い込むように。組むというより掴むに近い。触れるというより理解するに近い。 元クラスメイトの男女が確かめ合うように肩に手を置いている。そして私はそれを視認している。これほど悪い状況はない。 私はその場から逃れるために席

老婆心で言ってるんだけどね

アルバイトをしなければと思い、早朝に求人サイトで応募をした。先ほど、採用担当の方からメッセージが届いた。 はじめまして(中略) 面接の日時をご相談したいので、お手数ですがお電話を頂いても宜しいでしょうか?お時間はいつでも大丈夫です。よろしくお願い致します。 ちなみに、私が応募したのはいちご農家を手伝うアルバイトだ。というのも、私は些細なことですぐ心がズタズタになってしまうため、のどかな場所で心の落ち着く仕事がしたかった。 だから、メッセージが届いた時、心躍らずにはいられ

それは言語の敗北だから嫌だな

よく「文学部には変わり者が多い」と言うが、私の経験に基づけば、これはわりあい的を射ているのではないかと思う。 彼らの多くはいわゆる「本の虫」であった。本の虫と呼ばれる人間の特徴は、大きく分けて二つある。まずは ・読書(とりわけ文学作品)を愛している これは言うまでもないだろう。本の虫が、本を読まずに務まる訳がない。 さて、ここで多くの人は「それだけで本の虫と呼べるんじゃないの?」と思うかもしれない。本をたくさん読んでいる、それで十分ではないか、と。 だが、足りない。

幽霊の動機

はじめに、高校生だった私が大切にしていた言葉を紹介したい。この言葉に出会ってから私の人生は大きく変わったと言える。私の心の中にあった混沌を、うまく言語化してくれたような言葉。 それは、これだ。 千原「もうビックビクしながら家に帰るんですよ」 松本「でも、今まで(幽霊)見たことないんやろ?」 千原「いやいやいや、今日がその初めての日かもしれませんやん」 どうだろうか。 より具体的に問うならば、まるで孔子を引用するかのように千原ジュニアを引用する私、どうだろうか。 これ

脱・おもしれー女主義

ふーん おもしれー女 さて、「おもしれー女」について語る前に、今一度「おもしれー女」の構造を整理しておこう。 これが「おもしれ~女フローチャート」だ。必要ならば、各自ノートを取るといい 現在のダイナミズムを抽象化して示したこの図は、あらゆるシーンで活用できることだろう。株価変動、シンギュラリティ、第三次世界大戦。これらは近いうちに起こりうる変革の数々だが、あえて私はこのように言わせてもらおう。バチコイである おもしれー女ダイナミズムを理解すること、それは来たるべきビ

「邪魔だな」と思ったらダイヤモンドユカイだった話

先ほど、とあるイベントに出席していた。「出席」という表現はG20のような厳かな会議を思わせるが、実のところ、それは参加者に見境なく餃子を振舞うことを目的とした餃子至上主義的祭典、世に言うところの「餃子祭り」である。 そこでは様々な店舗が軒を連ねており、あらゆる餃子が食べられる。ひとつ言葉添えをしておこう。この餃子祭り、餃子ぱくぱくわいわいきゃっきゃっカーニバルだと思ったら大間違いである。会場を見た私はというと、無意識のうちに「ロッキン?」と口走っていた。人がごった返している

瞬間移動のおじさん

冷食の唐揚げを具にしたおにぎりが一番美味しいんですけど泣 と思っていた時期、これは私の人生においてもっとも愚かな時期ですが、よく友人とゴムボールで野球をやっていました。 かなり狭い公園でやっていたので、ホームランの当たりだとほぼ確実に奥の民家にゴムボールが入ってしまいました。が、先に述べたように、当時の私はもっとも愚かだったので「そんなところに民家を建てるなよ」と思っていました しかも、ゴムボールはかなり飛ぶので、ほぼ毎打席ホームランになります。その度に我々は、なぜかちょ

自転車の購入を検討している皆さんに

自転車って良いですよね 自転車の良いところいっぱい言いましょうか?いっぱいありますよ。速い、便利 さて、先日スポーツバイクを購入しました。とても嬉しかったので、友人を誘ってサイクリングに行くことにしました。 ところで私の実家は、かなり大きな高校と、その高校が所有する野球グラウンドの中間に位置しています。そのため夕方になると、運が悪ければ、学校からグラウンドへと向かう坊主の群れに遭遇します。 (a)自転車に乗った(b)体格の良い坊主が(c)エナメルバックをカゴに乗せた状

スタバってどのくらい滞在していいんですか?

スターバックスをかなりの頻度で利用していたら、スターバックス利用超人になってしまった 卓越した才能を持つ人間なら誰しも悩みを抱えている。プロ野球選手は明日届くかもしれない戦力外通告に怯えているし、一見華やかなミュージシャンですら心には葛藤を抱えている。才能ゆえの苦悩というものが、ある。 スターバックス利用超人も例外ではない。悲しいけれど、私も彼らと同じである。人間離れしたバッティングセンス、人間離れしたスター性。そして、人間離れした利用頻度 スターバックス利用における卓