【幻獣契約クリプトラクト妄想シリーズ】もしもクリプトの学園モノADVがあったら ~ティアナの決意~
妄想シリーズ第十弾!
昨日の続きになります。
リティシアの異変に気付いたシンシャはどんな行動を起こすのか…
以下、その続きです。
リティシアに詰め寄るシンシャ。
最初は口を紡ぐリティシアだったが、話すまでは帰さんとばかりの圧で迫ってくる彼女に、流石のリティシアも白状せざるを得ず、領主様のことを告げることになる。
話を聞いたシンシャは、最初は驚きを隠せなかったがすぐに冷静さを取り戻し、
「いったん落ち着きましょう」
と状況を整理する。
領主様に意中の人がいるのか否か…
まずはそこを確かめねばならない。
そこでシンシャは領主様の義妹で親友のスフィアに探りを入れる。
スフィアによると、意中の人がいるとは聞いたことがないとのこと。
念のため、シンシャは彼女に問う。
「…まさかスフィアはそんなことないよね?」
「えっ…えぇぇぇ!!?私が!?お義兄ちゃんを!?」
「うん」
「そそそそ、そんなことないよぅ!?」
「ホントに?」
「あるわけないでしょぉ!?」
「一緒に住んでるのに?」
「そりゃあ、カッコいいし頼りになるし困った時はすぐに助けてくれる私にとってヒーローみたいな人だけど…」
「おにいちゃんは私の大切な家族だもん」
「いつも私を守ってくれて頼りになるたった1人のお義兄ちゃん」
「だからね、私もティアナとお義兄ちゃんに幸せになって欲しいの」
「私に手伝えることがあるならなんでもするよ!」
と協力的なスフィア。
続けて彼女は告げる。
「そういえば、夏休みにウチのお父さんとお母さんがトウドでお祭りがあるから遊びおいで~なんて話ししてたっけ?」
「トウドのお祭りでは浴衣ってのを着る文化があるみたいで…あった!こんなの!」
と両親から送られてきた浴衣の写真を見せるスフィア。
「この浴衣を着て夜になると花火っていうのを見るのがトウドの風習みたいだよ」
「この花火が夜空に咲く大きなお花みたいでとってもキレイなんだって」
「それよ!」
「えっ、何が!?」
「私たちもトウドに行くわ。ティアナにその浴衣を着せて領主様にアタックさせるのよ!」
「確かにティアなら浴衣とっても似合いそうだよね。でもどうやっていくの?」
「そこはリティシア先生に頼んでなんとかするわよ!このこと領主様には黙っておいてね!」
「えっ、うん…それはいいけど…」
「ティアナの浴衣姿を魅せて今度こそ落としてやるわ…ッ!」
「なんか、目が怖いよシンシャ?」
その週末。
「ティアナ、ちょっとリティシア先生のとこに行きましょう?」
「え?いいけど、急にどうしたの?」
「詳しいことは向こうで説明するわ。まぁとにかく先生のとこにいきましょう?」
…
「ってことで、リティシア先生!私達をトウドに連れて行ってください!」
「はいぃ〜っ!どうしてそんなことになったの!?」
「シンシャ、私聞いてないよ?」
「実はかくかくしかじかで…」
ここでリティシアが隠していた領主様に関する全てをティアナにも打ち明ける
「なるほど、スフィアちゃんもこちらの協力者になってくれたわけね」
「まぁ一応、私も夏休みは貰ってるし行けないことはないけど…」
「ベルゼはお仕事どうだったっけ?」
「俺もその時期は休みだよ」
「じゃあ、いいじゃないですか!お願いします!」
「どうせ結婚してから禄に旅行も行けてないんでしょ?」
「いやまぁ、そう言われるとそうなんだけど…」
「ベルゼさんも、リティシア先生の浴衣姿見たくないですか!?」
「えっ!私も着るの!?」
「当然です!何言ってるんですか!」
「ねぇ、ベルゼも黙ってないでなんとか言ってよぉ」
「…見たい」
「え?」
「リティシアの浴衣姿、見てみたいな」
「ちょ、えっ!?」
「きっとすごく似合うと思う」
「シンシャの言う通り、結婚してから遠出なんてあまりさせてやれなかったからな。いい機会だしトウドに行ってみてもいいんじゃないか?」
「はぁ…ベルゼがそう言うなら…」
「やったぁ!」
「そ・の・代・わ・り!きちんと夏休みの課題は終わらせることが条件です!」
「えぇ~」
「えぇ~、じゃありません!やらないなら連れて行きませんからね!」
「わかった!わかったから!やります!やらせてください!」
「いいよね、ティアナ?」
「えっ、う、うん…」
「なら、いいわよ」
歓喜するシンシャとは対照的にどこか暗い表情をしているティアナ。
「ティアナ…どうしたの?先生がトウドまで連れてってくれるんだよ?」
「ティアナの浴衣姿を見たらあの領主様でもイチコロよ?」
しばらく黙っていたティアナだったが、重い口を開けて自らの思いを告げる。
「なんか、みんなにここまでやってもらって申し訳ないと言うか…」
「本当に私なんかが領主様の隣にいられるのかなって…」
「もしこれでダメだったらと思うと…怖くて…」
不安だったのだ。
領主様には自分以外にも魅力的な女性に囲まれている。
そんな彼を自分なんかで釣り合うのか?もっと素敵な女性と一緒にいた方が、領主様は幸せになれるんじゃないか?と。
そんな彼女の様子を見ていたシンシャが、決意を新たにしたような真剣な眼差しでティアナと向き合う。
「いい?ティアナ?よく聞いて?」
「確かに領主様の周りには、綺麗で可愛らしい女性がたくさんいるし、どの女の子も強敵でティアナがそう想う気持ちも分からなくもないわ」
「でも私はね、そんな女の子達が相手でもティアナが負けるはずないなって思うの」
「それはね、ティアナが領主様のことを本当に真剣に想っていて、彼のためならどんなことでも一生懸命に努力してきたことを知っているから…」
「何年も何年も頑張って来たことを知っているから…」
「その想いだけは、他のどんな女の子達よりも負けてるはずがないわ」
「だから、リティシア先生やベルゼさん、スフィアも協力してくれてるんだと思うの」
静かに頷くリティシアとベルゼ。
「それに、あなたが振られたら双子の私まで振られたみたいでなんか悔しいじゃない!?」
シンシャのこの言葉で少し自信を取り戻してきたティアナ。
しかし、まだ彼女の心のどこかに不安が残っていると感じたシンシャは最後にこう告げる。
「あなたならできる。双子の私が言うんだもの、間違いないわよ」
「もしそれでも自分を信じることが出来ないなら…私を信じて。あなたを応援している私達を信じて。あなたを信じる私達を信じなさい!」
「ティアナなら、きっと大丈夫だから…ね?」
そう優しく微笑みかけるシンシャに、ようやく決意を固めたティアナ。
「みんなありがとう…」
「不安がないっていえば嘘になるけど…でも私、みんなのこと信じてるから」
「私、がんばってみるよ!」
こうして、リティシア・ベルゼ夫婦引率の元、舞台はトウドへと移ることとなる…
リティシアさんの話を膨らませようとしたら、なぜかティアナルートに突入しちゃいました。
続きもぼんやりと考えておりますので、近日中に公開できればと思っています。
今回の内容は以上となります!
最後までお付き合い頂きありがとうございました!