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フィギュアスケートファンの皆様へ

男子新体操というスポーツをご存知でしょうか?

男子新体操は、フィギュアスケートとの共通点が多い競技です。キラキラ装飾のついた試合着で、個人は1分30秒、団体は3分間、激しいアクロバット(タンブリング)を含む運動を行うスポーツです。

見た目とは裏腹に、地味な基礎練習や反復練習を来る日も来る日も行います。以前、あるスケーターがリンクでコンパルソリーの練習を繰り返している映像を見たことがあります。男子新体操も、地味な「基本徒手」と呼ばれる動きを何年も何年もやり続けて、ほんの束の間、マットの上で花開く…というスポーツです。スケートファンの皆様にはお分かりのように、ファンはその数分間に心揺さぶられ、時には涙が出るほどの感動を与えてもらえる、そういうスポーツです。

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全日本選手権で優勝したとしても、大手メディアではほとんど報道されません。大学を卒業すると、男子新体操を続けられる環境はほぼありません。国際大会も、オリンピックもありません。それでも彼らは、青春を賭けて競技に打ち込みます。

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ここ数日、スケートファンの皆様に、Twitterで多くの反響をいただいています。投稿に数百の「いいね」や「リツイート」。これは男子新体操の世界では、よほどのことがない限り起こり得ない数字です。日本独自のスポーツである男子新体操は、60年を超える長い間ずっと、国内でもほとんど知る人のいない超マイナースポーツであり続けてきました。

しかしここ数年の技術の向上、そして試合着の変化には目覚ましいものがあり、表現スポーツを愛する方々に自信を持って「見てください!」と言えるようになったと思っています。

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また、YouTubeにおける海外からの反響は大きく、「応援!男子新体操」のチャンネルには、1万7,000人を超えるチャンネル登録者がおり、世界中から絶賛のコメントが日々寄せられています。また、国士舘大学や青森大学、花園大学などのトップチームは海外でのイベントに招待されることもあり、その高い技術で世界を驚かせています。

スケート選手のタグを使わせていただくことは、実はかなり心苦しいものがあります。私は北海道育ちで、子供の頃は真駒内アイスアリーナで遊んでいた人間ですが、当時、男子のフィギュアスケーターといえば、佐野さん、五十嵐さん。今思えば、かなり地味な衣装で滑っておられたように記憶しています。今のように、スケーターが国民的スターになる時代ではありませんでした。

そのフィギュアスケート界(特に男子)が、ファンを増やし、メディアでの露出を増やし、押しも押されぬ今日の地位を築き上げたプロセスには、関係者やファンの皆様の努力とご苦労があったことと思います。スケーターのタグを利用することは、フィギュア界が苦労の末に成し遂げたことを都合よく利用するような、そんな行為に思えなくもありません。不快感を感じる方には、本当に申し訳ないです。

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男子新体操は、「崖っぷち」とよく言われます。これほどの歴史があっても、YouTubeでは毎日のように「なぜこのスポーツがオリンピックにないのか」とコメントが寄せられても、それでもやっぱり、男子新体操は超マイナースポーツなのです。「国際性がない」という理由で、国体から外れていた時期もありました。

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フィギュアスケートを愛する皆様、男子新体操を見つけてくれてありがとうございます。

男子新体操は、きっとこれからも発展していく競技です。心震わす演技が次々に出てくるでしょう。時々で構いませんので、男子新体操の世界をのぞいてみていただけませんか?


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