スクリーンショット_2019-09-27_16

三好静槻(みよし・しずき) 国士舘大学4年

写真があまりクリアなものでなくてすみません。ビデオの映像からのスクショなので、この解像度の低さです。ただ、この瞬間をどうしても切り取りたかった理由があります。

応援!男子新体操がインカレの撮影を始めたのは、2017年のことでした。その年の国士舘には、西江琢臣選手、吉村翔太選手、山口聖士郎選手といった実力者たちが揃っており、優勝した青森大学と激闘を繰り広げた末、惜しくも僅差で破れるというドラマチックな展開でした。決勝の演技をノーミスで終えた先輩たちを、涙でぐしゃぐしゃの顔になりながらフロアサイドで出迎えていたのが、まだ下級生だった三好選手でした。

昨年、ジャパン前に国士舘を取材させてもらった時、彼はA団体の補欠という立場でした。難しく、苦しい立場だと思います。「A団に入ることしか考えていません」と語っていた彼はしかし、今年の全日本インカレではB団体を率いる立場になっていました。

全日本インカレの予選では、大番狂わせが起こりました。国士舘のA団体にミスが出て、予選終了時点ではB団体の方が順位としては上になるという、誰もが予期しなかった状況でした。この時、A団体はもちろんのこと、B団体にも大きなプレッシャーがかかっていたことと思います。

決勝の演技は、国士舘のA団体が17.450、B団体が17.300。予選の持ち点を合わせれば、わずか0.0750という僅差でA団体がジャパン進出を決めました。B団体の演技が終わったあと、三好選手は客席にガッツポーズを送り、そしてやっぱり泣いていました。人目もはばからず男泣きに泣きながらアップゾーンに戻り、後輩と抱き合い、山田監督と握手していました。山田監督は彼の頭を「お疲れ様」と言うかのように、ポンポンとたたいてねぎらっていました。

人一倍気持ちの熱い彼は、クラブ選手権でも泣くのではないかと思っていました。しかし彼は泣かなかった。後輩達を気遣うように笑顔でねぎらう彼の姿を見た時、わずか4年の、しかし密度の濃い日々が、三好静槻というアスリートをどれほど成長させたかを垣間見る思いでした。

スクリーンショット 2019-09-27 16.58.30

そして、彼のかわりに、彼の後ろで後輩が泣いていました。
まるで2年前の三好選手が、先輩達のために熱い涙を流していたように。



大会や取材の交通費、その他経費に充てさせていただきます。皆様のお力添えのおかげで少しずつ成長できております。感謝です🙏