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中能登町を能登復興の起点にする

能登半島地震で奥能登地区(輪島市、珠洲市、能登町、穴水町)のみならず、中能登地区でも七尾市の被害は甚大なものがあったが、私が生まれ育った中能登町では家屋の倒壊、半壊はあったものの亡くなった人はいなかった。

3月に今年初めて中能登町に出張し、宮下町長から生家のある在所をご案内いただき、視察させていただいた。中能登町のみならず、能登全体のお話しもお聴きして、一段と能登への強い想いが湧き上がってきた。

4月からは、月に一度の頻度で能登と金沢に出張する予定だ。

[OUEN Japan]として何ができるだろうかを考える。
[OUEN COMPANY]で[TEAM OUEN NOTO]を組成して、能登復興の応援をしようと思う。

平成26年1月に、学生たちの応援団として[OUEN Japan]を設立したが、究極的には、ふるさと能登を応援することに辿り着いた。
私を応援してくださる皆さんのご協力を得て、ふるさと能登を応援することが[OUEN Japan]のミッションだったのだと思うと誠に感慨深いものがある。

能登復興の応援は、日本の過疎地全ての応援にもつながる。そのためにも、能登を過疎地活性化のモデルケースにしなければならない。その起点を中能登町にしたいと思う。

宮下町長から言われた。
「小林さんは71歳、私は72歳だ。お互い、これからの仕事が人生最後の仕事になるだろう。
小林さんが今まで培ってきた人脈やノウハウを、ふるさと能登、中能登町のために尽くすことを最後の仕事にしてほしい」と。

ふるさと能登を離れて56年になる。

ふるさとは遠きにありて思ふもの

中能登町は、半世紀以上前の面影が残っているところもあるが、やはり様変わりした印象が強い。
しかし、在所の人は私を見て、「酒屋の兄ちゃんか。そういえば、面影があるな」と嬉しいことを言ってくださる。
私は、そのふるさとのために恩返しをしなければならない。

昨日、中古本の『地方消滅』(増田寛也編著、2015年新書大賞)をAmazonで買い求めた。

[本の概要]
このままでは896の自治体が消滅しかねない――。
減少を続ける若年女性人口の予測から導き出された衝撃のデータである。

若者が子育て環境の悪い東京圏へ移動し続けた結果、日本は人口減少社会に突入した。多くの地方では、すでに高齢者すら減り始め、大都市では高齢者が激増してゆく。

豊富なデータをもとに日本の未来図を描き出し、地方に人々がとどまり、希望どおりに子どもを持てる社会へ変わるための戦略を考える。

[後回しできない衝撃的事実]

人口減少社会を論じたこの本の中で最も深く突きつけられたのは、日本人は撤退戦が下手という指摘だ。

「臭いものには蓋(ふた)」で、都合の悪いデータに対して最善の策を練るのではなく、飲み込んで後回しにする。太平洋戦争末期のことにとどまらない。夏休みの最終日、慌てて宿題に取りかかった経験はないか?

本書の題名は『地方消滅』。遠い先の話でも大げさな表現でもない。客観データに基づいた事実。

具体的には「2010年から40年までの間に『20〜39歳の女性人口』が5割以下に減少する市区町村数」が全国の自治体の約5割にのぼるというデータが根拠。数にして896自治体が存続の危機に立たされることになる。

本書がヒットしているのは、多くの人がその衝撃的な事実に顔を背けていられないという認識を持ったからだろう。

地方の人口減の一方で進行するのは、大都市への一極集中。これを受け入れる考え方もある。

実際、日本は田中角栄の時代以降、ばらまきや交付税で地方の延命に奔走してきた。本来であれば、都市化はもっと加速していたはずだ。人口集積は経済を活性化し、無駄な社会コストも切り捨てることができる。だが本書は都市化の未来も否定する。都市に人口を供給するのは地方。供給元の消滅が、やがて大都市部にも人口減をもたらす。

本書が提示する撤退戦の戦術は、地方の中核都市に「選択と集中」で雇用と公共サービスを割り振り、若者の流出を食い止めるというもの。裏を返せば、多くの自治体が消滅を突きつけられることは変わらない。

本書には、地方活性化の事例がいくつも挙げられているが、その事実だけは覆らない。撤退戦の苦手な国民がどうこの問題に対処すべきか。まずは事実を認め、向き合うことが初めの一歩だ。

この『地方消滅』で書かれている"消滅可能性都市"には、能登の9市町のなかでただ一つ中能登町は入っていないのだ。

また、半世紀前は、中能登町には外国人はほとんどいなかったが、今は工場勤めの中国人やベトナム人が300人以上暮らしているとか。
また、日本は少子化が著しいが中能登町は子育て制度が充実しており、11人の子だくさんの家庭もあるのだとか。

観光立国"能登"のなかで、私は、"何も誇れるものがない、何も魅力がない、中能登町"という印象を強く持っていた。
観光の面ではこれからさまざまな仕掛けが必要と思うが、「おっとどっこい」、中能登町は元気いっぱい、生き生きと頑張っているのだ。

この中能登町から、これからの過疎地の生き残りのありようを能登全体に拡げていこう。そして、能登の復興は日本の全ての過疎地のモデルケースになる。

私のミッションは、まさに、[OUEN Japan]のネーミングの通り、日本を応援する、過疎地を活性化する、そして、延いては日本を元気にすることだろう。
そうだ。"日本を元気にすることが、私の第二生のミッション"なのだ。

ちょうど、今日は4月1日、新年度のスタートの日だ。
新たな気持ちで、能登復興のため、能登を応援しよう。
[OUEN COMPANY]の皆さんの力を合わせて能登を応援しようと思う。

不動院重陽博愛居士
(俗名  小林 博重)




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