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グッド・ライフは人間関係

私にとって本は「心の友」であり、「メンター」でもある。私の読書は、「人生を如何に生きるか」をストレートに思考できる評論ばかりだが。

出口治明さん(ライフネット生命創業者、立命館アジア太平洋大学(APU)学長)は、「人×本×旅」の3つが人生における学びを提供してくれると仰る。
博覧強記の出口さんには遠く及ばないが、私も「人と本」から人生を学んでいる。

私は、日本橋での打ち合わせには日本橋丸善の3階にある喫茶店を利用することが多い。待ち合わせの前後に、1階と2階の書籍売り場をぶらぶらして、気に入った本を何冊か購入する。打ち合わせまでに時間があれば、喫茶店で購入した本を読んで時間を潰す。

日販が発表した2022年版「出版物販売額の実態」によると、書店ルートの販売額は8,343億円(前年比97.9%)、インターネットルートは2,808億円(前年比106.5%)。
購入ルートは書店からインターネットに移りつつあり、書店の店舗数も前年比△147店の8,642店に減少しているとか。

私は以前はインターネットでの購入が多かったが、最近は書店ばかりだ。
やはり、私はアナログ人間であり、文化の香りを感じながら、書店内をぶらつく楽しさを味わうことで、喜びを感じるようになった。これも歳のせいか。

過日の打ち合わせのおりも、丸善をぶらぶらして、『THE GOOD LIFE』(ロバート・ウォールディンガー、マーク・シュルツ著、児島修訳)〜幸せになるのに、遅すぎることはない〜を購入した。

『THE GOOD LIFE』

幸福な人生(グッド・ライフ)を送るために必要なものは何か?
その問いに対する答えは、「富」や「名声」ではなく意外なくらい、身近でありふれたものだった。

ハーバード大学による、84年にわたる史上最良の研究が解き明かした健康で幸せな人生を送る鍵・・・・・それは「よい人間関係」。

私は小学生の頃、卒業式で卒業生が歌う「仰げば尊し」の歌詞の「身を立て名を挙げ、やよ励めよ」が私のグッド・ライフをつくるんだと思い、そのような人生を生きようと思っていた。
東大→官僚→政治家、大会社の社長等、故郷に錦を飾ることはそのような道を歩いていくことだと、全く疑いもしなかった。

しかし、「人間何を成すために生まれてきたのか」「人生如何に生きるか」を考えるようになって、考え続けていると、「富」や「名声・名誉」は目指す「グッド・ライフ」ではないのではないか、その人の「生き方」、そのピュアさ、目指す理想・夢こそが「グッド・ライフ」なのだと思うようになった。
そのためには、何よりも「よい人間関係」が最大のポイントなのだろう。
そのためには、相手の心に思いを致す『恕の心』を持つことなのだろうと思う。

私がお付き合いする人たちは、老若男女全てに及ぶ。
老人からも、若者からも、男女を問わず、全ての人たちとのお付き合いから数多くのことを学ぶことができる。

ほとんどの人はオールラウンダーではないから、それぞれが先生であり生徒でもある。それでいて皆対等な関係だ。
人は、相手のことを思い遣る『恕の心』の片鱗でも持っていれば、お互い切磋琢磨することによって、その片鱗を大きくすることができるだろう。
付き合う人は、『恕の心』の片鱗がある人間かどうかなのだ。

まずは、心穏やかにすることだ。決して人と争うことをしないことだ。そして、争いになりそうだったら、しっかり距離を取って、その人とは付かず離れずの関係をつくることだ。敢えて敵をつくることはない。

私の座右の銘を思い起こそう。

敬天愛人
絶対積極
応援人生

ものごとの本質を究めるのに、争いは相応しくない。穏やかな心を持つことで本質は究められる。

不動院重陽博愛居士
(俗名  小林 博重)

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