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私の原点である"能登"

10年前の2014年に「地方消滅」〜東京一局集中が招く人口急減〜(増田寛也編著、中公新書)が発刊された。

この本の帯に書かれている。

このままでは896の自治体が消滅しかねないーーー。減少を続ける若年女性人口の予測から導き出された衝撃のデータである。若者が子育て環境の悪い東京圏へ移動し続けた結果、日本は人口減少社会に突入した。多くの地方では、すでに高齢者すら減り始め、大都市では高齢者が激増していく。豊富なデータをもとに日本の未来図を描き出し、地方に人々がとどまり、希望どおりに子どもを持てる社会へ変わるための戦略を考える。

町長は、超過疎地の能登地方でただ一つ、中能登町が「消滅可能性自治体」に入っていないことを切っ掛けとして、過疎地のモデル自治体を目指すのだと仰っている。
そのために、私に「ふるさとである中能登町、能登地方を応援していただきたい」と仰る。
そのように期待されて、それは光栄の限り、ありがたいお話しだ。人間、期待されれば「豚もおだてりゃ木にのぼる」ということだ。

能登半島地震と中能登町長の発破をいただいて、私のふるさと能登への潜在化していた想いは顕在化して、それは心奥から沸々と湧き上がってきたのだ。

中能登町から中能登地域へ
さらに奥能登地域へ
中能登町を、能登地方を、過疎地のモデルの地域にしていきたい

そして、「地方消滅」、「地方消滅〜創生戦略篇〜」、「人口減少時代の都市」、「日本の進む道」、「里山資本主義」、「進化する里山資本主義」、「人口減少×デザイン」という書籍をAmazonで買い求め、今、読み漁っているところだ。

そんな折、タイミングよく、4月24日に「人口戦略会議」が10年ぶりに、またまた「消滅可能性都市」ならぬ「消滅可能性自治体」を公表した。
10年前の896の「消滅可能性都市」は、744の「消滅可能性自治体」として減少したが、それは外国人流入による貢献であり、日本の少子化傾向は10年前よりも全く改善していない。むしろ悪くなっている。

住みやすい町、安心して子どもを育てられる町、働く職場がある町、さまざまな人たちが集まってくる町、皆んなが和気藹々・自由闊達に何でも語り合うことができる町。

人口減少は避けることはできない。それは大きな流れだ。それに逆らうことなく、その流れに棹差すことだ。人口減少を前提として、住民が「この町に生まれて良かった」と思える町づくりをすることだ。

子どもを産み育てるには、ゴミゴミした大都市よりも自然豊かな地方が良いに決まっている。それでも若い女性(のみならず男性も)は大都市に出ていく(私もその一人だった)。
もうそんな時代ではないだろう。

私の"レーゾンデートル"は何かと考える。

私が応援部に入部したのも、銀行に入社したのも、44歳で銀行を辞めたのも、[OUEN Japan]を設立したのも、全て"人が好きだったから"だ。"人と人のご縁を紡ぐお手伝いをしたかったから"だ。"アットホームな組織をつくりたかったから"だ。

義理と人情の世界で生きること、それの世界の中で自由奔放に生きることは幸せである。
お金は大切だが、お金よりもっと大切なものがあると思う価値観を大切にしたい。

それは、藻谷浩介さんが言うところの「里山資本主義」の中にこそある。

能登復興の応援は、その「里山資本主義」を目指すことだろう。
私が71年間拘って生きてきたことの集大成が「里山資本主義」の中にあり、それは私の「能登復興応援」であり、それは私の幸せである。

能登の里山里海は、日本で最初に"世界農業遺産"に指定された。その能登は私のふるさとであり、私の原点である。

金沢から"のと里山海道"で能登に行く。"七尾線"で能登に行く。
いずれもホッとする能登への心温まる"温かい道"だ。

今月、22日〜24日に能登と金沢と富山に出張する。

中能登町では、"道の駅""能登豚・能登牛"の見学、"能登上布"の織り体験、"織物デザインセンター"の見学、"若い外国人の皆さんが働いている職場"訪問、"古民家"での宿泊、"文化財や自然観光地"の見学等々、盛り沢山だ。

私は、あと何年人生を生きるのか、それは天のみぞ知ることだが、命ある限り、「ふるさと能登を応援していきたい。応援して生きたい」と心から思う。

不動院重陽博愛居士
(俗名  小林 博重)

[ 能登の里山里海について ]

「能登の里山里海」は、日本列島のほぼ中央に位置する石川県の北部、日本海に突き出た能登半島の4市5町に広がっています。
2011年6月、新潟県佐渡市の「トキと共生する佐渡の里山」とともに、国連食糧農業機関(FAO)により、日本で初めて世界農業遺産に認定されました。

世界農業遺産「能登の里山里海」

[ 世界農業遺産とは? ]
世界的に重要な農業地域を未来へ引き継いでいくため、国連食糧農業機関(FAO)により2002年に開始されました。
伝統的な農林漁法、伝統技術、農村文化や景観、生物多様性などを構成要素とした「地域システム」を認定し保全することを目指しており、正式にはGlobally Important Agricultural Heritage Systems(GIAHS:ジアス)といいます。

■里山とは
里山は、集落、農地、それらを取り巻く二次林、人工林、採草地、竹林、ため池などがモザイク状に組み合わさって形成され、人が適度に利用することで、豊かな自然が形成・維持されてきた地域です。
里山は、人の生活・生産活動の場であると同時に、多様な生きものの生息・生育空間ともなり、さらには地域固有の文化や景観も育むなど多様な価値を併せ持っています。

■里海とは
人が様々な海の恵みを得ながら生活するなど、人の暮らしと深い関わりを持つ沿岸域を里海と呼びます。里海は生産性が高く豊かな生態系を持ち、魚類の産卵場所や稚魚の生育場所など、海の生きものにとっても重要な場所です。




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