私より長生きしてほしい

死んでしまうかもしれない。

あまりにも現実味がなさすぎるのに、
いつも間近にある。

誰も悲しまないで欲しいから、
誰ともこれ以上一緒にいたくない。

思い出なんて、都合よく幸せだったものばかり切り取って、些細なことなどすぐに忘れてしまうくせに。

私は私でしかなくて、結局どんな関係であっても、私以外はみんな他人で。

何にもなれなかった私は、生きる意味をもう見つけられない。

もともと意味なんてなかったけど、若さとか夢とか希望とか無知とか、いろんなものに生かされてここまできた。

それらすらもう見える範囲にはなくて、あるのはあまりにもリアルな現実と世間の“普通”。

これからへの期待とこの先の苦しみへの恐怖を天秤にかけたら、わたしは今までそうやってきたみたいに、今回も逃げることを選ぶ。

そうこう考えていたって、どうにかなることも、することもないのに。

なんの意味もない苦しみや虚無でまた勝手に悲しくなる。

どうにか助けてほしいとか、頼りたくなる人に聞いてほしいとか、そんなことも思うけど、

弱さを見せたり、その人にまで苦しみを背負わせたりするかもしれないことを考えると、到底できるわけもなく。

私は死ぬかもしれないけど、あなたには私より長生きしてほしい。

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