髪を伸ばして良かったこと

中学生から働き始める頃まで、ずっとボブを保ってきた。

ここ数年で今がいちばん髪が長い。


シャンプー・トリートメント・コンディショナーに始まって、オイル・バーム・スタイリング剤...髪に塗るもの全て消費量が多くなるし、髪を乾かすのにもかなり時間がかかる。

多分もう少し伸ばしたら美容室だってロング料金になってしまうのかも。そもそもロングって、明確にどこからなんだろう?ミディアムとロングの差って何ですか?この差ってなんですか?(それは違う)

「好きな人がロングヘアの女の子がタイプだって言ってたの!」みたいな展開がなければ、髪を伸ばすメリットなんかひとつも無い!と昔は本気で思っていた。


私が中学生の頃からずっとボブにしていたのは、「ただでさえ性格が暗いんだから、髪が長かったら余計に暗く見える。髪くらい短くしておいた方が明るく見えていい」みたいに母に言われたのが大きい。

我ながら理由が悲しいけど、手入れもセットも楽だったから、それはそれで良かったのかな。

髪が長い=性格が暗いなんて図式、めちゃくちゃだな〜と今の私なら思えても、実際中学生の私はかなり暗い方だったように思うから、その言葉を真に受けて、そこから「暗いから髪を伸ばしてはダメ」だと思い込んだ。


化粧っ気も出てきて、中学生が遥か昔に感じるようになってようやく、髪を伸ばすようになった。長いのも似合うんだぞって思いたかった。伸ばしてみると案外自分で気に入っているし、長い髪に愛着が湧く。髪色も変えられるようになったからかな。真っ黒だと確かに重たいかもね。


最近になって、「これ、いつまで髪伸ばそうかな?もう切るべきかな〜」と母に言ってみた。返ってきた言葉が「長いの似合ってるから良いんじゃない?短いのより似合うと思う」だった。本当にびっくりした。

中学生のときに母から言われたことについて聞いてみたけど、覚えているようないないような反応で、まああんた暗かったし〜って言うんだもんな、無責任だ〜〜。母親って時々そういうところあるなあ。大好きだけど。

本当は人の意見なんて聞く必要なかったんだよね。でもまだ幼かったし、確かにまあ暗かったし、仕方がないけど随分と長いこと縛られちゃったよ。やっと14歳の自分にかかってた呪いが解けた気持ち。

でも、ボブの頃のちょっと幼い私も多分可愛かったよ。それはそれで良かった。当時は全然好きになれなかった自分だけど、今の私は割とあなたのこと、良いと思うよ。未熟だから可愛いかった。いまの私のことも、何年かあとの自分に肯定して欲しい。


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