見出し画像

小説を書く為に一歩踏み出したい(実践編)

今日はお休みだったので、朝からお酒を飲んだらいつの間にかこんな時間になっていました。

こんばんは未定です。

今回は先日の続き「小説を書くために一歩踏み出したい(実践編)」です。どうして今回の記事に至ったかはこちらに書いてありますので、暇なときにでも読んでください。

・はじめに

小説を書くのがむつかしいなら、まず文章を書く習慣をつけよう。ということで「一歩踏み出したい」に至りました。文章を載せる前に簡単な説明を書いていきます。

・時間は1時間
・設定は共通(今回は雨)
・お互い同じ時間から書き始める
・1時間後お互いの文章を送りあう

これから続けていくうちに設定が増えていくかもしれませんが、こんな感じです。説明はこの辺にして本題の文章に入ります。

・未定の文章「雨」

フロントガラスに落ちる水滴に1つづつ名前をつける。マーシャ、ペン太、大次郎、リカコ…次第に雨足が強くなり、さっき名前を付けたことによって存在した雨粒たちはワイパーに巻き込まれて消えてしまった。手持ち無沙汰になった京子は、タバコを吸って良いかの確認を取り小さく窓を開け、携帯灰皿を手にし煙草の火をつける。これから向かう先のことをぼんやりと思い浮かべては少しはにかむ練習をした。それをミラー越しに確認したのか「何か良いことでもありましたか」と尋ねられた。京子は最近起きた良いことを思い出すよう努めたが、結局曖昧に微笑み「そうですね」とだけ答えた。

それから少し間が空いて、信号待ちになったときに「いつも礼儀正しくて、愛想が良いと評判ですよ」と言われたので、京子はつい口から出そうになった言葉を飲み込み「せっかくだから楽しい方が良いですもんね」と答え煙草の火を消した。窓を閉め、またフロントガラスに目を向けたがもう名前をつけてあげる間も無く流れ落ちる雨に悲しくなり嫉妬した。水に流せればどんなに幸せだろうと思ってはみたが、どうにもならないと思い直し、そんな思いと一緒に柑橘系のタブレットを噛み砕いた。

天気が悪いと何となく頭が重くなり、景色の色味も失われるような気がして好きになれないが、雨に滲む街灯を目を細めてみることで、さらに輪郭が失われて行き、まるで暗闇に後光がさし、救いの手が差し伸べられるような感覚は好きだった。「あと5分くらいで着きますよ」という言葉を聞き、ハンドクリームとヘアフレグランスを鞄から取りだし、少量ずつ使った。さっき目を細めて見ていた景色が、急に色味を失った日常へと戻る。これが現実だ。

目的地に着き「そういえば、新しい傘を買ったんです。それが良いことでした」と京子は微笑んだ。名前をつけてあげられなかった雨粒たちを遮るように傘をさてして。

(書いたままを載せていますが、縦書きを想定し漢数字にしていたので、そこだけ表記を変更しています。)

・尾崎の文章「雨」

6月半ばの朝。いつも通り6時半に鳴る目覚ましより少し早めに目が覚め、酔っ払いのような千鳥足で風呂場に向かいシャワーを浴びる。そのまま制服に裾を通し一服タバコを吸いながらベランダの窓を見つめた。空は薄暗く、ポツポツという音が鳴り響いていた。ここ最近の東京は天気が悪く部屋からは生乾きの洗濯の匂いが絶えない。かといって、外に出たいという気持ちなんか尚更なかった。しかしこんな天気だから休みますなんて言える勇気もなく8時ピッタリのバスに乗った。サラリーマンの加齢臭や湿った靴の匂い、気にし過ぎのOLの香水の匂いが入り混じっていて、まるで地下鉄サリンのような車内で僕は窒息死しそうだった。バスが停まり、僕の前に親子が座った。可愛い合羽(かっぱ)に身を包み鼻をつまみこの地獄の空間を訴えるかのように母親を見つめていた。母親の方は自分の傘を丸めるのに必死になっていて彼女の視線には気づきはしなかった。「ママもアヤみたいに合羽(かっぱ)にすればいいじゃん」「いいの、ママは大人だから傘でいいの」と言った後に鼻をつまんだ娘の手をそっと下に降ろさせた。

(合羽のフリガナだけ私が付け足しました)

・さいごに

どうでしたか。感想として、1時間ってめっちゃ短いやんってなりました。まずどんな物語にしようかなから始まるのですが、めっちゃむつかしい。そもそも「雨」って幅が広すぎますよね。

初めの15分で、どんな物語にしようかということを考え、書き始めました。そして思いつくまま進め、最後の15分で何とか一区切りつけようとした。という感じです。

私は何とか区切りをつけることに尽力して、どういう状況なのかという説明を大幅にカットしたなという仕上がりになりました。尾崎はまだまだこれから物語が展開するよ。という所でタイムアップを迎えたという感じでした。

これめっちゃ楽しかったです。
自分が文章を書くのはもちろんですが、交換した文章を読んで、自分との違いがみえたり、新しい発見がすごくあります。次の課題点なんかも話し合ったりできるので、1人でコツコツ書き上げるのはむつかしいなという人におすすめです。

今回は2人でしましたが、人数を増やしたり全然知らない人ともしてみたいなと思いました。定期的にやっていこうと思いますので、またnoteにも上げていきますね。

今回も最後まで読んでくれてありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?