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<その6>海辺のインコ in 千葉 ①(見学編)

2022年6月末、千葉県のとある海辺の高層マンション周辺で、やや大きめの、ドがついて派手(失礼)なインコさんが何度か目撃されているのを、Twitterで目にするようになりました。どうもその子はその後、海の近くの林の中に居ついたようで、千葉県在住のアカウントさんがその後の目撃例について、整理してツイートしてくださっていました。

居ついているのなら捕獲できる可能性がありますが、そのインコさんの鳥種(Xとします)についてネットで調べると、「臆病・繊細・あまり懐かない」のようなことが書いてあり、居ついていても、捕獲は難しそうだなと思っていました。

2021年8月末の私の最初の捕獲経験以来、何かと相談に乗っていただいていた藤井ぴーこ師匠に、何気なくこのお話をしてみました。師匠は、「定期的に降りてくる場所があって、そこを特定できるなら、ホイホイ(※1)でいけるかも」と、おっしゃいました。偶然、そのお話をした日は、師匠が動物病院に行くタイミングだったので、師匠は、わざわざ獣医さんに、鳥種Xについて聞いてくださいました。そうしたら獣医さんから、「Xは臆病な鳥なので野生の子を捕まえるようなつもりでやるしかない」と言われたそうです。

ホイホイが使えるかどうかも分からない難しそうな現場ですが、居ついているのなら、珍しい種類だし、勉強のためにやっぱり一度見てみたいと思いました。しかし、調べてみたところ、私の住むところから現場まで、60キロぐらいあり、片道2時間以上かかる距離でした。

7月最初の週末、わざわざ遠出するか悩み、結局は行かずに、近隣のパトロールに行きました。

しかしその次の週に入って、Gさんというアカウントさんが、インコさんが地面にまで降りてきた写真を投稿なさっているのを拝見しました。それを見た時に、「あれ?ここまで近づける子なら、もしかしたら保護できるかもしれない」と思いました。そして、昨年の千葉県N市の時と同様に、「保護しないともったいない!」という気持ちが強くなってきました。

結局、この写真がきっかけになって、もし次の週末までこの子が捕獲されてなかったら、行こうと決意しました。ところが、この週の始めに、台風が来るかもしれないという予報が出て、いずれ大雨になりそうな雲行きになってきました。こうなると、インコさんの身が心配です。
週末まで待てないと判断した私は、ちょうど休みがとりやすい木曜日が曇りの予報だったので、思い切って仕事を休んで行ってみることにしました。

ただし、既に保護に向けて動いている人たちがいるのに、わざわざ越境して出しゃばっても、邪魔なだけじゃないのかなという心配がありました。なので、とりあえず毎日のように現場に足を運んでいるようにお見受けしたGさんに、DMで、行ってもいいかどうか確認を取りました。

幸いなことに、Gさんは快くOKしてくださいました。インコさんの出現する現場を見学させていただき、疲れたら海辺のカフェー!とかでオサレに休憩して、最後は趣味(`・ω・´)のサイクリングをしてこようという程度の軽い観光気分で、出かけることにしました。

ホイホイは、もしやるなら、鳥種Xサイズ(※2)だと、HOEI35角の使ってないやつを折りたたんで持って行かないといけないと思いました。でも、ホイホイは、できるかどうかも分からないし、ケージを持っていくと機動力がぐんと落ちてサイクリングできないかもしれないので(ここ重要)、とりあえず置いていくことにしました。
その代わりに一応、プラスチックのカゴは、万が一に備えてリュックに入れておきました。

当日はなるべく早く家を出たつもりでしたが、やはり遠く、現場に着いたのは11時近くでした。とりあえずインコさんが出現するという歩道を歩きながら、YouTubeで見つけておいた鳥種Xの鳴き声を流しました。車道を挟んで反対側の歩道から、Youtubeで聞いたのと同じような鳴き声が聞こえたような気がしましたが、すぐに聞こえなくなったので、願望を反映した空耳かもしれないと思いました。

そのまましばらくずっとYoutubeの鳴き声を流していました。しかし、スマホのバッテリーの減りが速くなって後々困るかなと思ったので、途中から口笛に切り替えました。笛なら充電が要らないですからね! 疲れるけど…。

へたくそなかすれた口笛を吹きながら、何度か歩道を行ったり来たりしているうちに、Gさんが木の棒で作ってくださった目印を見つけました。その目印のちょうど向かい側に、インコさんの「拠点」だという、藪への入り口がありました。

Gさんが分かりやすいように
つけてくれた目印

(でも結構分かりにくい(笑))

また歩道を行ったり来たりしていたら、荷物を持った人がやってくるのが見えました。荷物を歩道の隅っこにおいて、インコさんの「拠点」近くの藪の中に入っていたので、もしかしたらあの人がGさんかなと思い、藪の中に頭を突っ込んで声を掛けました。そしたら案の定Gさんで、Gさんも今日はまだインコさんは見つけていないとのことでした。

インコさんが比較的よくいる
「拠点」への入り口

とりあえずそれぞれでインコさんを探すことにし、Gさんが見つけたら連絡をくださるということで、お互いに別の場所を捜索し始めました。

捜索開始前に、Gさんは、インコさんの見つけ方を伝授してくださいました。

インコさんはだいたい、
①藪の中で木の葉っぱを食んでいる(高さはその時によってまちまちで、すごく高いところにいることもあれば、結構下のほうでハミハミしていることもある)

②木々の間や歩道を飛んでいる(ド派手な背中ですぐ分かる)
とのことでした。

インコさんはめちゃくちゃ派手なくせに、
木の上のほうにいると意外と見えなくて
探すのが大変です


1時間以上経ったでしょうか、結構長い時間全く見つけられず、鳴き声も聞こえず、せっかく時間と交通費をかけてきたのに会えないのか(T_T)と悲しくなり始めました。
疲労もあったので、海を見ながらたそがれた後、藪のほうに戻ろうとしたときに、GさんからDMが来て、「いました」と教えていただきました。

Gさんがいるほうに駆けつけたところ、Gさんが案内してくださって、インコさんが藪の上のほうで静かに葉っぱを食べているところが歩道から見えました。

私はインコさんの姿を一目確認できたことで満足し、わーい、来てよかった\(^o^)/と思いました。しかし、どうせなら、捕まえたい。捕まえる糸口をつかみたいと思って、その日は、オサレなカフェー!もサイクリングもキャンセルして、結局夕方まで藪周辺にいることにしました。

その後、私も藪の中に入ったりして、インコさんを見守っていたところ、Jさんという方がいらっしゃいました。
Jさんこそ、よく鳥種Xの目撃情報を整理してツイートしてくださってる方でした。Jさんは、スマホに、はっきり聞こえて使いやすい鳥種Xの鳴き声を入れていて、それを流しながらインコさんを見上げておられました。

しばらく、Gさん、Jさん、私と、交代で藪の中に出たり入ったりしていました。すると、そのうち、Gさんのお友だちのAさんが、大型の愛鳥さん同伴でいらっしゃいました。リアルインコなら種類は違っても反応するかなと興味深く見ていたら、その愛鳥さんがおとなしい子だったせいもあるのか、思ったより(というかほぼ全然)インコさんは反応していませんでした。

Aさんはコンビニで買ったらしい素煎りのミックスナッツを透明のプラスチックの皿にあけて、それをインコさんに見せながら、おいでおいでと優しく呼んでおられました(※3)。インコさんは相変わらず木の上にいましたが、本当にあと1メートルぐらいで手に届くような距離まで近づけた時もありました。Aさんは自ら木に登って距離を詰めたりもしていましたが、インコさんがそれ以上降りてくることはありませんでした。


☆ ☆ ☆

※1 「ホイホイ」とは、他の記事でも何度も出てくる噂の捕獲器「いんこホイホイ」の略称です。

※2 鳥種Xは結構大きな鳥さんでした。Wikiによると、全長32-37cm、体重約129gとなっています。オカメさんよりふたまわりぐらい大きな感じがします。

※3 大変どうでもいいのですが、この時に、近くの木の絶妙な高さの枝に、古いロープが引っかけてあって、はて、一体何に使ったのかなあ……と、かなり怖くなりました。

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