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<その6>海辺のインコ in 千葉 ②(接触編)

2022年7月7日の16時ぐらいだったと思うのですが、インコさんがどこかに飛んで見失ったことを契機にして、とりあえず解散することにしました。

インコさんは、鳴き声さえ発していてくれれば、居場所が分かりやすいのですが、最もよく現場にいらしているGさんとAさんが、「今日はあんまり鳴いてないよね」と語り合っておられました。
実際、この日はもう、手掛かりになる鳴き声が聞こえてきませんでした。

みなさん、それぞれ別の方向に歩き出して行きました。私は、まだ暗くはなかったので、もう少し海辺をウロウロしてから帰ろうと思いました。

駐車場が閉まっちゃう時間だからと、一番最初に現場を離れたJさんが、走って戻っていらっしゃいました。どうしたんだろうと思っていたら、息を切らしながら「あそこにインコさんがいる!」とおっしゃいました。
Jさんが案内する方向に、私も走ってついていくと、インコさんが、拠点から結構離れた場所にある、歩道脇の木にいました。

「ああー、こんなところに!」と思ってしばらく観察をしていたら、インコさんが飛んで、今度は、とある施設の敷地内にある、割と低い松の木の枝にとまりました。もう、Jさんも、Aさんも、Gさんも、みなさんお帰りで、私ひとりです。
あとちょっとで捕まえられそうな高さだったので、あー、これは、誰かに来てほしい! と強く思いました。

今回千葉まで出張したことは、スタンドプレーだと思われるのも嫌だし、特にツイートをする気はなかったのですが、ひとりじゃ無理!と思ったので、ヘルプー!とこの時に思わずツイートしてしまいました。
(しかし、どう考えても、実際にそれを見た千葉県在住の方が現場までいらっしゃれる確率なんてそうそう高くないですよね…)

この写真だとそういう風には見えませんが
一時は、小さい脚立さえあれば
届きそうな高さにいました


そのツイートをした後、しばらくしてから、インコさんがいる松の木の近くに、カラスが2、3羽やってきました。カラスが来たことによって、インコさんが飛んで、再び歩道脇の木に移動しました。インコさんは、そこでも、しばらく木の上で休んでいました。

私がインコさんに語りかけていたら、通行人のおじさまが話しかけていらしたので、立ち話をしながらインコさんを見守る形になりました。
するとまた不意に、インコさんが飛び立ちました。この時にちょうどとまった先が、なんと、ギリギリ私でも届きそうな高さのフェンスでした。

これはもしかしたら✨BIGチャンス到来✨かも!


私は左手に中型インコ用のおやつ(サフラワーや麻の実等のミックス)を入れて、ソロリソロリと近づいていきました。左手を上にかざして、インコさんにそれを見せたら、なんとインコさん、首を下に伸ばしてきて、サフラワーを1粒、私の手から食べました!!!!!

しかし、インコさんがとまっているのは、フェンスの上の有刺鉄線の一番上で、そこではまだ私の手が十分に届きません。
インコさんは、1粒食べ終わると、美味しかったのか、有刺鉄線を1段降りてきました。そこでまた左腕をググっと伸ばしてシードを見せると、また手のひらからサフラワーを1粒取って、食べました。それも食べ終わると、また1段と降りてきました!!

フェンスを降りるために、インコさんがちょうど下を向くような格好になった時、これならギリギリつかめるかもと思ってしまいました。
私は今まで2羽のインコさんを、手で包むようにしてつかんで捕獲したことがあります。それはどちらもセキセイさんで、今回の子とは全然大きさが違うのですが、今回の子も尾羽が長いし(※1)、ギリギリイケるのではないかと考えました。

〇〇ちゃん、△△ちゃん(※我が家の歴代インコの名前)、力を貸して~

と祈る気持ちで、何とかインコさんの背中に右手をかぶせようとしました。インコさんの背中に右手をかぶせて、自分の胸で受け止めれば、どうにか捕まえられるという計算でした。
そうしたら、私の動きの気配だけで、インコさんはたちまち飛んで、フェンスから少し離れた木の上にとまりました

あ”ーーーーー、めっちゃ惜しい。(←※自分的に)

もう少し辛抱して、確実に捕まえられる位置まで降りてくるのを待てばよかった!ちょっと高さがまだ高くて、捕まえるには不安定な位置だった!早まってしまった!(T_T)

なかなか手が届く高さに降りてこないインコさんが降りてきて、しかも手の上のシードを食べたんです。なのに、焦ったせいでそのチャンスを逃してしまいました! これは、とても苦い経験となりました(※2)。

千載一遇の大チャンスを逃した現場
インコさんはこのフェンスにとまった

この後、インコさんはまたどこかに飛んでしまい、見失いました。でも悔しくて帰るに帰れず、私は海辺で休んでいました。
そうしたら、しばらくして、インコさんの歌うような鳴き声がかすかに聞こえてきました。

声のする方に歩いていくと、インコさんは、浜辺から大通りの歩道へと降りていく抜け道の脇の薮にいました。私がさらに近づいて行くと、藪の奥の方に飛んでいくのが見えました。その飛ぶ背中を追いかけて行き、インコさんが木にとまったところで、インコさんに話しかけました。

私と一緒におうちに帰ろうよ。美味しいおやつもあるよ?お腹減ったでしょう?ねーねー、帰ろうよ

そうしたら、斜面になっている藪の下側から突然怒声が飛んできました。

そのあたりに、ブルーシートの住居があることを、認識はしていました。その時はラジオが結構な音量でかかっていたのですが、それでも私の声が聞こえたのでしょう。そこの住人の方の、お気に障ってしまったようです。

まだインコさんは同じ場所にいましたが、突然の怒声に恐怖を感じたので、私はおとなしくその場を離れる以外にありませんでした。そのうちインコさんの鳴き声自体も聞こえなくなってしまったので、諦めて帰ることにしました。

この日は、大チャンスを逃したことと、ブルーシートの住人に怒鳴られたショックで、落ち込みながら、帰途につきました。

☆ ☆ ☆

※1 ちょっとかわいそうですが、尾羽が長い場合、尾羽の根元を抑えて動きを止めて捕まえるということができます。尾羽が抜けちゃうこともあるかもしれませんが、捕獲できずに死んでしまうよりマシだと思っています。

※2 しかーし、その後、預かりさんのところで判明した事実があります。この子は、めっちゃ噛む!しかも噛みついたら放さないスッポンタイプでした! 私は多少噛まれて自分が怪我をしてでも捕まえる覚悟でしたが、さすがにスッポンタイプだと厳しいかもしれません(-_-;)
また、もしこの時に捕まえられたとしても、捕まえた後に一人だと、捕獲後の作業が難しかったことでしょう。何せこの子は馬鹿力…。
というわけで、今思えば、この時は捕まえられなくてむしろ良かったと言えそうです。

☆ ☆ ☆

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