見出し画像

<その6>海辺のインコ in 千葉 ③(観察編)

初日の感じからすると、鳥種Xを捕まえるのにあたって、ホイホイは難しいだろうなという印象を受けました。理由は、インコさんが日常的に地面に降りてくることがないからです。

Gさんに聞いたところ、「藪の奥で地面に降りているのが見えたことはあるが、自分が近くにいる時に地面に降りてきてくれたのはあのツイートの1度だけ」とおっしゃっていました。

ホイホイを使うには、とにかく地面に降りてきてもらうしかないのですが、このインコさんは、お食事をほとんど全部木の上で済ませてしまうようです。インコさんは、木の上で、白い蜘蛛の巣みたいなものを顔面につけながら、よく葉っぱをかじっていました。あれはいったい何だったのか。

後日調べてみたところ、白い蜘蛛の巣みたいなものは、おそらくアオバハゴロモ(※1)の幼虫から出る白い分泌物が、木の葉や枝についたものではないかと分かりました。現に、藪の中では、アオバハゴロモの幼虫らしき白い虫を、あちこちでたくさん見ました。

インコさんが実際に口に入れて栄養としていたのが虫のほうなのか、葉っぱそのものなのかは分かりません。ともかくインコさんは、葉をハミハミするか、実を食べるかで、お食事となさっていたようでした。

ホイホイができそうにない理由は、実はもう一つありました。それは、この子がよくいる藪の中が、斜面になっていたということです。よって、ホイホイが設置できません。

平らな歩道の隅の、ご迷惑にならない場所に餌付けをして、そこでホイホイすることは可能かもしれませんが、餌付けは、毎日現場に通って様子を見ながら行わねばならないものです。しかし一体それを誰がやるのでしょう?私は毎日は通えないし、そんなことをどなたかにお願いするのも申し訳ないです。

結論として、ホイホイを使うことはあきらめざるを得ませんでした。

2022年7月9日土曜、上記理由で、ホイホイは難しいと判断し、この日もケージは持たずに出かけることにしました。念のためのプラカゴも、持っていきませんでした。

着いて割とすぐ、通行人のサングラスのおじさまに声をかけられました。昨日もお会いし、少し立ち話をした方でした。

インコさんは日常的にこの歩道を往来する方々の間では、既にだいぶ認知されていて、数人の人間が、捕獲しようと通っていることもご存じです。この方は、この日も気さくにいろいろお話してくださいました。

右手はインコさんがいた藪
左手は片側2車線の大通り
歩道自体が広くて保護活動がしやすい

私は、昨日の怒声のことが気になっていたので、思い切ってこのおじさまにお伺いすることにしました。すると、「あの人はいつも一人で怒鳴っていて、この辺では有名」と教えていただきました。私は、自分だけが特別怒られたのではないと分かって安心しました。しかし、いずれにしても、ブルーシートの住居周辺の藪にインコさんが行った時には、捜索を中断したほうがよさそうです。

おじさまと立ち話をしているときだったか、お別れした後だったか、もはや忘れましたが、そのうち藪の中からインコさんの鳴き声が聞こえてきました。声のする方を探すと、インコさんが、保護に向けて動いているみなさんがおやつを置いておいた木の上にいました!

歩道から見るとこんな感じに
インコさんは出現するのでした

いつものようにこれでもかというほど虫よけスプレーをして、藪の中に入っていくと、インコさんが出迎えてくれました。

ジャーン!登場!

この状態で下から一生懸命呼びかけますが、ここより下には全く降りてきてくれませんでした。

木の股にみなさんが置いた
おやつがありました

その後見失って、一度お別れしたサングラスのおじさまに再度お会いしたタイミングで、またインコさんの鳴き声が聞こえてきました。

サングラスのおじさまは、お近くにお住まいなのか、さっきお会いした時には持っていらっしゃらなかった虫取り網を持って、私の後をついてきてくださいました。私は内心(´-`).。oO(虫取り網は無理だろうなあ)と思っておりましたが、捕獲のために一緒に行動してくださるお気持ちが嬉しくて、そのことについては特にお話しないまま、一緒にインコさんを追いかけました。

インコさんは、ブルーシートの住居のそばの藪の木の上で、楽しそうにしていました。あちゃー、よりによってここ?と思ったのですが、この時は、私だけではなくて、おじさまがいてくださったおかげなのか、住人からは怒声を浴びせられずに済みました。

なんかやたら楽しそうでした

その後インコさんは藪の奥に飛んで行ってしまい、見失ったタイミングでおじさまと別れました。そのあと私は海を見たりして休みつつ、時々インコさんの声を聞いてはそこに駆けつけるということを繰り返していました。インコさんは、この日は、歩道と海をつなぐ小径の周りに比較的長くいました。

この日インコさんがよくいた場所


私の目の前で💩しました

しかし、結局、特に進展がなく、一日、観察のみで終わってしまいました。悔しいけど今日もこれでさようなら。また来週来るしかないと、夕焼けの海を見ながら思いました。

保護のために通っておられる他の方々には、誰にもお会いしませんでした。

☆ ☆ ☆

※1 私は不勉強で虫に詳しくないので、この時には「アオバハゴロモ」という名前を存じ上げませんでした。のちにインコさんの捕獲に成功した時、インコさんのおでこに緑の小さな虫がついていたのですが、Aさんがそれを見て、「アオバハゴロモ」という名前をすんなり出されたので、驚いた次第です。

☆ ☆ ☆

★続きはこちら↓★


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?