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万能感が肥大化すると…

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小心者の私にとって万能感に満ちた人を見ると
単純に「すごいなあ」と感動します。
困難にも怯まず、果敢に挑戦していく姿に圧倒されるからです。

ところが、そんなパワーの源「万能感」も
肥大化し過ぎると
”困ったさん”になってしまうようです。

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万能感が肥大すると

本書では、困ったさんの特徴を以下の5つあげています。(第一章より)
1.根底にある自己否定とそれを補うべく肥大した幼い万能感や誇大な願望
2.他者に対する非共感的態度、罪悪感の乏しさ、責任転嫁と自己正当化
3.現実感の乏しさや自己愛的な空想、解離的傾向
4.性格の二面性と突発的に出現する激しい怒りや攻撃性
5.安心感の乏しさ、傷つきやすさや傷つきへの囚われ

つまり、自信たっぷりに見える振る舞いや
現状からはとてもかけ離れた、大きすぎる願望は「自己否定感」を補うためのものだというのです。

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困ったさんは困っている人

自己否定感(=自分はダメだ)が大きいということは、とっても傷つきやすいということ。

他人の言動に敏感で、ちょっとした振る舞いに傷つき、それに対して到底そぐわないほどの、激しい怒りや攻撃を見せるのです。

しかも、突発的に怒り出すので、側にいる人は一体何が起きたのか、ただただ驚くばかり。しかも、その怒りの矛先は、親しい関係に限定されるので、周囲の人は気づかないことが多いのです。

問題が起こると、悪いのはあいつだ!あいつのせいでこうなった!と相手を責め立て、自己反省や罪悪感に苛まれるということはありません。これではちょっと•••いや、かなり関係を維持するのは大変です。

でも、じっくり観察してみると、まわりの大変さはご想像通りですが、実は、ご本人も相当苦しんでいるのです。何が問題なのかわからない、自分は正しいことしか言っていないのに、なぜわかってもらえないのかと、視点を自分から移すことなく、主張をくり返しますが、改善の兆しは現れない。
とても困っているのは確かなのです。

まさに「困った人」ではなく「困っている人」なのです。

困っているのなら、助けてあげる方法はないのでしょうか。その方法があるとするならば、このカラクリを解くしかありません。カラクリとは、「万能感」を「自己肯定感」に成熟させていく過程で、つまづいてしまっているというカラクリです。

万能感は、幼児の特徴の一つです。
「自分は何でもできる」
「自分はすごいんだ!」
と万能感に満ちることから人生をスタートさせます。やがて、少しずつ万能感をしぼませ
傷つきや不快に耐える力
頭を垂れて謙虚になる力
相手の立場に立って共感する力
相手を許す力を育てていくのです。
ところが、これらの力の獲得に失敗してしまうのです。それは一体なぜなのでしょう。

本の中では、愛情や関心が足りなかったか、あまりにも過保護に甘やかされたかだといいます。中でも、溺愛され、可哀想だからと守り過ぎることで、自分の非を省みるというレッスンがなされないまま大人になる。そうなると思い通りになる存在だけを理想化し、思う通りにならない存在を切り捨てるという、ものの見方・考え方のまま、温存させてしまうといいます。

なんとなく私が知っている限りでは、親御さんご自身も、ご夫妻のどちらかが同じような傷つきやすさを抱えていて、相手を許容することを極端に苦手とし、同じような生きにくさを抱えているなあと思うのです。
そうなると、夫婦が互いに満たされた感情は抱きにくく、中には子どもを溺愛することで、親自身の心の安定を保とうと、無意識にしてしまうのです。

謙虚になる、頭を垂れる、相手に敬意を払うというレッスンは、なんて大切なんだろうと思います。と同時に、私自身、子どもたちに、ちゃんと育ててあげられただろうか。自分の未熟さを棚に上げて、指先を相手に向けるのではなく、ちゃんと自分に向けられているだろうか、と考えてしまうのです。

成熟。
これからの時代、とても大事なテーマになることは、間違いないようです。

鶯千恭子(おうち きょうこ)

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