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人のせいにする人

誰でも自分の非を認めるというのは、楽なことではありません。
「自分が悪かった」と、みんなの前で素直に言える人は、人間が出来た人です。

ところが、悲しいことに
責任ある立場の人であっても、失敗や上手くいかなかったことを部下のせいにして、言い逃れをしたり、最悪なことに、責任を転嫁させる人がいます。

責任のある立場の人が
責任転嫁をして
責任から逃れようとする…。
そんな人に運悪く一度でも絡んでしまったら、たまったものではありません。

「人のせいにする人」に巻き込まれないためには、どうすればいいのかを考えてみたいと思います。

人のせいにする理由

「自分は悪くない」「全て相手が悪いんだ」という人には、理由があります。
それは「自分が悪かった」と思うことは苦痛を伴うので、それを避けようと、自己防衛に入っているのです。

自分の非を受け入れることで、自責の感情に襲われ、抑うつ的な気分になることが怖い。
苦痛から逃れようと、居丈高に相手を攻撃して、優越感に浸ることで、自分を守ろうとするのです。

これを、精神分析家メラニー・クラインは「躁的防御(そうてきぼうぎょ)」と呼びました。

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躁的防御(そうてきぼうぎょ)

躁的防御とは、どのような状態を指すのでしょう。ウィキペディアによると、以下のような説明がありました。

「自分の大切な対象を失ったり、傷つけたりしてしまったと感じた時に生じる、不安や抑うつ感などの不快な感情を、意識しなくするために行うもの。自分は万能で相手を支配できる、と思い込んだり、逆に、相手の価値をおとしめたりする。一見すると、誇大的で楽しそうに振舞うため『躁的』と呼ばれている」

窮地に陥っていても、大丈夫だと、大風呂敷を広げたり、どう見ても非があるのは明らかなのに、誰が聞いても「おかしい」と感じる理屈を、自信たっぷりに言い切るのは、実は自信のなさの裏返しなんだそうです。

賞賛されることで身を守る

もう一つの特徴は、3つの感情を持つことだそうです。

1.優越感(征服感)

他の人と比較し、自分は優れている、自分には価値がある、という認識を持つこと。自分が優れていると認識したいために、人と比べる。優越感は劣等感の裏返しで、本当は人が自分より秀でることに、恐怖を感じている状態。

2.支配感

人を支配できている、人を自分の意のままに動かしていると感じること。
支配感を求める人の行動特徴があったので、あげておきますね。

①自分の考えを押し付ける
②相手を束縛する
③相手が思う通りにならないとすぐにイライラする
④視野が狭く何でも自分が正しいと思っている
⑤支配できていると感じると安心し、優越感に浸れる
⑥負けず嫌いで、自分が勝つことにこだわる

3.軽蔑感

相手をいやしく、劣ったものとみなし、ばかにして、さげすむ感情に浸ること。

どれをとってみても『こんな人と、絶対に関わりたくない』と感じますね。
ところが、いつもいつも、そのような態度を見せるわけではないので、本質を見間違えてしまい、被害が拡大することもあるので、ややこしいようです。

心に余裕のある時は、ご機嫌で、人の好さを見せることもありますが、少しでも批判されたとか、思う通りにかない、と感じた時に、スイッチが容易に切り替わるのです。

ターゲットになるのは、自分より弱い立場の人。
子どもや妻、部下、後輩などがあげられ、弱い立場にいる彼らを支配することで、自己効力感を保ち、心のバランスを保っているのです。

関わらないこと

このようなタイプの人がいたら、とにかく関わらないことです。

私の周りにも、このようなタイプの人から被害を受けて苦労した人がいますが、執拗に絡んでくるので、それはそれは、本当に大変です。

ましてや、相手は自分は正しいことをしていると信じているので、議論にもなりません。
こういう人の場合は、とても視野が狭く、人との深い交流もありません。

なので、自分のものの見方や、考え方の偏狭さに気づくことは、とても難しいと考えた方がいいです。

不運にも、関わらなければならない状況になった場合は、自分を鍛えるチャンス!だと捉えてください。

「それは違います!」
「あなたが間違っています!」

と『NO!』を突き付ける勇気を、自分の中に大きく育てるチャンスだと、捉えるのです。

逃れられず、絡んでしまった時は、逃げずに立ち向かう勇気を育てるチャンス!と捉えられたら素晴らしいです。

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子ども時代に出来ること

カラクリがわかると、益々わが子を「人のせいにする大人」には育てたくない、と思いますよね。

人のせいにする人は、自分の非を受け入れられないほど、自信のない人です。
だとすれば、自分に自信が持てるように育ててあげればいいのです。

それには「よくできた時」にほめるのではなく、「うまくできなかった時」こそ、ほめてあげること。

失敗したけれど、最後までよくがんばったね!
ぐっと堪えてやり通したね!
泣く時間が短くなって、気持ちの立て直しが早くなったね!などなど。

そうやって、何かしらよいところを見つけて、ほめられて育った子は、決して「人のせいにする大人」にはなりません。

周りのことを想い、行動できる人になり、その結果、人から好かれ、いざという時は、必ず人が助けてくれる、そんな大人に育ちますよ。

鶯千恭子(おうち きょうこ)

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