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社会人となる娘へ

ワイナリーと温泉が一つになっている施設にやってきました❣️
洒落た本がずらりと並んでいて、自由に手にとって見てもいいし、館内はwifiが通っているので仕事も出来る、とても上質な空間になっています。

昨晩遅く、仕事を終えてから新幹線に乗り、娘の卒業に伴って、引越しの手伝いにやってきました。
彼女は、卒業式に着る袴姿に合わせて結い上げるために、長く伸ばしていた髪を役目を終えた翌日にバッサリとショートヘアにするために、行きつけの美容院へ。その間、私は一人温泉にやってきて、上質な時間を楽しみながら熱った身体を冷やし、ブログを書いています。

こういう時間の過ごし方を、すっかり忘れていたことに気づきました。上質な時間を堪能する。つまり感覚を研ぎ澄まして、広い空間の中で大好きな本に囲まれ「目」を喜ばせる。微かに聞こえてくるジャズの品の良いメロディに「耳」を喜ばせる。たまりません💕

桜アイスクリームとミルクアイスクリーム

さて、社会人となる娘にエールを送りたいと思いながら、どんな言葉がいいだろうと考えています。そして、社会人一年目として一歩を踏み出した頃の自分を思い出しました。

あの頃の私は、右も左も分からず、それはそれは不安だったけれど、それを上回るだけの希望に満ちていたように思います。ところが、ほどなくして、現実はそう甘くないということを思い知らされるのです。

理想とかけ離れた現実の厳しさに打ちのめされる日々。当時の私は、大学病院の外科病棟という、大学の中で一番多忙な環境でのデビューでしたから、次第に曜日や季節の感覚を失っていきました。もがきながら次のステップを懸命に模索していたあの頃。その時の学びは、生涯の宝物になっています。

恐らく、いや間違いなく、彼女も確実に壁にぶつかる。成長するということは、幾度も幾度も壁にぶつかって、乗り越えて、力をつけていくものだからです。自分を振り返ってみても、大変だったけれど、人の体のつくられ方の基礎を頭に叩き込むことができ、その学びは、今も私を支えてくれています。

人は、壁にぶつかる時こそ、成長している時。
ところが、その壁は、時に理不尽で、とんでもなく不条理だったりします。
決して自分の未熟さがだけが問題とも限らない。もっと根深いものが原因だったりすることもあるのです。

なんとかしたくて懸命にもがく。でも、どうにもならなくて、悔しくて仕方がない思いをしたり、情けなくて泣きたくなったり。
そんな時は、こんな風に考えてほしいなと思うのです。
問題が後を絶たないのは、もっと別に、解決しなければいけないものが存在するからかもしれないと。

単に自分の未熟さだけが問題なら、仕事を覚えればクリアされていきます。ところが、そうではなくて、別の大きな原因となるものが存在する場合、もっと別の考え方が必要です。

それは、問題の根源となっているものの正体を暴いて、整理するという考え方です。問題の根源とは、時に大きくこんがらがっていて、相当複雑にさせてしまっている、手付かずの厄介な何かです。それを紐解くのは、そう簡単ではありません。でも、必ず解く方法が存在します。それを手に入れるためには、生きた知恵が必要なのです。

仕事で感じる無力感は、理想に燃える社会人一年生だからこそ、ピンとくる違和感なのかもしれません。でも、知恵がないからモヤモヤとした思いに襲われる。「なんか変だぞ」と気づけても、力のない自分には何も出来ない。この無力感との闘いが、自分を苦しめる本質なのです。

それもそのはず、その手付かずの何かに手をかけて解決に挑むには、知識と、精神力と、仲間が必要だからです。この3つが揃ってこそ、生きた知恵になると思っています。なので今すぐではない。長期戦で、じっくりと知識を蓄え、折れそうになる心を鍛え、深く仲間とつながる練習が必要なのです。

つまり、力をつけるには、時間が必要だということ。だから、目の前の問題に対処しつつ、「この問題の本質はなんだろう」と、淡々と感情を揺らさずに、冷静に考えられるもう一人の自分を育てることも、同時に取り組まなければならないのです。

そう、視座を高くして、俯瞰して眺められる、もう一人の自分を育てる。
そこで、もう一人の自分づくりに必要なことを2つあげておきたいと思います。

一つは、いろんなことを「大好き」になる。
会社に惚れ込む。仲間を大好きになる。お客様を大切に思う。
どんな職場でも「真っ黒」ということはありません。なので、問題にばかり注目するのではなく、同じ分だけ、魅力あるいいところに注目する目を養うのです。そして、そこから目を離さないという訓練をしていきます。なぜなら、どこに注目するかで、相手から引き出されてくるものが変化するからです。そのコツを掴むのです。

もう一つは、ゴールイメージを持つこと。
10年後はどこに向かっていたいかというゴールイメージの輪郭をはっきり出来ればしめたもの。どんな事でも「肥やしになる」と思えるからです。
私の場合、壁にぶつかるたびに「今の自分は力がなさ過ぎて何も出来ないけれど、今に見ていろ、10年後の私は、こんなこと易々と超えてみせる」と何度も自分に言い聞かせていたものです(笑)。

■いいところを探し出して、そこから目を離さない。
■ゴールイメージを掴む。

この2つは、きっと仕事の面だけでなく、生涯に渡っていろんな問題を超えていく時に、きっと役に立つに違いないと思うのです。

鶯千恭子(おうち きょうこ)


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