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【セミナーレポート】次世代経営者にズバリ聞く!スマートな世代交代とは?

9/17(金)に開催したオンラインセミナーのレポートをお届けします!

今、多くの園で経営の世代交代が進んでいます。 事業継承はただでさえ大変なことですが、社会が大きく変化している今、引き継ぐ側も引き継がれる側もさまざまな迷いや悩みを抱えているのではないかと思います。

今回は、先代から経営を引き継ぐ立場にいらっしゃる先生2名をお迎えし、リアルな声をお聞きしながら、スマートな世代交代について考えました。勇気をもらえる言葉がもりだくさんです。ぜひ参考になさってください!

※こちらからセミナー動画をご覧いただけます。

【愛知県名古屋市 慶和幼稚園 理事長 伊東慶先生】(2分50秒〜)

伊東先生は大学卒業後、大手人材紹介会社に就職。3年間勤務したのちに慶和学園に事務として入職し、2015年に理事長に就任されました。慶和幼稚園が生まれたのは、なんと大正13年。伊東先生は4世代目だそうです。

園に入った当初は決まった仕事もなく困っていたという伊東先生。それでも自分の得意分野を生かして園をよりよくしようと、さまざまなことに挑戦されてきました。

こちらが、過去10年の慶和幼稚園の園児数・職員数などの推移です。

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伊東先生が特に力を入れてきたのが「働き方改革」です。上図の第2期には「jinjer」という勤怠管理システムを導入しました。

それまで職員の勤務時間はタイムカードで管理していたそうですが、誰がいつどれくらい働いているのかをリアルタイムで見ることができていませんでした。システムを導入し、勤務時間を可視化し数値化したことで、より柔軟に労働時間管理のできる変形労働時間制を導入することができ、1分単位での残業代を支給することができるようになったということです。

労働基準法では、1分単位での残業代を計算することが原則とされていますが、これを守ることのできている園さんは、あまり多くないかもしれません。ちなみに「jinjer」ではスマートフォンから有給休暇の申請もできるので、先生方は積極的に休暇が取得できるようになったそうです。

そして今、伊東先生は学年ごとの時間外勤務の労働時間数。施設・学年・職務ごとに時間外労働時間を集計し、月の時間外労働を10時間以内に収めるためにはどうしたらよいか、現場の先生とコミュニケーションを取りながら頑張っているとのことでした。このようなかたちで働き方改革を進められるのは、さすが人材業界ご出身という印象です。

そのほか、園児管理システムやICTカリキュラム「きっつ」の導入、コロナ禍での動画配信サービス「おうちえん」の活用やクラウドでの書類共有など、伊東先生ならではの感性と得意分野・経験を生かした業務改革に取り組まれています。

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【東京都清瀬市 きよせ幼稚園 主事 中村清人先生】(16分20秒〜)

中村先生は大学卒業後、きよせ幼稚園に入社されました。きよせ幼稚園では、中村先生のお父様が園長、お母様が副園長を務められています。

中村先生も園に入社してすぐは決まった職務がなく、バスの運転手や事務のお手伝いなどをされていたそうです。当時、園児数が減少傾向にあったことから、園児を増やすために何ができるかを自分なりに考えて「とにかくやってみる」ことを大切にし、いろいろなことに挑戦しながら自分の仕事を作っていかれたそうです。現在は園の人事・労務・会計などの業務に携わられています。

この3年は保育料・システムの改訂、園舎増改築・園庭改造に取り組まれてきました。

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中村先生のお話を聞いていて感じたのは、とにかく新しいことにどんどん挑戦されているな、ということです。もちろんそこには、「きよせ幼稚園らしい従来型保育のみなおし」という、しっかりとした軸があります。小さなことから大きなことまで、時代の変化に対してアンテナを張り続けているからこそ、これだけのことを行動に移せるのではないでしょうか。

コロナ禍で登園自粛となった際には、動画共有サービス「おうちえん」を活用し、自宅で過ごす子ども保育動画を毎日配信していたというきよせ幼稚園。ICTカリキュラム「きっつ」の教材も活用し、子どもたちと一体感を感じられるようなオンラインイベントも開催しました。詳細はこちらをご覧ください。

その後も、きよせ幼稚園は保育ドキュメンテーションや、運動会のライブ配信など、新しいことに挑戦し続けています。「苦手なことやできないことは周りの先生に頼りながら、でも信じて動き続けることで今の自分の立場を作ることができた」と中村先生。世代交代について、「これからの園をより良い方向へ進めていきたいという課題へ、先頭に立って考え向き合う覚悟をもつこと」だと語ってくださいました。

【フリートーク】(51分00秒〜)

今回のセミナーでは、参加者の皆さんに事前にアンケートを取らせていただいていました。世代交代について関心のあることをお聞きしたところ、次のような結果となりました。

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こちらのアンケートをもとに、フリートークを行いました。

・親や現場の先生がICT導入に否定的だったら、どうするか。
・他業種からいきなり園経営を担う立場となった場合、幼稚園教諭免許や保育士資格を取得した方がよいのか。
・親に主導権があって、やりたいことがなかなかできない。どうしたらよいか。
・いきなり園に入ることになり、何をしてよいかわからない。仕事に対するモチベーションの維持方法はどうしたらよいか。
・経営者として自信をつけるためにはどうしたらよいか。
・世襲以外の事業継承を考えることはあるか。

などなど、参加者の方にもフリートークに飛び入りしていただきながら、自由にお話をしました。園経営者のリアルな声を、ぜひ動画でご覧ください!

【まとめ】(1時間27分〜)

最後にスマートエデュケーション池谷から、セミナーの所感をお伝えしました。

組織のあり方は、そのときの社会の様相によって大きく変わります。ここ数年、ど社会の価値観が大きく変化する潮目にありますが、その変化はコロナ禍で急激に加速することとなりました。時代が大きく変わるなかでの世代交代は大変ではありますが、事業継承をする方は「これは自分たちにしかできない」と思って新しいことに取り組むことが大切ではないか、と池谷は語ります。

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ICT導入は変化を起こす「きっかけ」に過ぎません。失敗を恐れる気持ちもあるかもしれませんが、とにかくたくさんチャレンジすることが重要です。誰も「正解」を知らないこの時代だからこそ、とにかく挑戦の「打席数」をあげることが成功への道筋ではないか、と池谷は締めくくりました。

【番外編★参加者からの質問を、登壇者の先生に全部聞いてみました!】


セミナー時間内にお答えできなかった参加者からのご質問について、伊東先生、中村先生がご回答くださいました!内容盛りだくさんのぜひこちらの記事もご覧ください。

【次回予告】

次回のセミナーは、10/28(金)16:00〜 「効果があった!ドキュメンテーション 〜★保育園★編〜」です! 
保育園の事例紹介ですが、幼稚園さんのご参加も大歓迎です。ぜひ、ふるってお申し込みください!





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