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心を整える音楽~音楽療法の目線から~

前回、自己紹介をさせて頂いた「おうちおんがく」への想い。お読みくださった方、本当にありがとうございます^^。

さて今回は、「心を整える音楽」への想い。

私がいま、一番大切にしたい音楽は「心を整える音楽」。
言い換えると音楽療法の目線で、自分を癒すために奏でるピアノです。
そして「自分のために」と奏でたものを、他の方に共感していただけるという経験も数多くできています。とても有難いことです。

出会ったきっかけは、私自身の病気・手術からの体調不良な時期。
元々華やかな音楽が大好きだったのに、うるさくて、しんどくて、一切聴けなくなりました。その時の経験が、いまの暮らしに活きています。

1.「毎日の即興」で心を整えるひととき

毎日、暦生活さんの記事を読みながら、ピアノで即興する時間を取るようにしています。
そこで必ず、感覚がリセットされて、心整う感覚を持てるので、
とても大切なひとときになっています。
自分で自分に音楽療法、我ながらとても良い習慣を得たと思っています。

毎日の即興は、昨年1月7日に開始。お陰様で丸1年継続でき、2年目に突入。いまも毎日、楽しく継続できています。

即興のテーマ元にしている暦生活さんの記事は、毎日Twitter経由で見ています。

元々、日本の四季をテーマにした作曲や即興が好きでした。
当時は気が向いた時に、自分の知っている範囲で、たまに行う程度。

しかし、毎日即興を1年以上継続する中で、
どんなに忙しくても「心を整える」時間を意識してつくることは、
他の活動にとても良い影響を与えている
ということを、強く実感できるようになりました。長年音楽を続けてきてはじめての感覚です。

※(参考)このような投稿をツイッターで行っています。

2.「心を揺さぶる音楽」と「心整う音楽」

しつこくて恐縮ですが(笑)、私がいま、一番大切にしたい音楽は「心を整える音楽」です。音楽療法の目線で、自分自身のためにピアノを奏でる時間。

「スゴイ!」「カッコいい!」「感動した!」と言われる音楽は、一言で言うならば「心を揺さぶる音楽」だと思っています。舞台映えする音楽は、こちらであることが多いのではないかと。

舞台に立つ人は、身を削るように音楽をしている。趣味であっても、ついつい細部まで追求したくなってしまう。音楽は、それだけ人の心を惹き付けるものである分、自分が感じている以上に自分を酷使している面があるのではないでしょうか。

一方、「心揺さぶる音楽」に比べて、「心を整える音楽」に出会う機会はとても少ない気がしています。

これは自分の経験での範囲ですが、多くの音楽は、一瞬でグッと聴き手を惹き付けることを目的として創られているからなのだと思います。TVCMや映画音楽などの商業音楽だけでなく、趣味のピアノ発表会での選曲も同じような目線があると感じています。コンサートなどの舞台もそのように感じます。

一方、「心を整える音楽」はとても少ない。以前、病気・手術の後で体調を崩した際、自分なりに市販のリラクゼーション音楽を色々探しましたが、好みに合うものは見つけられませんでした。メロディーが強すぎたり、重ねている楽器の数が多かったり…。
結局、出回っている数が少ないから、好みな曲に出会える確率も低い。そんなことを感じました。

こうしたことがきっかけで、無いならば自分でやってみようと思い、オリジナルの即興を始めました。自分の気持ちが穏やかに落ち着くように、その場で音を探しながら弾いていく。最近、即興を始めてから丸6年経ったところです。自分のためにやってるものでしたが、気に入って下さる人に出会える幸運にも恵まれつつ、楽しく続けられています。

3.「おうちおんがく」…舞台でなく、日々の暮らしの中で気付く小さな幸せ

世の中の価値観として、音楽は「舞台映えするもの」「一瞬でグッと惹き付けるもの」が良しとされていると感じます。例えばストリートピアノでも華やかで力強くて「映える」音楽が好まれて演奏されている印象を受けます。

私は「心を揺さぶる音楽」はごくたまにでいい。聴くだけでも後々すごく疲れてしまう。日常的に触れていたい音楽は「心を整える音楽」。聴くのも創るのも。私がいま、一番大切にしたい音楽は「心を整える音楽」です。

自分の心が整うということもあるし、聴いて下さる方に穏やかさを共感して頂けることもある。演奏者の心境は音に表われると言いますが、演奏者自身が十分にリラックスしている状況は、音色の柔らかさに表われるのだと実感しています。

あなたにとって、一番大切にしたい音楽は何ですか?
もし、あなたがいまクラシックピアノの練習や流行りのJ-POPのカバーなどに取り組んでいて、"何だか報われない"と感じているならば、それは実は、本当にあなたが好きなものでは無いのかもしれない。注目されたい、褒められたい、そんな周りの目線を意識し過ぎているのかもしれない。

周りの評価は結果論。
まずは、自分が本当に好きな、本当に大切にしたいものを知ること。「自分を満たす」という目線で取り組んだものが、誰かの心に届くこともある。

まずは、自分を満たす音楽を。本心から自分が好きな音楽を。
そこに罪悪感を感じる必要はない。

音楽には「舞台映え」が求められていることが一般的だと感じていて、
そこに対する違和感が「おうちおんがく」という言葉に繋がりました。

こんな想いを持つようになり、気になるようになった言葉が
「大人のピアノ」。
次回は、この「大人のピアノ」という言葉について、想うところを書いてみたいと思います。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました!