騙されちゃダメ! 不動産の一括査定のデメリットを徹底解説!
ここにたどり着いた皆さんは、これから不動産を売却したい!と考えている方々ですよね。
不動産の売却ってどのような手順でおこなえばいいんだろう?と考えて検索してみると、
「無料で一括査定!」とか「希望地域の査定会社を一括チェック!」「わずか1分!」などの文言で一括査定のおすすめが出てきます。
タダより怖いものはないと言われますが、この一括査定はどうなのでしょう。
結論から言うと、無料と記載されている不動産一括査定サイトは、実際「無料」で利用できます。
不動産会社は査定をおこなうことで自社を選んでもらって、仲介手数料で利益を得ることができるからです。
すぐに結果が得られる便利なサイトではありますが、デメリットもあるということを知っておかないと、不動産の売却に多大なストレスを感じるようになったり、大失敗に終わったりする可能性もあります。
とはいえ、不動産一括査定は決して悪いものではありませんよ。むしろ、本気で売却を考えているなら、一度は利用してみてもよいと思います。
今回は不動産一括査定でデメリットになり得ることを詳しく解説します。これから利用する方々は、ぜひ最後まで目を通しておいてください。
監修者情報
1不動産一括査定の知っておくべきデメリット
不動産を1日でも早く、少しでも高く売却したいと考えるのは当然のことです。
ただ、「この不動産を売ってこれだけのお金を手にしたい!」という自分都合の希望を優先しようとすると、一括査定の利用がデメリットだらけになってしまう可能性があります。
一般的に不動産売却は、人生で何度も経験することではないし、フリマサイトで数千円の物品を売りに出すのとはわけが違うので、結果的に数百万円も損をしてしまった……など、後悔の度合いも大きいものです。
また、地域によって情報量にかなりの差が出てしまうこともあります。
1-1 相場を知らないと振りまわされる
不動産を売却する際、はじめに取り組まなければならないことは「売却したい不動産の相場の調査」です。何から手をつけたらいいかわからないから、とりあえず一括査定をしてみようという考えが一番危険です。自社を選んでほしくて、根拠のない高い査定額を提示する会社もありますよ。それを頭にいれておいてください。
相場を調べる方法としては、
レインズ・マーケット・インフォメーションを利用する
住所や駅からの距離、広さ、築年数などを入力すると、同地域の過去の取引事例が見られます。実際の取引に基づいたものですが、立地条件や物件の状態などによって金額差はあります。
不動産情報サイトで類似物件を探す
インターネットの情報サイトで、売却したい物件と条件が類似しているものがいくらで売りに出されているかを確認します。高い価格でも長期にわたって掲載されている場合は、その価格では売れにくいということですね。
同じ不動産でも、複数の不動産会社に査定依頼した場合、あたりまえのように300万円程度の金額差が出ると言われます。
売り出し価格は自由に決められるので、高い査定額をうのみにして依頼する不動産会社を決めてしまうと、長く掲載しても売れずに、どんどん価格を下げられる可能性もあるのです。
購入する側の気持ちになってみると、掲載期間が長くて価格がどんどん下がっていく物件は、訳ありなんじゃないかと疑ってしまいますよね。
フリマサイトなどでも、「〇〇円で出品すると△時間で売れた」などの過去のデータが一覧で表示され、それを参考に価格を決めることが多いでしょう。数百万円~数千万円のお金が動く不動産売却では、相場の調査、過去の取引事例などの情報はとても大切なのです。
1-2 営業エリア外の可能性あり
不動産一括査定サイトでは、そこに登録している不動産会社が査定をします。希望のエリアで、地域に根ざした小さな不動産会社が登録しているとは限らないのです。
大手の不動産会社は営業エリアが広いこともあり、そのような会社が査定をおこなってくれることもありますが、地域密着型の小さな不動産会社のほうが地域の顧客数が多く、売却に有利な場合もあります。
一括査定サイトでは、依頼したい不動産会社があったとしても選べない場合がある、という不自由さがあります。
その地域の情報に詳しいとされている不動産会社に心当たりがあるなら、直接依頼したほうがよいでしょう。
1-3 情報のないエリアがある
不動産一括査定サイトに登録している不動産会社は、エリアを決めて登録しているので、人口の少ない地域や不動産価格が下落している地域の場合、不動産会社が登録していないため、情報が得られないことがあります。
不動産一括査定サイトに登録して査定をおこなう場合、不動産会社はサイトに対して手数料を支払っています。そのため、売却活動に力を入れていないエリアの査定はおこなわないんですね。
そのようなエリアの物件こそ、地域に根ざした不動産会社に直接依頼したほうがよいのです。
2不動産一括査定に伴うリスク
先ほど、査定をする不動産会社はサイトに手数料を支払っているとお話ししましたが、不動産一括査定サイトがインターネット上にたくさん存在している理由はそこにあります。
そのしくみを知れば、これからお話しする利用者のリスクについても納得がいくはずです。無料だからと気軽に利用する前に、しくみとリスクについて知っておきましょう。
2-1 不動産一括査定のしくみ
不動産一括査定サイトは、不動産の売却を考えている人が、何軒もの不動産会社に直接問い合わせをする手間を省くためにつくられているサイトです。売却したい物件の情報を入力すると、複数の不動産会社に査定をしてもらうことができます。
一括査定サイトは、登録している不動産会社からの手数料によって運営されています。査定を依頼する側は無料で利用できますが、不動産会社は仲介契約が成立しなくても、査定をおこなう度に手数料を支払っています。
不動産会社としては、さまざまな媒体に広告を掲載するよりも効率よく顧客を獲得できるというメリットがあるんですね。
たとえその時点で売却する予定もないのに、興味本位で情報を入力しても、不動産会社は、売却希望者だと判断して、ずっと連絡してくる可能性があります。
2-2 実際に売れる価格と違うことが多い
そのようなしくみになっているので、不動産会社は数ある競合他社から選んでもらうためにさまざまなアピール方法を考えます。
複数の不動産会社が同時に査定していることはわかっているので、他社より少しでも高い査定額にしようと考えて、なかには100万円単位で上乗せした額を提示する会社もあります。
ここで注意すべきポイントは、不動産会社は「提示した査定額で売ってあげますよ」と約束しているわけではないということです。約束どころか、その額では売るつもりもないというケースもあります。
2-3 営業の電話が増える
不動産一括査定サイトを利用した人のなかには、情報を送信して10分後くらいに電話がかかってきてびっくりしたという事例もあります。
一括査定サイトでは、多くて5~6軒の会社に同時に査定を依頼できます。そこから一斉に電話がかかってくる可能性もあるということですね。
優先する連絡方法をメールにすることもできますが、依頼する際に電話番号の入力は必須になっていることがほとんどなので、ある程度は電話がかかってくると覚悟しておいたほうがよいと思います。
それをうまく利用して、その地域にどれだけ詳しい会社なのか、営業担当者の印象はどうかなどを判断できるようにしておきましょう。
ただ、この時間は電話をしないでほしいとはっきり断っているのに執拗にかけてくるような場合は、その後の付き合いもうまく行かないことがあるので、候補から外したほうがいいかもしれませんね。
3不動産一括査定でリスクを回避するには
ひと通り不動産一括査定を利用するうえでのデメリットやリスクについてお話ししてきましたが、決して利用することが悪いということではなく、それらを事前に知っておけば、有効活用できると考えてください。
不動産売却がはじめてという人や、不動産会社からの営業が負担になってしまった人、営業されるのが不安で一歩踏み出せない……という人たちのために、対処法などをお伝えしておきます。
知識をしっかり備えて、振りまわされることなく利用してください。
3-1 事前に調査をしておく
はじめにお話ししましたが、売却したい物件の相場は必ず把握しておきましょう。
5~6軒の不動産会社に査定を依頼すると、数百万円の差があることはめずらしくありません。査定額の高い不動産会社が高く売ってくれるわけではないということはおぼえておいてくださいね。高めの会社があったら、必ずその根拠を聞いてみましょう。
「ちょうど購入したいと言っている人がいます」などと言われることがあるかもしれませんが、本当かどうかわからないし、実際にいたとしても「相場より高い金額でも買いたい!」と言っているわけではないでしょう。
冷静な判断をするためにも、相場を把握しておくことは利用する前の必須条件です。
また、一括査定サイトもさまざまなので、サービスが開始されたのはいつ頃か、どの分野を得意としているか、どれだけの不動産会社が登録しているかなど、ひと通り目を通しておきましょう。
3-2 しつこい営業電話の対処法
「とにかくたくさん電話をかける」といった営業マニュアルの会社もあるそうです。
仕事中にふとスマホをみたら、不在着信がたくさん入っていてギョッとしたという声もあります。
一括査定サイトによっては、相談窓口が設けられているところもあります。予想以上の営業電話でストレスを感じてしまうような場合は、サイト側に連絡をして対応してもらいましょう。
情報を送信したあとの対応としては
・「査定依頼を受け付けました」とメールで連絡がある
・いつまでに送ってくれるか明記されている
・査定結果に根拠を添えて送ってくれる
といった流れが望ましいように思います。電話でのあいさつも執拗でなければいいでしょう。
3-3 匿名査定サイトを利用する
利用してみたいけれど不安がある、という場合は匿名査定サイトにしてみるのもよいと思います。
そのようなサイトでは、物件の住所を番地まで入力するようになっていますが、情報は不動産会社に公開されず、電話がかかってくることはありません。
もし詳しい内容が聞きたくなった場合は、自分から連絡することができます。
また、AIが査定してくれるサイトもあります。
まとめ
不動産一括査定サイトは気軽に利用できるものですが、まずは提示された価格よりも「人」を見極めることが大切です。
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