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よい条件で不動産を売却するための一括査定サイト利用法

不動産の売却を検討している方々は、「とりあえず」一括査定サイトを利用してみようかなと考えるのではないでしょうか。
不動産一括査定サイトは、無料で利用できる便利なサービスですが、準備も心がまえもなく「とりあえず」で利用してしまうと、大失敗してしまうこともあります。

まずは不動産一括査定サービスのしくみを知って、納得したうえで利用することをおすすめします。そのようなサイトはたくさんありますが、サイトごとに得意分野や対応可能なエリアなどが異なります。

本記事では、よい条件で不動産を売却するためには、不動産一括査定サービスをどのように利用すればよいのか、詳しく解説します。
少しでも良い条件でお手持ちの不動産を売却できるよう、ぜひご一読ください。


監修者

印南和行(宅地建物取引士、ファイナンシャルプランナー(AFP)、一級建築士、一級建築施工管理技士、不動産コンサルティング技能士試験合格) 全国不動産売却安心取引協会 理事長。住宅専門チャンネル「YouTube不動産」が「わかりやすくて参考になる」と大好評でチャンネル登録者9万人、総視聴回数2100万回を超える(2023年5月1日現在)。著書に「プロ建築士が絶対しない家の建て方」(日本実業出版社)、「プロが教える資産価値を上げる住まいのメンテナンス」(週刊住宅新聞社)がある。


1不動産一括査定ってどんなサービス?

一括査定とは、売却を検討している不動産の情報を入力するだけで、複数の不動産会社から売却価格を査定してもらえるサービスです。
登録料や手数料などは一切かからず、無料で利用できるのはなぜか、不思議に思う方も多いと思いますが、サイトの運営にかかる費用は、登録している不動産会社が負担しているため、利用者の負担は一切ありません。

不動産会社は、1件査定をするごとにサイトに対して手数料を支払うというしくみがほとんどです。1件でも多くの売主と媒介契約を結んで、売却を成立させたいと考えています。

 1-1 不動産一括査定サイトのしくみを知ろう

30数年前まではインターネットが普及していなかったので、あちこちの不動産会社に足を運んで情報を伝えるか、電話とファックスでやりとりをするという方法しかありませんでした。
現在はサイトのなかにたくさんの不動産会社が店舗をかまえていて、入口で情報を入力すれば、すぐに複数の不動産会社から連絡が来ます。想像以上に迅速です。

日中は忙しくてじっくり向き合う時間がない人でも、インターネット上で24時間いつでも入力ができて、複数の不動産会社とやりとりができる一括査定サイトはとても便利です。
また、遠方の不動産を売却したい場合でも、地元の不動産会社に依頼ができます。

ただし、住所、氏名、電話番号を入力しなければならないので、翌朝、営業開始と同時に電話が鳴る可能性があります。営業時間内であれば、10分以内に電話がかかってくることもあります。

では、不動産会社が提示する査定価格は、どのようにして算出されるのでしょうか。
一般的には、さまざまな不動産のデータを参考に3ヶ月以内に売却できると思われる価格が提示されます。なぜなら、媒介契約の期間は3ヶ月が目安となっているからです。

ですが、最近は、この通りではないケースが多く、相場より高い査定価格を提案する会社も数多くありますので、注意してください。

 1-2 どんな不動産会社に査定してもらえるの?

査定をおこなうのは、そのサイトに登録している不動産会社です。登録しているのは大手から中小規模の不動産会社までさまざまですが、近所の不動産会社に査定してほしいと思っていても、その会社が登録していなければ依頼はできません。

地域に根ざした小さな不動産会社は登録していないこともあります。

一度に届く査定結果の件数は、サイトによって異なり、5~10社程度が多いようです。売却したい不動産の所在地域によっては、対応可能な不動産会社が見つからないこともあります。

 1-3 サイトを利用したら必ず売却しなければならない?

不動産一括査定サイトを利用する目的は、すぐにでも売却したいと考えているときだけではなく、「とりあえずいくらで売れるのか知りたい」という場合もありますよね。

先にお伝えした通り、サイトの利用は無料です。
サイトを利用したからといって必ず売却しなければならないという決まりはないので、数社から査定価格が提示された後、売却をしなかったとしても違約金などはありません。

2一括査定で不動産を上手に売却

不動産一括査定サイトは気軽に利用できるものですが、不動産を少しでも高く、できるだけ早く売却するためには、心得ておきたいポイントがいくつかあります。

一般的に不動産を売却する機会は、人生で何度もあるわけではありませんよね。何からはじめたらよいのかわからない人がほとんどだと思います。
知識がないまま流されることがないよう、下調べをすることからはじめてみましょう。

 2-1 まずは下調べをしっかりと

不動産会社とのやりとりがはじまる前に、売却しようとしている不動産の相場をインターネットで調べてみましょう。まずは同じエリアで似たような物件があれば、いくらで売られているかを確認します。

また、建物であれば地域や築年数から過去に成約した購入価格を調べて、おおよその売却相場を算出する方法もあります。

不動産会社によって査定額に差が出る可能性は高いので、提示される前に、売却しようとしている不動産の価値を自分で調べておくことは大切です。
どのような立地条件でその価格が提示されているのか、どれだけ需要がある物件なのかを知っておけば、実際の査定額よりも大幅に下回るような価格で売却されることを防ぐことができます。

 2-2 複数の不動産会社に査定してもらおう

不動産会社と媒介契約を結ぼうと考えているなら、査定は必ず複数の会社に依頼しましょう。同時に複数社とやりとりをしても問題はありません。
不動産会社によって算出の根拠が異なるので、大手不動産会社や地元不動産会社など、最低でも3社と同時にやりとりしてみるとよいでしょう。

複数の会社に依頼する際に大切なことは、すべての会社に同じ情報を伝えることです。
そうすれば査定額に大きな違いは出ないはずですが、なかには予想もしないような高い査定額を提示してくる会社もあります。一社だけでは査定額はもちろん、担当者の対応も比較することができません。

一括査定のメリットとしては、各会社から査定額の根拠などについて説明を受けながら、多くの情報を集めることができるという点があげられます。
また、数社に依頼することで、会社間に競争心も発生するので、有利な条件で交渉を進められる可能性も高くなるでしょう。

査定をしてもらうなかで、さまざまな情報も入手できるので、複数社に査定をしてもらってください。判断材料はたくさんあったほうがいいですよね。

2-3 依頼先は順序だててじっくり選ぼう

不動産会社によって、連絡の方法や頻度、査定結果の伝えかたはさまざまです。良心的と思える対応例としては、

・「査定依頼を受け付けました」とのメールがある
・どれくらいの時間で査定書が作成できるかを知らせてくれる
・査定結果に根拠を添えて送ってくれる
・売却の流れや発生する費用などの説明もある

などがあげられます。
正確な住所を入力しているので、なかには突然訪ねてくる会社もあるかもしれません。実際に対面で話を聞いてもらったほうがよいのではないか、と思うかもしれませんが、アポなしで訪問をしてくるような営業担当者はあまりおすすめできません。安易に家にあげずに、まずはメールで机上査定からお願いしたほうがよいでしょう。

査定には机上査定と訪問査定があることはご存知だと思います。

【机上査定】
住所や築年数、リフォーム履歴、間取りなどから金額を算出する方法です。類似した物件や近隣での取引事例をもとにしていて、物件自体の状況が加味されていないため、精度の低い査定になります。

【訪問査定】
営業担当者が現地を訪れて、机上査定をもとに詳細な金額を算出します。建物の劣化具合や設備の状態、土地の形状、周辺の環境まで見ることができるので、より現実的な金額を知ることができます。

まずはふるいにかける意味でも数社に机上査定だけ依頼してみましょう。すべて同じ査定額になることはないと思いますが、現実的ではない査定額を提示する不動産会社は候補からはずしてもよいでしょう。

査定額が高いからといって、その会社が高く売ってくれるとは限りません。
高く売れれば手数料が多く入るという点では不動産会社にもメリットはありますが、自社と契約を結んでほしいという動機から、売れそうもない高い査定額を提示してくることもあるのです。
まずは査定額の根拠をしっかり確認しましょう。

数社を比較するポイントとしては、査定額だけでなく以下のような点にも着目してください。

・売買の事業を得意としているか
特に売却に力を入れているかどうかを確認しましょう。

・その地域での販売実績が豊富か
所有している物件に近いエリアでの取引実績数が多い会社であれば、情報も豊富です。

・営業担当者の対応が丁寧でしっかりしているか
質問にしっかり答えてくれることはもちろん、最低限のマナーで接してくれるかどうかのチェックは重要です。

・高く売るノウハウがあるか
どのような販売活動・販売計画を持っているか、購入希望者に対してどのようなサービスを用意しているかなどを的確に話せる営業担当者であれば安心です。

3不動産売却のためのよい一括査定サイト選び

不動産一括査定サイトでは登録する際に審査をおこなっているので、基本的に悪徳業者の被害にあうことはないと考えてよいはずです。
ただし、サイトによって特長としていることが異なるので、所有している不動産にあったサイトを選ぶ必要があります。

3-1 サイトによって特性や得意分野が違う

不動産会社の得意分野を見極めることが、できるだけ高く、早く売却するためのコツとも言えます。サイトによって登録している不動産会社の特性が異なり、それぞれに得意としている分野があるので、利用する前にチェックしましょう。
特性としては

・大手不動産会社が登録している
・地域密着型の不動産会社が登録している
・都市部の不動産会社が多い
・地方の不動産会社が多い
・電話連絡がない
・匿名で簡易査定ができる
・AIが査定してくれる

などがあります。

取扱対象外の地域があったり、特定の会社にしか依頼ができなかったり、所有している不動産の売却には不向きなものがあることを知っておきましょう。
また、得意分野を見ると、

・一戸建てに強い
・投資物件に強い
・買い取りやリースバックの査定も可能
・再建築不可物件の査定も可能
・住み替えがスムーズにできる

などがあげられます。
特殊な物件を売却したい、一定の期間内に売却したいなどの希望がある場合は、それらを得意とする不動産会社が登録しているサイトを選びましょう。

3-2 運営会社や登録業者数をチェック

数ある不動産一括査定サイトの中からどれを利用しようかと考える際、運営会社や登録業者数は第一の判断材料ではないでしょうか。
運営会社が明記されていて、知名度があれば、安心して利用できると感じる人は多いでしょう。

登録業者数が多いサイトであれば、他のサイトには登録していないような会社もあり、選択肢の幅が広がるので、よい条件で売却できる可能性が高まると考えられますが、少ないサイトは不動産会社を厳選している場合もあります。

2023年5月現在、登録業者数が最も多いサイトは株式会社LIFULLが運営する「LIFULL HOME’S」で、大手不動産会社から地域密着の不動産会社まで、全国約3800社と記載されています。

3-3 過度な営業にあって困ったら……

基本的に、不動産一括査定サイトに不動産会社が登録する場合、厳しい基準があるとされていますが、なかにはメールで机上査定の送付を希望しているのに、執拗に電話をかけてくる営業担当者もいます。
執拗にかけてくるような会社は配慮に欠けているので、査定自体をお断りしてもよいと思います。

また、稀にアポなしで突然訪問してきて、査定そっちのけで契約をせまってくる会社もありますが、運営会社がそのような過度な営業を認めているわけではないので、迷惑行為として報告をしましょう。

4まとめ

不動産一括査定サイトは、無料で手軽に利用でき、複数の不動産会社に一括で査定を依頼できる便利なツールです。
サイトの選びかたや利用方法を正しく理解していれば、所有している不動産をよい条件で売却することができるので、利用前の準備はしっかりとおこないましょう。

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不動産の仲介担当者には売却が得意な担当者、苦手な担当者がいます。おうち売却の達人は定期的に研修会に参加し、不動産売却の知識はもちろんのこと、常に不動産に関する法律や税金、最新のマーケティング手法まで勉強しています。
売却が得意な担当者だから、みなさまの不動産を高値で売却することが見込めます。

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