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にじみ、潤う|わくわく 和紙

紙が好きです。
平面に広がる色とりどりの世界。
質感、におい。

紙を入れている箱を開けて
あー可愛いと うっとりして
また箱にしまう。その繰り返し。


紙の思い出は、祖母と重なる。
お絵描き好きな私のために
祖母が片面無地のチラシを取っておいてくれたこと。
一緒に折り紙を折ったり、
包装紙でぽち袋を作ったりしたこと。

お土産物のあねさま人形も思い出す。
着物姿の、千代紙のお人形は
紙なのに、不思議な存在感で。

可愛いだけじゃない
憂いや色香みたいなものを
横目にちらりと感じていた。



和紙に関していうと
色や模様に惹かれることが多いので
「和紙そのもの」と違うかもしれませんが。

こころが踊る、
私の好きな和紙のものです。




伝統に出会う

・いせたつ

千代紙といえば、いせ辰。
トップ画像も いせ辰です。
谷中の本店で、迷いに迷って大きめの紙を連れてきた。

版は同じでも色違いだと印象が変化


https://www.isetatsu.com/




・小津和紙

流し漉き体験ができる、日本橋の小津和紙。
木の繊維に、ねりを入れた水の中でちゃぷちゃぷと木枠を動かす。
行ったのはかなり前だけど、とにかく気持ちよかったなあ。

マンツーマンで漉きました
色水や糸などで装飾


一緒に購入した大判の和紙
(こうやって窓際で撮影してます)
花、結晶のよう。端のふわふわも好き


https://www.ozuwashi.net/





榛原はいばら

榛原は、紙の博物館のお店で手鏡をみつけたのが最初。

手鏡とお揃いの千代紙

その後に行った三鷹市美術ギャラリーの展示が素晴らしく。
職人さんの技術に圧倒され、展示室内をぐるぐる。
店舗には行けていないので、いつかきっと。


https://www.haibara.co.jp/





紙博で出会う

紙博は手紙社 主催のイベント。
大盛況で気合いが必要ですが、新たな出会いが嬉しい。
伝統と現代がうまく融けあった和紙たち。


・アワガミファクトリー

 ベジタブル紙「菜の花」。ごわっとして良い


http://www.awagami.or.jp/




・西島和紙工房

富士山と太陽カード
裏返すと、月


https://tesukiya.com/






触れて広がる

・手をうごかして

千代紙で「花たとう」を折ってみた。

ピシッと折れず

お香が入ったものを持っているけど、作るのは初めて。
市販の折り紙がパリッとしているのに対して
千代紙は適度に厚く柔らかく、やや折りづらい。
でも、しなやか。

作って触れると分かる。
不格好な仕上がりも、味ということに。


・可愛いの先にある潤い

和紙には
想いが浸透しやすい気がする。

紙を漉いた時のあの感じ。
ちゃぷちゃぷと満たされる。

自然素材のあたたかさ。
作り手の方々の想い。
おもむき。懐かしさ。

作られる過程でそういうものが和紙に乗り
手にしたとき、じんわりと中に広がるよう。

わあ!とわくわくしながら
こころの底が静かに滲み、潤う。
それはきっと、和紙だからこそ。


* * *


使ってあげたいと思いつつ
見つめるだけで、満足してしまう。

あー可愛い。
ここにある、幸せ。
そしてまた、箱にしまう。