メンクリ、再び

メンタルクリニックに再びお世話になることになった。治療目的での通院は5年以上振りである。
通院に至るまでの経緯と結果、投薬の効果についてまとめていく。


・性格について
メンタルを故障させる原因の殆どは、本人の性格や気質によるものであろう。まずは、私自身の特徴について説明する。

まず私は、真面目で責任感が強く、完璧主義な性格である。他人に気を使いすぎてしまい、他人の機嫌や顔色に過剰に反応しがちである。また、気持ちのオンオフの切り替えが苦手で、就労を終えてからも毎日のように、眠りにつくまで悶々と一人反省会をしてしまう。
環境的な要因としては、肉体負荷が非常に強い仕事をしており、そのために殆どの従業員が常に疲弊しているような職場で働いている。また休みが少なく、仕事以外の個人的な用事も多いため、自分の時間があまりない。その他、人間関係に大きな変化があった。


・身体症状が出始める
自分にストレスが溜まっているなと感じ始めてから、二ヶ月足らずでまず睡眠に影響が出始めた。夜更かしを好み寝つきが悪くなって、夜中に何度か目が覚めるようになった。
四ヶ月目くらいで、過敏性腸症候群の症状が出るようになった。最初は軽い症状で、食生活の問題かと考えたが、出勤直前や就業中の腹痛が増えたことから仕事のストレスによるものだと気付いた。同時期に生理不順にもなった。
五ヶ月目以降から、原因不明の不安感や恐怖に襲われるようになった。この時点で不安感などに対する問題意識などは無かったが、肉体的な疲労が限界に達している自覚はあったため、苦肉の策としてメンタルクリニックの門を再び叩くに至った。


・メンタルクリニックに対する嫌悪感
精神科・メンタルクリニックに今まで関わりの無かった人たちは、これらに通っていると聞いただけで、少なからず恐れや戸惑いを感じるのではないだろうか。事実、精神的不調から人相や人格が良くない方に変化してしまった人や、他人を害する人もいるため、そうした未知なるものに対して恐れを感じるのは自然なことである。
私は、昔精神科にお世話になっていたこともあり、偏見などは無かったけれども、始めは正直プライドから激しい抵抗感を感じていた。精神科にかかるのは初めてではないし、自分がそういう人間では無いことは分かってはいるものの、自分が弱いからだとか自己管理の足りなかったとか色んな事を理由にして自分を責めたくなるし、偏見など無いなどと言いながら一般人には他の患者達と一緒くたに見られてしまうと思うとプライドがとても傷ついた。おまけに精神科というのは初診の予約は中々取れないことが常なので、色んな所に電話して断られ続けると、「このアタシが電話してやったのにこのザマかよ」と勝手に逆ギレすることもあった。


・以前の通院との違い

昔精神科にお世話になっていたときは、鬱症状や自傷行為、希死念慮などもあったため、定期的な通院の他に複数種類の服薬とカウンセリング、必要ならば入院することもあった。
しかし今回は、不安感はあれど鬱症状は無し、感情のコントロール自体はできているし本当に必要なのは休息だけだったため、医師とのやり取りも非常に簡単なもので、薬も一番軽いものを処方された。

 

・処方された薬について

①リーゼ(クロチアゼパム5mg) 朝夕1錠
抗不安薬の一種。精神症状の諸々に効くほか、自律神経失調症の目眩や肩こり、食欲不振の改善などにも処方される。弱いながらも筋弛緩作用もあるため、緊張性頭痛の治療に使われることもあり、副作用としてふわふわとした軽いめまいを感じることもある。
大脳辺縁系といわれる情動にかかわる脳の領域の神経活動を抑制し、抗不安作用、鎮静などの作用を発揮する。効果の立ち上がりが早いが持続性が短く、比較的マイルドな作用の薬である。

②デエビゴ(5mg)
入眠障害の治療に優れている。
入眠困難、睡眠維持困難のいずれかまたはその両方を伴う成人の不眠症に対して適応を持つ睡眠薬。


抗不安薬の感想としては、始めは全く効いている実感がなく、今度の通院時に文句を言ってやろうかというレベルだったが、気がつくとふとした時にきちんと作用しているのが実感できた。
不安感や苦しみが完全に消えるものではないが、言われてみればそういえば不安の度合いが減ったなという感じで作用している。また今までは日中はずっと肩に力が入り気付けば拳を握りしめていることが多かったけれど、筋弛緩作用のおかげか自然体で体がリラックスできているように感じる。何かを治してくれるというよりも、気の抜き方や緩め方、心の休め方を教えてくれたり、助けてくれるという感じで、うんヶ月振りに心を休められたことにとてもほっとした。安らぎってこういうことだったんだと、すごく気持ちが軽くなった
副作用としては、日常生活ではほぼ影響を感じることがなかったけれども、趣味の英会話教室に行った時に、言葉が全く浮かんでこないし相手が何を言っているかも全く頭に入ってこず、自分が思っている以上に想像力や思考力が落ちている事に気がついた。仕方なく頭を使う日は(自己責任で)薬を抜いてみたのだが、服薬を始めて日の浅い現在では、薬効が完全に抜けるまでほぼ24時間必要であると感じた。また、とても気が利いて周りをよく見ている人からは「最近笑顔が少ないけどどうしたの?」とは言われた(が会話などに影響はないため、殆どの人には気にならない程度だと思う)。しかし、薬物治療は続けたいため、今後は回らない頭でどうやって勉学との両立をさせるかが課題である。
睡眠薬の感想としては、飲んで布団に入ればすぐ、息をつく間もなく(入眠の自覚なく)ぐっすり眠れたので、これまた久しぶりに熟睡できたことに感動した。


・メンタルの治療について

今までは、特別な理由がない限り精神薬に頼るべきではないと考えていた。確かに精神薬は人体の自然な反応を人為的に変えてしまうものだし、扱いによっては危険も伴うものである。しかし結論としては、ストレスを軽減するためにGABA入りのチョコレートを食べたり、アロマを焚いたりするように、もっとフランクに薬物治療ができるようになってもいいのではないかと感じた。
大人は自分で自分のケツを拭かなければならないから、公園を散歩するくらいでは解決できないようなストレスは、ヤケ酒したり、ドカ食いしたり、風俗に行ったりして発散するしかないけれども、それらと比べたら薬物治療のほうがよほど健康的なものに見えてくる。
私自身が今回抱えていた症状については、もしも丸々一ヶ月休みが取れたなら、いや二週間でも休めたのならばら治るものであった。しかし、仕事やお金の事を考えると簡単には休めないし、仮に休めたとしても、短い人生の中で限界を感じる度に毎度毎度休む暇なんて無いのである。なので、こうして薬の手を借りながら自分の限界を知る、丁度いい力の出し方を知ることは、効率的だしとてもよい方法だと私は思う。
今後の自身の治療方針としては、とりあえず年内は投薬を続けつつ様子を見ていきたいと思う。次に断薬した時には何が変わっているか、またnoteに書ける日が楽しみである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?