タマゴは投げるものじゃない
「なんでこんなことしたの?」
母親が我が子に問いかける、よくある場面。
「受験勉強のストレス。」
「それは友だちだって一緒でしょ。他の子達がこんなことしてるのなんて聞いたことないよ。」
「そんなことないよ。似たようなことしてる子達は私の周りにたくさんいるし、テレビでもニュースになってたじゃない。」
「ニュースになってたのは生でしょ。あなたがパパに投げたのは、ゆで卵よ。」
「どうして生はよくて、ゆではダメなの?」
「痛いじゃない、ゆでは。全部固体なんだから。」
「でも生のほうが、ぶつかった後は悲惨よ。ゆでならちょっと痛いだけで済んだじゃん。私なりの優しさ。」
「どんな理由であれ、食べ物を粗末にしちゃいけません。」
「ゆでなら投げた後も食べられるよ。」
「そう?」
「うん。そんなに崩れなかったから、普通に殻むいて食べた。」
「そうすると、ゆでのがいいわね。」
「ゆでならいいでしょ。」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?