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#恋愛小説

【ショートショート】夏の匂いに負けた恋

私の大好きな男が言った。 「あれ?俺らって付き合ってたの?」 続けて「ごめん」と笑って謝…

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【ショートショート】スナちゃんはストッキングがキライ

一条さんには隙がない、と私は思う。一条さんは若手女性社員みんなの憧れだ。 胸元まで伸びた…

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【ショートショート】石と王子

「やっべ、1,000円貸して」 隣で石が言う。 石と言っても道端に転がっているやつじゃない、石…

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【ショートショート】キミはストーカー

振り返るとその男はいた。 しとしとと朝から降り続ける雨のせいで道路は鏡と化し、そこに反射…

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【ショートショート】テラダという男

「ねえ、時間ある?今から何すんの?暇じゃない? ?俺、テラダって言うんだけど。一緒に飯食…

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【ショートショート】mixiで10年ぶりに連絡してみれば

藁谷(わらがや)あいは久しぶりにmixiのログイン画面を開いた。「ハルオ、金髪で電車に乗って…

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【ショートショート】まつりの心を奪うもの

登坂茉莉(とさかまつり)は男との食事の会計の際、いつも気にすることがある。 割り勘か、奢りか、ではない。 茉莉が気にするのは支払い方だった。 恋人は2年不在。 されど毎週のように男を替えてはデートする。 そして見るのだ、支払い方を、財布を、カードを。 今日のお相手は、一カ月前に友達の恵理那(えりな)からの紹介がてら一緒に飲んだ男・相川朋哉(あいかわともや)である。 その時は会計の際、恵理那から「外で待ってよう」と言われ店を出てしまったことから、支払いを見ることができなかっ