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無色透名祭Ⅱ参加楽曲【無宗教】について

無色透名祭Ⅱ、お疲れ様でした!
反省点や歌詞の解説等を簡単にしていきたいと思います。
後半、暗い話も出てきます。完全な自分語りです。
今ちょっと重い話は控えたいかなーって人は途中でやめといてください!笑

まず、私が参加した楽曲はこちらでした↓

総数が4800曲越えとのことで、埋もれるだろうな〜と思っておりましたが、やはり埋もれました!笑
今回の反省点としては、曲数が多くなり巡回するとなるとよっぽど気に入った曲でないと長く聴こうとならないため、出だしのインパクトが命運を分けるのではないかと感じました。
10秒聴いてもらえれば良い方なのでは。
そのため、この曲のように静かな始まりでだんだん音数が増えていき、サビで盛り上がるような曲はこのイベントには向いていなかったのかもしれません。
ボカコレアプリではサビ再生というものがあるので、おそらくいただいてる良いねやマイリスはほとんどそこからなのではないかと感じました。
ボカコレもおそらく似たような感覚はあると思うので、この反省点は冬のボカコレに生かしていきたいと思います!

当初この曲は無色透名祭の白黒文字だけPVでYouTubeにも投稿する予定でした。
文字だけでもなんとなくイメージに合っていたので、良いかなと思ったんです。
でも、歌詞を書きながら、曲を完成させながら、色をつけたいという気持ちが強くなりました。
また、ギターを仲良くしてくださってるDangoProjectさんがコラボで弾いてくれたため、より良い形で残したいと考えました。
ギターが入って本当に作品のレベルが上がったので感謝感謝です!

https://twitter.com/DangoProject

https://www.youtube.com/@dangoproject6699



そして、本日有色版ということで自分のアカウントでオリジナルMV版を投稿いたしました。

いやー、まずロゴとイラストが最高ですね!!!
今回は活動初期から親交が深く、もはや親友と言っても過言ではない
鹿(roku)様にロゴ・イラスト・動画3点全て託しました。

https://twitter.com/13ku_roku

https://youtube.com/@13ku_roku

リアルが忙しい中、無色終了のタイミングに合わせて納品を急いでくれた鹿様に感謝しかありません・・・
普段のイラストもめちゃめちゃ素敵でショート動画も頻繁に投稿されてるので、みなさんぜひYouTubeのチャンネル登録してください!!!

無宗教 音・歌詞解説

以下歌詞です

1A
神様なんていない神様なんていない
神様なんていない神様なんていない
大事な人消えて信じられるわけない
現世(うつしよ)似たような人たくさんいるね
戦争だってない天災だってない
何一つ欠けない世界を作ってよ

膝から崩れ落ち息もままらない
それほどの苦しみ与えられてさらに
"可哀想"の烙印 哀れみと同情
お金になりますか?助けてくれますか?

1B
祈っても祈っても「ただいま」が聞こえない
祈っても祈っても「おかえり」は届かない

1S
選んで生まれたと誰かが言った
終わりは選べないのに何億分の1の奇跡だと
絶望悲しみや辛さは人を強くしてくれるんだと
上澄み綺麗事だけを啜る"無宗教"

2B
祈っても祈っても消すことは出来なくて
祈ってた祈ってた夢の中会えるなら

2S
あなたの笑顔を目に焼き付け
もう忘れることないように
私を呼ぶ声耳に刻む
消えゆくあなたと年老いた私
『来世でまた会いましょう』
縋ることもできない私は"無宗教"

2A
神様なんていない神様なんていない
神様なんていない神様なんていない

まず、大前提なのですが、この曲で特定の宗教や信仰などを否定する気持ちは一切ございません。
ただ、そう思う人もいるということだけです。

この曲の歌詞の原案は家族を急に亡くした人が、神社の本殿を目の前にしながら断言した「神様なんていないから!」でした。
急死した人は「俺は100歳まで生きる!ひ孫を見てから死ぬ!」と言うような、豪快で活動的で明るく、元気な人でした。
毎日会えるような環境ではなく、1ヶ月に1度会えるかどうか、そんな環境でした。
なのに、最期のお別れはあまりにも悲惨な状態で顔を見ることもできませんでした。

この曲はそんな急な別れを受け入れることができなかった人の歌です。
怒り、哀しみ、絶望、世間への皮肉、そんな気持ちを1番Aメロに込めています。出だしのポクポク音はお葬式の木魚です。
可不には薄くIzotopeさんのボーカルシンセ2を3種類くらいオートメーションで掛けていて、音の厚みを出しています。
前奏からトライアングルが細かく入ってきます。
イメージは木魚のポクポク音とチーンを一緒にしたかったです。
大太鼓も入れ、小節の像をくっきりさせました。

突然の訃報ってよく聞くじゃないですか。
あれ、膝から崩れ落ちるって本当にあるんですよ。
あの時のコンクリートの無機質な硬さ、一生忘れないと思います。
人目も憚らず泣いて、息もできませんでした。
その後は怒涛のようです。
人が一人死ぬと、残された側は全てそれを片付けなければいけません。
良いものも悪いものも。
お金をたくさん残してもらえていればいいのですが、ない場合はもっと悲惨ですね。
亡くなった人が若ければ若いほど、周りからの目は痛々しさを増します。
それが「可哀想の烙印」です。
可哀想と言われても、状況は変わらないし、誰も助けてくれませんでした。

また、あまりに急すぎる別れは精神に支障を来します。
とくに自分の目で最期を見ることができなかったので、夢だったのではないか嘘だったのではないか、ひょっこり帰ってくるのではないか。
そんな気持ちにもなってしまいます。
それがBメロです。
この部分は8分の5拍子→サビ前一部8分の6拍子で普通ではない感覚を再現したかったです。
「ただいま」が聞こえたら良いのにな。
「おかえり」と言えたら良いのにな。

そしてサビです。サビのメロはだいぶ後半で作り替えました。
作り替えたことでサビらしい疾走感を出すことができました。
大太鼓とキックを重ねて迫力を出しています。
箏がうるさいのは私の癖です。

サビの歌詞はすごくスピリチュアルな話になってしまうのですが、子供は生まれる時自ら生まれる家を決めてくると言われます。
でも今の日本では、なかなか自らの終わりを選ぶことはできません。
辛い経験だって無いに越したことないと思います。
そんな周りから言われる「綺麗事」が澱んだ水の中の「上澄み」みたいだなと感じました。
色んな宗教の良いとこどりばかりしている日本の宗教観にも当てはまるなとも思いました。

間奏の単音箏、笛は先日導入したNIのEast Asiaです。
人間っぽいコーラス音を足して幻想感を出しています。
静か目の間奏を少しだけ挟み、すぐ2Bに入ります。

2B、ここの歌詞は何度も書き直しました。
最終的にあえて直接的にならないように、含みを持たせた書き方をしました。
祈って消したかったものがたくさんありすぎたからです。
・故人と過ごした幸せな記憶
・故人と出会い、関わった過去
・残された自分自身の存在
消せた方が楽になれる、でも結局できない、そんな葛藤です。
それなら、せめて夢の中でも良いから会いたい、そんな想いです。

「夢の中」という言葉は「神様なんていない」と言った人と同じ人が言いました。
また、故人との思い出の曲に井上陽水さんの「夢の中へ」という曲がありましたので、使いました。

「夢の中へ」は私が初めて弾き語りができるようになった曲でもあります。
有名な曲なので、聴いたことがある方も多いのでは。

そして2番サビに入ります。2番サビになると少し前向きな歌詞になりますね。
2Bの葛藤で、後を追うことができなかった、少しだけ乗り越えた、そんなイメージで書いています。

人が亡くなった時の一番の薬はやはり時間なのだと思います。
でも、その時間が経過したことで覚えていたかったこともどんどん忘れてしまいます。

例えば故人の笑顔、声、体温、匂い。
思い出したくても思い出せなくなる時がきっときます。
もっと写真やビデオを撮っておきたかったです。
今の時代は手軽にそういう記憶を機械で補えるようになっているので良いなと思います。

脳内で消えゆく故人と、自分だけが年老いていく現実を受け入れる。
「来世でまた会いましょう」は後を追うことを止め、生き続けていくことを決めた心の変化部分です。
夢の中で会えたら、「一緒に連れて行って」とお願いしたい気持ちもあったと思います。
でも、その気持ちで故人に縋ることはできない。
きっとそれは望んではいない。
私は私で生き続ける、でももう何も信じない。

だからこの主人公は「無宗教」。
そういう終わり方にしました。

作りたかった世界は美しく、儚く、切なく、芯の強い音。
幻想的でもある命の儚さと人の心の強さを表したかったです。
少しでも伝わったらいいなと思います。

おそらくですが、この曲を私が歌うことはないと思います。
厳密に言うと、歌えません。泣きます。(この文打ってても泣いてました)
だから、可不ちゃんが代わりに歌ってくれて良かったなと思います。

無色透名祭で埋もれてしまったとしても、思い入れの強い曲を作れたこと、たくさんの人に聴いてもらうことができたのは私の誇りです。

長くなりましたが、以上となります。
ご拝読ありがとうございました。




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