20年前の記事を読んでみた 耐熱性芽胞を作るセレウス菌

 嘔吐や下痢などの食中毒を起こすセレウス菌は耐熱性芽胞をつくり、乾燥にも強いので食品製造の業界では気を抜けない菌です。
 耐熱性芽胞は香辛料に潜んでいることもあり、カレーなどを腐敗させる原因ともなりえます。
 この菌が食品中で増殖した際につくる毒素は、黄色ブドウ球菌の毒素と似たような性質を持ち、食べる前に食品を加熱しても厄介なことに無毒化されません。

 過去、私が20年程前に書いたブログの記事を、たまたま目にしたので読んでみると、狂牛病や赤痢、セレウス菌などの記事があり、「その頃はそうだったんだ」と懐かしく思い出しました。
 その中でセレウス菌の話を書いてたので、今に通じることもあるかと思い、以下に紹介します。

「 セレウス菌については、先年、ガンのため他界した同僚のNさんが10年ほど前にした仕事を思い出します。
 これは、作りたての「卯の花」から多量のセレウス菌が検出されるという事例で、彼が先頭に立って原因追及した結果、おからを煮る回転釜の攪拌機の木製のカイが汚染原因であることが判明しました。
 回転釜の攪拌機は煮立ったものをかき混ぜますので、およそ、汚染源とはなり得ないと思ったのですが、逆に、セレウス菌が木質部で耐熱性芽胞をつくり、卯の花を加熱する際に芽胞を接種することになっていたようです。
 セレウス菌については、他にも豆腐や弁当容器などで加熱(豆乳は大豆を加熱して、弁当容器は食器洗浄機で温湯洗浄)により選択され優勢菌になっているケースがあります。とくに物理的にこすり洗うことを省略し、熱湯消毒に頼っていると手痛いしっぺ返しが待っています。

食品衛生なんでも相談室 (sakura.ne.jp)
2001.12.21 セレウス菌あれこれ

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