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自分という人間がつまらないだけなのに 世の中がつまらんと言うな


猛烈に大森靖子にはまり始めた私は、今この本を読んでいます。

すごい本です。

大森さんの心のドロドロを樽から直接瓶詰めしましたって感じの本です。


私はウイスキー(バーボン)が好きです。

ウイスキーって複数の樽から調合して、最終的に加水して、アルコール度数を40度くらいまでに下げて、安定したクオリティで供給されているのですけど、

カスクストレングスと言って、樽から直接瓶詰めされた60度くらいのお酒があります。

樽ごとに味や香りが違うので、同じ銘柄を買っても毎回違う発見があります。

ロックしたり加水したりするとエグみが出たり、味や香りがぼやけたりするので、ストレートが一番です。

とにかくアルコール度数が高いということもあり、ガツンときます。

そんな感じの本です。


章ごとに味わいが異なります。大森さんのその時の精神状態が反映されている感じがします。

そこがリアルで、人格そのものを直接味わえる感じが、他にない魅力であるように思います。


普段のアーティスト活動では、これらの感情を調合して、多くの人が楽しめる芸術に昇華しているんだなーということも分かって、

改めて楽曲を深く味わえるような気もします。


具体的な中身について話そうとすると、私の意見を言っても、単なる本の内容の繰り返しになってしまいそうなほど、意見が合いすぎます。

もし願いが叶うなら一緒に酒を飲んでみたい・・・!


もしこの本をお勧めするとしたら、何か苦難を経験して、孤独を知った人にお勧めしたいです。

苦しい経験をした人は、その分他人に優しくなれるという言葉をたまに聞きますが、それは違うと思っています。

実際、「自分はもっとつらかった」とか、

「お前だけ不幸だと思うな。みんな同じように苦しんでるんだ」とか、

そういうクソみたいなこと言ってマウンティングする人、腐るほどいますし。


苦しい経験といっても、すべて同じ経験など一つもないし、

もし仮に同じ経験をしたとしても同じように感じるわけではない。

他人が自分を分からないように、自分も他人を分からない、

そんな風に孤独を知っている人は、この本とか、大森靖子の曲がとてもよく効くのではないかと思いました。

とても優しい本です。


あと、この本を読んで、私が学生時代に読んですごく影響を受けたマンガを思い出しました。

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古谷実の「ヒミズ」というマンガなのですが、そこに出てくるこの言葉は私の座右の銘みたいになっています。

世の中のうんざりする出来事の根本は、かなりの割合、この感情だと思っています。



おわり

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